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呪魂転生 〜不運の象徴が征く異世界破呪の旅〜  作者: 鷹藤ナス
唸れ闘魂 汝、武王と成れ【武王祭篇】
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もしかして:ハイテク?

「お二人ともお疲れ様でした。契約の方にはご満足いただけましたか?」


マスラルに呼ばれたエフィシスは最終確認をするように俺達に問いかける。

あの後少しとある条件を追加し、俺達の話し合いは無事に終わった。


「うむ、これで締結してくれ」


「キョーヤ様もよろしいですか?」


「あ、はい! 俺も大丈夫です!」


「承知いたしました。それでは終術させていただきます」


一礼したエフィシスは、未だ煌々と紅く光る俺とマスラルの胸を繋ぐ鎖にそっと手を乗せる。


「―――契約締結シナプシー・シンバシス


眩い光を放ち、双方の丁度真ん中で分かたれた鎖が、それぞれの胸に吸い込まれるように吸収されていく。


「マスラル様、キョーヤ様。これにて契約魔術は無事終了いたしました。また御用がありましたら当商会をお使いくださいませ」


典型的な挨拶のあと、設置した防音結界を発生させる魔道具を回収したエフィシスは「失礼しました」と一礼しギルドマスター室を後にする。


もう用は済んだし、これは帰っていいんだろうか? そう思っていた矢先にマスラルが口を開く。


「お疲れさん。今日のところはこれで帰っていいと言いたいところだが、まだ君の冒険者としての身分証となるタグを発行しなきゃいけないんだ。それと、ギルドと冒険者というものについての詳しい説明をするからもう少しだけ待っていてくれるか?」


「分かりました」


俺の返事を聞き届けたマスラルが足早に部屋を出ていき、ギルドマスター室に静寂が訪れる。









『ナビさん! これは大成功って言ってもいいんじゃないか?』


『まぁ……及第点ってところじゃないですかね?』


『ずいぶん辛口採点だなんだな』


『一番最後のやり取りで結構マイナス入りましたからねー。わざわざスキルの習得方法を伝授するなんて、私はまだ納得してません。ご主人様が伝えた習得環境なんて滅多に存在するものではありませんし、その断片的な情報から龍獄の杜に辿り着く可能性だってあるんですよ?』


『だけど、ナビさんもマスラルの様子見ただろ? あの強面オッサンがあんな顔したんだぜ? 余程嬉しかったってことじゃねーか! それに、契約発動中に話した内容は俺の許可なく他者に伝えることはできなくなるんだから問題ないだろ』


『ですが………』


『そしてこれは俺の直感でしかないんだけど、ここでこの情報をマスラルに伝えたことは後々大きく効いてくる気がしたんだ』


『どこで、何に効くんです?』


『さ、さぁ? 何となくだよ、ホントに。ただ、ふとそう思っただけ』


『そんな曖昧な根拠でまぁよくも、軽く情報を流せたものですね。今一度ご自身の一番目の称号を確認したらいかがですか?』


『ハハハハ………』


その後もマスラルが戻ってくるまでの間ずっと、ナビさんからの説教は続いた。




◆ ◆ ◆


「待たせたな……ん? こころなしか先程よりも少々顔色が悪い気がするが、腹でも壊したか?」


「ハハハ……気の所為ですよ」


「ならいいが。ほら、これを渡しておこう」


マスラルの手の中で光を反射するチェーン付きの赤色のタグ。その中央に刻まれているのは大きな“D”の文字。


見た目と大きさ的に、よく軍人なんかが着けてるドッグタグみたいな感じだな。裏面に名前と登録ギルドの刻印があるとかそれっぽくてカッコいい!


「そいつは正式に冒険者登録が完了した者に渡される冒険者章だ。それがあるだけで世界中どこの冒険者ギルドに行っても、自分のランクに見合った依頼を受けることができる。そいつは身分証代わりにもなるから絶対に失くすなよ?」


「分かりました。でもこれ一枚だけで本当に本人かどうか確認できるんですか?」


「勿論だ。その見た目からでは分からないかもしれんが、実はその中に物凄く薄く複雑な魔導回路が組み込まれているのさ。

そしてそのタグをギルド受付にある専用の魔道具にかざすと、ギルドに登録して回路に刻まれた持ち主の魔力と、かざした本人の魔力の波長が合致するかどうか瞬時に判断され、問題が無ければ身分が証明されるってわけだ」


「へぇ……すごい仕組みですね」


「本当にな、俺も仕組みはまったく分からん! ハッハッハッハ!」


この世界の文明のことは俺もよく分からないけど、もしかして意外とハイテクだったりするのか? 魔導都市みたいなのがあったりして。


「あ、そうだそうだ。キョーヤ、君の役職(ジョブ)は魔剣士にしておいたぞ」


「魔剣士、ですか?」


「あぁ。魔法と剣の両方を使いこなす、万能型の役職(ジョブ)さ! 一つのことを極めない者はどちらも上手くいかないという考えが強いからか中々選ばれないものだが、君の場合は全く問題ないだろう」


確かにこういう時って、大抵が剣士、魔法使い、治癒師、盾役なんかの己の役割ただ一つを担うパターンが多い。

色んな人が万能型に憧れるけど、結局上手くいかずに器用貧乏で終わっちまうんだよな。だからこそ俺は珍しい部類に入る気がする。



『ほらぁ、私が正しかったんですよ! 龍獄の杜でご主人様に『器用貧乏も極めれば最強になれる』って言ったおかげでオールマイティーになれたんですから。もっと感謝してくださいよねー!!』



声だけでもドヤついてる感がすげぇ伝わってくるなオイ。


なーんかそのドヤ声はムカつくけど、実際それは事実だし、ここは素直に感謝を伝える。

【教えてナビさん、ギルドタグシステムってなーに?】


ギルド裏にある闘技場に加え、実はこのギルドタグシステムも古の賢者様が作られました。


ギルド登録時に記録した魔力は、「マルディシオン永世中立国」にある冒険者ギルド本部の地下深くにある巨大な水晶玉に記録され、世界中のギルドでその波長を調べることができます。


これ作られたのも勿論、賢者様!

なんでもありですね、賢者様!

流石は賢者様! さす賢! さす賢!




ここでランクごとのタグの色とおおよそのLvもご紹介。


Sランク:黒色に銀文字 Lv.100↑

Aランク:金色 Lv.80~99

Bランク:銀色 Lv.60~79

Cランク:青色 Lv.30~60

Dランク:赤色 Lv.30↓


Eランク:緑色 

Fランク:灰色 E〜GはLvはどこも同じようなもの

Gランク:白色 

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