ちづの夢
「芳子さん、床で申し訳ありませんが今日は我慢して下さい。」
その夜芳子はちづの部屋で寝かせてもらう事になった。ちづの寝間着をかしてもらいカーペットの上に掛け布団を敷き横たわる。
「それにしてもこの部屋はフリルばかりだな。」
芳子は部屋を見渡す。ちなみに芳子が着てるのもちづから貸してもらったのは白いフリルのネグリジェだ。
「ごめんなさい、それしかたくて。」
「構わないよ。世話になってる身だ。文句は言えない。だけど君は西洋から来た王女か?」
芳子は立ち上がり壁にかかった2着のドレスを眺める。一つは純白で白い薔薇のコサージュが胸元に並べられた3段フリルのドレスでもう1つは紺色で黄色い星形のビーズが散りばめられた丸襟のドレスだ。
「これが家庭科の授業で作ったのか?昼間言ってただろう?その相談であの友達の神社に言ったって。」
しかしその瞬間ちづの表情が暗くなる。
「ちづちゃん?」
芳子はベッドに腰掛けるちづの隣に座る。
「この前学校で選択の授業が始めてあったのですが」
ちづが選択で選んだのは家庭科の授業だ。毎年この授業は多数の女の子が受講を希望している。自分でデザインしたスカートを製作して6月に行われる文化祭でファッションショーを行い自身が製作したスカートが履けるのだ。ちづは1年生の時に見た2、3 年生の先輩達を見て自分もファッションショーに出たいと思った。
「だけど今年は少し違いました。」
授業初日ちづは同じ授業を受ける真由と一緒に家庭科室に行った。そこには同じ授業を選択した女子生徒がいた。
教師が来て適当に座るように指示するとちづは真由と空いてる席に座る。
「今年の家庭科の選択ですが」
教師は全員が座ったのを確認すると授業の説明を始める。
「1学期は被服製作で6月の文化祭でファッションショー、2学期は調理実習がメインで12月にクリスマスパーティがあります。」
教師はプリントを見ながら1年の流れを説明する。
「そして今年の被服製作ではズボンを作ります。」
「えっ?!」
「今何て言った。」
「今年はスカートじゃないの?」
教師の一言で教室内がざわつき始める。
「今月内にデザインを考えて提出するように。」
「先生?!」
ちづが挙手をする。
「昨年度まではスカートだったのにどうしてズボンなんですか?」
「その事なのですが」
教師はちづの質問に答える前に名簿表に目をやる。
「えっと、今日は欠席かしら?」
ガラガラ
その時家庭科室のドアが開き男子生徒が入ってくる。
「遅れてすみません。」
「岩田君ね」
「はい、」
「早く席に着きなさい。」
岩田と言われた男子生徒はちづと真由が座ってるテーブルの空席に着席する。
「当初はスカートの予定でしたが今年は男子生徒もいるので製作物はズボンにします。」




