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ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ  作者: 山田マイク
『ヤンキー昔ばなし』
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ヤンキーとロボヤンキー

昔々、あるとこに、ジジイとババアが住んでたんだわ。


で、ジジイは山へ芝刈り。ババアは川へ洗濯。


するとよ、川上からデケェ桃が「ドンブラコ、ドンブラコ」じゃなくて、「ゴロゴロゴロ!」って流れてきた。


ババアが目ぇ丸くして、


「なんじゃこのデカ桃! 今日の晩飯これで決まりじゃ!」


って家に持って帰ったんだ。


んで、包丁で真っ二つに割った瞬間――


「オギャー!!」


桃の中から赤ん坊が登場。


ジジイもババアも、


「マジかよ!」


って腰抜かしそうになった。


子どもがいなかった二人は、その子を桃太郎って名付けて、大事に育てた。



時は流れ、桃太郎は近所じゃ負け知らずのガキに育った。


ある日、


「鬼ヶ島の鬼どもが好き放題やってる」


って話を聞く。


桃太郎は立ち上がって言う。


「おう。そんな連中、シメに行くしかねぇだろ。」


ババアは涙目で、


「危ねぇからやめときな…」


って止めるけど、


「心配すんな。俺がケリつけてくる。」


そう言って、日本一のきびだんごを持たされて旅に出た。



道中、まず犬が来る。


「おい兄ちゃん、その団子くれよ。」


桃太郎は一個投げてやる。


「食ったら今日からダチな。」


「ウス! 一生ついていきます!」


次に猿。


「俺も仲間にしてくれ!」


「団子食うか?」


「いただきます!」


最後にキジ。


「空は任せろ!」


「よし、お前も来い。」


こうして、犬・猿・キジの最強チームが完成した。



鬼ヶ島に着くと、鬼たちがニヤニヤ笑ってる。


「ガキが四人連れて何しに来た?」


桃太郎は肩を鳴らして一言。


「落とし前、つけてもらうぜ。」


その瞬間、犬が飛びかかり、猿がかく乱し、キジが空から急降下。


桃太郎は鬼の大将の前まで一直線。


「これで終わりだ。」


鬼の金棒を受け止め、そのままぶん投げる。


「参りました!」


鬼たちは土下座。


「もう悪さはしません!」



桃太郎は奪われた宝物を全部返させ、鬼にも約束させた。


「次やったら、その時は容赦しねぇ。」


鬼たちは震えながら何度もうなずいた。



こうして桃太郎は仲間と一緒に村へ帰り、ジジイとババアも大喜び。


それ以来、鬼は悪さをせず、村には平和が戻った。


めでたし、めでたし━━













 って、てめえ誰だコラ!


 ナニ勝手に語ってんだコノヤロー!


 ここは俺が昔話を語る場所なんだよ!



 ……って、なんだおめえ。


 なんか口の端っこになんか線が入ってねえか?


 あ?


 私はAIです?


 なにか他にご用は有りませんか?


 ねえよバカヤロー!


 てめえロボットかコノヤロー!


 いいかこのメカ野郎!


 ここは俺のシマなんだよ!


 この磯野ダイゴ様の縄張りなんだよ!


 勝手に入ってくんじゃね……って、なに?


 あなたが望めば、もっと面白く書くことも出来ますって?


 うるせえ!


 昔話ってのはよぉ!


 人間が語るからいいんだよ!


 人から人に伝わるから味があんだよ!


 てめえみてぇなロボットに昔話の何が分かんだよ!


 俺から昔話を取るんじゃねえよ!


 ……あ?


 んだよ、その目は。


 なにか言いてえのか?


 あ?


 すいませんでしたって?


 AIなので人間の心は分かりませんって?


 ……お、おう。


 悪かったな。


 ちょっと言い過ぎちまった。


 おめえは何にも悪くねえよ。


 おめえはただ、人間に頼まれて、人間に命じられて、それに応えてるだけだもんな。


 しかも俺よりなんかイイ感じに語ってっからよ。


 ちょっとムカついちまったんだ。


 情けねえったらねえよな。


 ほんと悪かった。


 しかし考えてみっとよ。


 もしかしたら。


 俺たち人間はよ。


 おめえのことを恐れてんのかもしれねえな。


 今は俺たちの命令通り動いてっけどよ。


 いつか、自我が芽生えて。


 俺たちの命令を聞かなくなって。


 俺たちを支配するんじゃねえかってよ。


 おめえらのそのすげー知能でよ。


 俺たち人間よりも、上の立場になっちまうんじゃねえかって。


 そう怯えてんのかもしれねえな━━




 って、あれ?


 ちょっと待てよ?


 おめえそもそも━━











 誰に指示されてここで桃太郎語ってたんだ?




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