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邪精霊

大祭最終日、一応今日が私の初出勤だ。まあ昨日王宮には行ってるんだけど。

新年の大祭は、一日目に神殿で今年の祈りを捧げ、二日目と三日目は王都の中心街で都をあげて盛大なパレードやイベントが開催される。今日、四日目は職場仲間など、今年お世話になる人と過ごす日だ。ちなみに家族と過ごすのは一日目で、この日は家族でその区の神殿に出掛けてお祈りし、家族でご馳走を食べる。私は風邪を引いてしまっていたんだけどね……

そんなわけで、私は今王宮の最も大きいパーティー会場にやって来ている。オルト達も今ごろは職場仲間と過ごしているのだろう。カーレル様がくれた私の休みが昨日までだったのもこの仕事関係の集まりに出席させるためだろうな。出席しないと後々面倒らしいし。

だが、仕事関係のパーティーとはいえ、家族……特に娘を連れてきている家が多い。本当に仕事関係者だけのパーティーなら気楽なんだけどな。

とりあえず私はカーレル様の後ろにくっついてニコニコ笑っています。こうしていれば話しかけられることがあっても一人の時より娘をぐいぐい紹介されることもない。なぜならカーレル様は顔が広いから。一人とずっと喋ってる暇がないんだよね。それに私は特にあいさつしなければならない人はいない、だってあいさつしなければならない人はカーレル様と完全に被ってるから。一緒にあいさつしてしまえばいい。やっぱりパーティーは一人で行くもんじゃないね。

こんな気楽なパーティーは久しぶりだなあと失礼にならない程度にのんびり周りを眺めていると、フーレントース家らしき一家が視界に入った。現当主のアルヴィス様とは何度か顔を合わせているし、何よりあんなに美形揃いの家はそうそうない。今日は奥様とフェターシャ嬢とその妹らしき女の子がいた。美形だなあ。

まわりにも美形はいるんだけど、フーレントース家の前ではどうしても霞んでしまう。

ん、アルヴィス様の横にクラヴィッテ殿下がいらっしゃった。アルヴィス様とお話をしていたのだろうか。そういえばフェターシャ嬢とのお付き合いはどうなっているのだろう。一家に混じってるってことは両親公認になったのかな。これで私の仲介役の役目も終わりか、うまくいってるといいなぁ。

「これはお久しぶりです、以前直接お会いしたのは半年前くらいでしたか」

アルヴィス様がカーレル様に気付いて声をかけてきた。

「ええ、それくらいでしょうか。昨年は忙しかったものでなかなかパーティーなどに参加できませんでしたから。まあ今年もよろしくお願いします」

わざと仕事を作っているくせによく言うなぁ、見習うべきなのかは迷うけど。私だってできることならパーティーに行きたくないし。

「こちらこそ、よろしくお願いします。ところで………」

カーレル様とアルヴィス様がなにやら小難しい話をし始めました。まあ、後ろでのほほんとしてればいいかな。

「あの……」

誰かに呼ばれたので、そちらを見てみると、フェターシャ嬢の妹君がおずおずと口を開いた。

「お会いするのは初めてですわね。フェターシャお姉様の妹のリフィアル・フーレントースです。以前お姉様を助けていただき、ありがとうございます。お礼を申し上げたくて」

そう言ってフェターシャ嬢の妹君、リフィアル嬢は優雅な仕草で礼をした。リフィアル嬢はフェターシャ嬢のミニチュアのようにそっくりだ。瞳の色がフェターシャ嬢は緑で、リフィアル嬢は青だけど。

「いえ、当然のことをしただけです……あっ、申し遅れました。レゲル・ゲナルダと申します」

可愛らしい女の子だ。私もこの半分……いや、四分の一くらい器量を分けてほしいものだ。

「レゲル様、少々お時間を頂けませんか?お話がありますの」

……何だろう、私はこのリフィアル嬢とは初対面だ。特に話すことはない気がするんだけど……

「ええ、ここで構いませんか?」

「いいえ、少し出たところでお話したいのです」

どういうことだろう。私は多少女の子に好かれているのはわかっている。でもそれはほとんど私の地位やらに惹かれたのだろうと思っている。だからフーレントース家ほどの家柄のご令嬢にそんな気をつけて持たれるとは全く思っていない。それほど自惚れてないし。

それにフーレントース家のご令嬢でこれほどの器量良しなら私以上の地位のお方を簡単に狙える。あとは性格くらいだろう。

「わかりました。では……」

私はすぐそこに見えている扉から出ようと提案し、よくわからないまま会場の外に出た。



新キャラ、妹様の登場です。

気に入った子なんですが、ここの章?が終わるとしばらく出てこないんですよね(;・ω・)


次の話もこの話も、説明要素が多いので次の話も投稿してみました

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