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31遊園地が国の新たなランドマークとなり多くの人たちに夢と希望を与えてくれる

 瞳はこれまでの努力が報われた喜びで、キラキラと輝く。


「本当に。ピンク色の紅茶はお客様の心も明るくしてくれる」


 お客が月の雫紅茶を前に笑顔で談笑している姿を見て、胸がいっぱいになった。


「大変っ!月の雫紅茶、もう在庫がなくなってしまいそう。早く追加で作らないと」


 ルミナの慌ただしい声が工房に響く。オープンしてわずか数週間で月の雫紅茶はふわふわ亭の新たな名物となり、美しさと香りは瞬く間に街中の人たちの心を掴んだ。

 特に女性客からの人気は絶大でパンケーキと共に月の雫紅茶を注文するのが当たり前になっていった。


「まあ、そんなに! 大丈夫よ、ルミナ。アランが、新しい乾燥機をさらに改良してくれたから、以前よりもっと効率的に作れるはずよ」


 愛おしい娘の慌てぶりに、思わず微笑みました。アランはフレーバーティーの需要の伸びを予測し、すでに生産体制を強化している。流石は我が夫。


「セレスティーナ様、月の雫紅茶、本当に素晴らしいです。わたくしこれを飲むと心が洗われるような気がいたしますの」


 ある日、一人の貴婦人が感嘆の声を上げて話しかけてきた。王都でも有名な社交界の華で、発した言葉は社交界全体に大きな影響力を持つ。


「お褒めいただき、光栄でございます。お茶が皆様の心に安らぎをもたらすことができれば、これ以上の喜びはございません」


 貴婦人は静かに微笑み、付け加えた。


「陛下も月の雫紅茶に大変ご興味をお持ちでしてね。近々、王宮での茶会にお招きしたいと仰せつかっておりますのよ。ふふ」


 心臓が大きく跳ねる。眉を下げてしまわないようにした。国王陛下のお茶会に招かれるとは、まさに名誉なこと。

 同時に胸の奥に微かな緊張が走る。公の場での注目は、時に予期せぬ波紋を呼ぶこともあるから。


「はぁ」


 告げられてすぐに招待状が届いた。国王陛下のお茶会は滞りなく厳かに執り行われる。

 月の雫紅茶は美しい色と芳醇な香りで、参列した貴族たちを魅了してくれる。国王陛下も味に大変満足した様子で直接、お褒めの言葉をかけてもらえた。


「セレスティーナ殿、月の雫紅茶はまことに素晴らしい。貴女の才覚には常に驚かされるばかりだ」


「陛下、もったいないお言葉にございます。娘ルミナと夫アランの協力があってこそでございます」


 答えると国王陛下は穏やかに頷かれる。それが功をなしたのか噂が回った。


「お母様!月の雫紅茶の在庫が追いつかないほどの大人気よ! 王宮の貴婦人たちからも、たくさんの注文が入っているわ!」


 ルミナの弾んだ声が朝のふわふわ亭に響き渡る。国王陛下のお茶会での評判を受け、月の雫紅茶は瞬く間に、社交界を席巻。

 美しいピンク色と芳醇な香りは多くの人の心を魅了し、店の新たな看板商品として確固たる地位を築く。


「まあ、そんなに! 本当にすごいわね」


 愛しい娘の活躍に目を細め、心から喜びを感じる。アランもフレーバーティーの生産体制をさらに強化し、工房は常に甘く優雅な香りに包まれた。


 ある晴れた午後、店の庭でブランコに乗って遊ぶ孫たちの姿を見ていた時のこと。孫たちがブランコのてっぺんから、満面の笑顔で叫ぶ。


「おばあちゃま! もっと高く! もっと速く!」


 聞いた瞬間、脳裏に故郷で親しんだ、あのワクワクするような場所の光景が鮮やかに蘇る。子供たちが心ゆくまで遊び、大人も童心に帰って楽しめる遊園地。


 この世界にも縁日や祭りなどで小さな見世物小屋はあるけれど、体系的に娯楽施設が集まった遊園地という概念は存在しない。

 孫たちがこんなにも無邪気に「もっと高く! もっと速く!」と願っている。もっと大きな形で実現してあげたい。


 そんな思いが胸に湧き上がってきた。夕食時に新たな壮大なアイデアを提案する。囁くだけ。


「ねえ、みんな。子供たちが心から楽しめて、大人も童心に帰れるような大きな遊び場を作ってみたい。遊園地というのだけれど」


 アランとルミナは驚きと同時に目を輝かせる。


「遊園地?どんな場所なのですか」


 ルミナが興奮気味に尋ねる。


「色々な乗り物や楽しいアトラクションがあって、子供たちが一日中飽きずに遊べる場所。例えば高いところまで上がって、景色を見下ろせるような乗り物や、水の上を滑るようなもの。可愛い動物たちと触れ合える場所なんかもいい」


 説明するとアランは腕を組み、真剣な顔で考え始めた。


「壮大な計画だね、セレスティーナ。確かに、国にはそういった場所はない。子どもたちの笑顔を考えれば挑戦する価値はあるかもしれないな」


「すごい。素晴らしいわお母様!私、子供の頃から、絵本で読んだお伽の国みたいな場所に行ってみたいと夢見ていたの。私デザインならお手伝いできるからね」


 ルミナはすでに頭の中で、遊園地のデザインやアトラクションのアイデアを巡らせているよう。


 彼女の創造性が新たな形で発揮されることに、確信を持っているらしかった。身を守るために培った情報収集力と、不可能を可能にする実行力を今、国の子供たちの、大人たちの笑顔のために使える。


 遊園地が国の新たなランドマークとなり、多くの人たちに夢と希望を与えてくれるはず。

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