第1話 絵空事
機巧暦2139年12月・ドイツ帝国ブレーメン
「もう完成したのか・・・・・・・・・」
「毎日10万の人が働いてくれたんですよ。帝国陸軍からも四十個師団《80万》の建設部隊を送ってくれたんです。おかけでスムーズに作業が進みました」
「・・・・・・・帝国にまた仮が出来てしまったな」
協商連合陣営と中央同盟陣営との間に停戦協定が結ばれてから帝国内や共和国内は久々に平和な生活を取り戻しつつあった。
「どうですか?」
「完璧だ。ありがとう」
俺とグレイスはブレーメンの街が一望できる場所に来ていた。街は東西約5㎞、南北約5㎞の正方形の街並みだ。東西を分断するように幅約100mの大通りがはしる。大通りの突き当たりには幅約20m、深さか5mの空堀がある。空堀の上には石造りの橋がかけられている。橋を渡ると巨大な庭と洋館が見えてる。
「あれが俺の住む場所か?」
「はい。住む場所であり最後の防衛拠点となる場所です」
「なるほど」
その巨大なゼダンの街を高さ約4m、幅約20mの土塁が取り囲んでいる。入り口の門は石造りにしている。さらに土塁の外側に幅約20m、深さ5mの空堀が囲う。
「お酒ありますけど飲みます?」
「そうだな。街を眺めながら飲むのもいいな」
グレイスは500mlの瓶を俺に渡してきた。受け取って少し飲むと桜の香りがした。
「美味いとは言えないけど良い匂いだな」
「桜花って言う東洋の酒なんですよ」
「ん」
街を見ていると既に移り住んでいる人もいるらしい。まだ帝都ほどの賑わいはない。
「戦争の街にはしたくはないな・・・・・・・・・出来ることなら帝都ベルリンを凌ぐ賑わいを見せる都市にしたいものだな!!」
「・・・・・・・・・少将」
グレイスは複雑な表情をした。あくまでこのブレーメンは要塞としてつくられている。イヤでも戦争になるのだ。つまり俺が言う帝都を凌ぐ賑わいを見せる商業都市をつくるという想いは絵空事にすぎないのだ。




