表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

第9話 うつつ祭り、再び

再びうつつ祭の日が巡ってきたのは、それから数日後の事だった。街中の木という木には願い事の紙が生え、街の中心の広場には紙を焚き上げるための台座が置かれていた。芽郁はエリーたち、食堂の仲間とともに出店を周り、神官による指示の後には紙を集めるのにいそしんだ。


日暮れには町中の紙が広場に集まり、着火となった。芽郁は願い事の紙とともに、青い封筒に入った手紙を台座に乗せ、燃え上がる様子を眺めていた。


「これで私の記憶も輪になったかな?」


芽郁が言うと、エリーは静かにうなずいた。

願いのほとんどが煙となって空に帰っていったその時、芽郁の後ろから小さな声がした。

おもむろに振り返ると、神官姿のミツキが息を切らせて立っている。


「仕事の最中じゃない。早く戻らないと。」


と、芽郁が言うと、ミツキは


「これを渡したくて。」


と、小さなブレスレットを差し出した。


「貴方は無事、務めを果たしました。人と人の、人と物の豊かな繋がりを取り戻したのです。困難な旅だったと思いますが、最後までよくやり遂げましたね。貴方のこれからに幸あらんことを。」


ミツキは、そう言ってすぐ、社へ戻っていった。


芽郁はブレスレットを受け取ると、左手にはめた。月の光を受けて、ブレスレットが一瞬、きらめいた。


*************************************


気に入ってくださったら、ブックマーク、評価、コメントなどいただけるとうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ