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7日目
七日目の朝です。
大臣たちとの話し合いを終えた王様は、ラティフに言いました。
「話が盛り上がって、少し夜更かしをしてしまったが、まだ語り足りない。彼はもう旅に出ただろうか」
「はい、次の目的地はオアシスをいくつも越えた先にあるとか。旅人は渡ってゆくもの。ひとところにいては、落ち着きますまい」
そうして、旅商人の青年はもらった馬車にすべて積み込んで、はいよーと高らかに声をあげながら国を発ちました。
夜になりました。
王様が案内されたのは、盗賊の娘の部屋でした。
「最後まで残ったのはなぜだ?」
王様が言うと、盗賊の娘は
「人から奪わず宝石をもらえるなら、もらっておきたいじゃないか。それだけさ」
そう言って、盗賊の娘は金のコップにミルクを注いだものを捧げるとあらわれるという小人の話をしてくれました。