オーク
エルメスの街は、ルゥナ達がワープのポータルを登録しながら走っていた道から近い場所にあるという事で、そこまでワープした。メンバーは俺、ルゥナ、ルビー、ライラだ。そして、ユラとシルフィも当然一緒だ。
「ここから東側にある町で、この森を抜ければすぐですわ」
「そじゃあ、行きましょう」
ルゥナを先頭に、俺達が続く。森に入ってしばらくすると、ルゥナが止まった。
「止まって。ここに罠があるわ」
ルゥナが木の根元を指さすと、そこには細いロープが張られていた。足元を気にせずに走って行ったら、きっとつまづいていた事だろう。さらに凶悪なのは、ちょうど倒れ込んだ先に尖った石が置いてあることだ。方向的に、町の方へ向かった人を狙っていることが分かる。
「単純だけど、こんな罠、誰が仕掛けたのかしら?」
「分からんけが、町に急いだ方がいいかもしれんな。殺傷力は低そうだが時間稼ぎかもしれん」
ルビーの言う通り、運悪く石に当たって、さらにそれが致命傷になる可能性は低いだろう。一般的な大人の顔くらいの位置にあるけど、身長が低ければ当たらないし。
「まあ、みえみえの罠なんてさっさと避けていこうぜ」
俺はロープを軽くじゃんぷして飛び越す。着地した瞬間、足元が崩れた。
「うわっ!?」
俺は1メートルほど落下し、底に落ちる。底には尖った枝が敷き詰められていた。もし、俺がエーテルで体を守っていなかったら死んでたかもな・・・。
「まさか、2段仕込みの罠ですって? 罠が見えていることで油断を誘い、本命で止めを刺す・・・。悪質な罠ね」
「おーい、助けてくれー」
俺はのんきに解説するルゥナに助けを呼ぶ。枝が刺さってはいないが、尻から落ちたためちょうどはまった感じで自力で出れない。
俺はルビーに手を引っ張ってもらい助け出された。よく考えれば、エーテルを使えば自力で出れたと思いなおしたが、まあいいや。
「危機感を一段階上げていきましょう」
ルゥナは、より慎重に森の中を進む。すると、ちょうど人の頭くらいの高さにある枝にナイフが刃を立ててくくりつけられていたり、木の根をまたいだ先に尖った枝が置いてあったりと、いろいろと罠があった。危険度はそれぞれ違うが、場合によっては死ぬかもしれない罠も結構ある。
「よくあの使者の人、抜けてこられたな」
「罠の向き的に、出る分にはそれほど危険はないでしょうね」
「普通に街道から向かった方がいいんじゃないか?」
「馬鹿ね。森ですらこれだけ警戒されてるのに、街道なんてもっと危険に決まっているじゃない。こっちにはライラも居るんだから、より安全な方を選ぶべきよ」
「森でこれなら、街道は恐らく伏兵が居て、矢を射かけられたりするだろうな。まさか、オークにこれほどまでの知能があるとは思いもよらなかったが」
「あっちに居た特殊なオークがまだ居るかもしれないって事ね」
ライラの街の所に居た人間並みの知能を持つオークたち。それが、ここにまたいるのかもしれないって事か。




