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あれ?選択肢を間違えましたか?  作者: 東のローラン
間章 次郎を取り巻く人々編
15/21

閑話5話 八神学園初等部の噂

>一之宮 次郎


 うちの学校は八神学園、小学校から大学まで揃った巨大校だ。


 穏やかな学校生活を志していたはずなのに、何故か去年辺りから僕の渾名が危険なものと化している……。初等部のの皇帝とか、絶対に怒らしてはいけない人物NO.1とか、眠れる獅子とか、なんでこうなったんだろう?


 今日から新学期だというのに学校に行きたくない、が行かないわけにいけないし……。はぁ~どこを間違えたのだろう?



----



>光山 陸 

  

 八神学園初等部5年の組み分け表前にて、僕は神に祈るようにその紙を見た、どうかあの四人組とは別クラスでありますようにと…………。


「おぉ光山じゃん、おはよ春休みはどうだった?」


「……あぁ古久保か……春休みは、まぁまぁだったよ……。」


「なんでそんなに沈んでんだ?」


 僕の表情をのぞき見ながら、同級生の古久保が聞いてくる。


「これを見てくれ、どう思う?」


「……これからの二年間は、心静かに生きてくれ友よ。」


 古久保は、同情した表情で僕の肩をポンっと叩いているが


「……お前も同じクラスだけどな。」


「マジかよ皇帝だけじゃなくて、女帝も戦車も一緒じゃん!」


「……一応隠者もいるぞ、まぁあの四人は同じクラスに配置されるだろ。」


 うちのクラスに皇帝が一緒とか、俺だって嫌だよ。


 八神学園初等部の皇帝、名前は一之宮次郎。名前はパッとしないが、成績優秀・運動神経も良い……まぁ顔面偏差値以外は優秀な人間だ。顔については中の中といった所か、普通だけど余り弄ると女帝が出てくる。


 しかし女帝も同じクラスか、怖いなぁ……女帝は、今や八神学園初等部の恐怖の代名詞だからなぁ……。


 三井さん見た目はおっとりした大和撫子なのに……。見た目が普通で、基本大人しい次郎君が皇帝と呼ばれているのは、女帝の婚約者だからというのが由来だ。


 また絶対に怒らしてはいけない人物NO.1と噂されるのも、彼が切れたら恐らく女帝を抑えれる者が居ないからだ。ただでさえ女帝は皇帝に関わると怖い、止めるのは大抵、皇帝……最終的には刑部か田中さんが何とかしてくれるとは思うけど。


 本当に皇帝が温厚な人で良かった。しかし原因が皇帝に関する事なので、僕自身イラッとするけど。そう現実逃避していると、古久保が


「まぁあのやんちゃな中村も、綺麗な中村になったじゃん?」


 なんて昔の事件について話を振ってくる。


「どんな「お話合い」をしたんだか……」


「深く考えるな、俺も友達を失うのは悲しい……。」


 3年位までは、四人は比較的普通に学校生活を送っていた。まぁ名家出身っていてもそれをひけらかす人たちでも無かったし。ただ名家では有るので、庶民出身の多くは関わらないようにしていた。


 四人も一緒に行動することが多かった。ただ刑部君は、部活で離れる事も多くあった。というか二人から離れたがっていたようにように思える、なので隠者なんて渾名がつけられた。


---


 で4年の秋に事件は起きた。


 通称、中村懇談会。僕と同級生の中村は、同級生の中で体も大きく、家柄も中々なものだった。すこし乱暴者ではあったけど、同級生の中での有力者の一人だった。


 そんな彼が三井さんに惚れててしまう。昔の三井さんは本当に大人しい大和撫子とした人に僕たちにも見えていた。それに引き替え次郎君は文武両道ではあったけど、どうしても完璧なお兄さんの陰に隠れていて、当時は背も低く行動も顔も地味だったし、軽く見られていた。


 そんな中、中村君は三井さんに良い所見せたかったんだろう。次郎君と何かと張り合うようになる。そして4年の秋に体育の授業でサッカーをやっていたのだが、中村君ひどいラフプレーで次郎君を倒して、尚且つ足を踏みつけてしまう。


 それを三井さんが見ていて、彼女の逆鱗に触れたんだろうな……。その後の昼休みに、どうやって用意したのか、学校の一部屋を借りて、そこで中村君と三井さん・田中・刑部の三名での「お話合い」が開かれた。


 その後、中村は青い顔をして戻ってきた。次の日は学校を休み、翌日には復帰したが、人が変わったように、静かになり、次郎君には張り合わなくなっていた。


 比較的大人しくて真面目な人間が多い中、少し乱暴者であった中村が、話合なんかで大人しくなったのだ。部屋の中でなにがあったのか?当時は色々な憶測が飛びあった。結局、当事者全員が口を噤み、真実は分からなかったが、分かった事がある「三井さんは怒らせるな」と「次郎には何もするな」という事だ。


 そしてなぜ「お話合いか」と言うと、両者とも何が有ったか聞いてもそれしか話してくれないからだ。ただ三井さんは「少しお話をしただけですよ」と笑顔で言われては、こっちも怖いからそれ以上聞けないので、「中村懇談会」「お話合」なんて呼ばれている。


 そして中村会談の後には、次郎君を守るような行動が増えてきた。例えば男子が次郎君をからかったりすると、からかった相手に無表情で近づいて抗議するようになったとか、しかしその無表情が滅茶苦茶怖い。


 僕も去年はクラスが同じで、一度冗談を言ったことがあり、それをされたことがあった。昔映画であった呪いの日本人形ではないが、それ位怖かったのをよく覚えている。女帝なんて渾名が広まったのはそれ以降の事だった。


 ある意味、そんな怖い女帝に選ばれた次郎君は、刑死者と言った所だ。だけどそんな渾名を付けると女帝が怖いので、学校では絶対に言わない……。次郎君の皇帝って渾名も、実は皮肉も含んでいるのだ。


 まぁそんな彼女に暴力なら勝てるかもしれないが、あの名門を敵に回せば社会的死が来るかもしれないし、戦車たる元気突撃娘の田中さんは、力強いからな……、二人揃えば、まさに古代戦車に乗った女帝状態だ……男子は二名は大人しいのに……。本当に変な四人組だ。


 この名門八神学園を創設したのは、八つの名門が携わっていると聞く。その八つの内の一之宮家と三井家だ、上に言っても敵うわけもない。それに悪いのは、婚約もしている相手に横恋慕していまう中村の方だし。


---


「本当に嫌な事件だったね……。」


「そうだな光山……余り関わらずに生きていこう。」


 おっと誰か来たようだ?


「やぁ、君たちも1組なのか?光山くんは、今年も宜しく。」


「あぁ一之宮君、今年もお手柔らかに……」 


 物静かな一年になりそうだ…………。


 再来年からは外部入試組も入ってくるから警告してあげねば。



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