表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/27

12話


                 12



「あ、もしもし母さん........」


 由香の家に着く前に、道路の広い場所で一時車を止め、大輔は家に電話をしている。

 用件は、コレから由香と一緒に外食する事と、一旦家に帰り、姉の有美もそれに連れて行くことを伝えて電話を切った。 そして、再び今度は細井家に向かう。


 走りながら。


「どこが良い」

「えへへ~、ラーメンだよぉん、らーめん...」

「やっぱな、由香好きだよな~、“寄ってって”のラーメン」

「うん大好き!」

「はは。あそこ オマケ も有るしな」

「えへ。うん」

 一度長田家に寄り、その後再び走り出した。


「姉ちゃん玄関先で待っていてくれるかな?」

 そう言っていると、すぐに長田家に着いた。

 言った通り、すでに玄関先で待っていた有美は、ばっちり決まった出で立ちで大輔の車に乗って来た。


「急に呼び出して大輔どうしたの?」

「う~ん、結構長い話になるから、後でいいかな」

「分かったよ。で、由香もいいのか?」

「はい、ぜひ聞いて欲しいので」


 何かを悟ったのか有美は ふぅん と言った感じで、受け取ったみたいだった。


「姉ちゃん“寄ってって”だけどいいかな?」

「お~、わたしは最近行って無いな。 良い選択だ」

「....って、着いたし」

「話ながら歩いても良かったな」


 徒歩でも10分弱の道筋なので、車だとほんの3分くらいだが、信号機が返って煩わしいくらいだ。


          △


「いらっしゃい!.....って、おう 大 か...お!、有美も、なんだ?姉弟で、って...、由香ちゃんも、久しぶりだな」

「大将、久しぶりです。今日は弟と、その彼女と来ました」

「「な!!」」

 若干の絶句だった、大輔と由香。

 すると。


「おお! 大。とうとう彼女が出来たか、良くやった、でかしたぞ。しかも、凄い別嬪さんになったな由香ちゃん、良かった良かった.....」

「はは、大将、あはは.........」

 

 大輔は、一瞬、“違う”と言おうとしたが、姉の有美からの殺傷的な眼差しに、つい言えなかった。

 三人が席に座っている頃には、由香の顔がこれでもかと言う程に、赤くなっていた。

 これでこの店では、大輔には彼女が居る事になってしまった。

 だが、この今現在の気持ちに、イヤな感じは全くなかった。


 そうしているうちに。

「なに?大ちゃん、やっと彼女が出来たって?.....って、えぇ?!.....、由香ちゃん?...、由香ちゃんなの?、大ちゃんの彼女って」

 超絶な、最近じゃ聞いた事も無い声で、女将が驚愕した。


「はいはいはい。大将、女将さん、早く注文とって、...、って、いつもと一緒だけど、お願いね。三つ」

 若干の間があったが、女将が正気に戻り、注文を繰り返した。


「毎度ね有美ちゃん。 じゃあ あんた、みそ3,ギョー3よろしく」

「あいよ!」

 大輔と由香の了解は無しに、注文は終わった。



「で、なに? 話って」

「う~ん、本題は家に帰ってからなんだけど、内容はこの前の事とほぼ一緒なんだけど、実は更に面倒な事になってしまって、さっき、味方になってくれる先輩にも相談したんだ」

「なら、私じゃなくてもいいじゃん」

「それがさぁ.....、全く姉ちゃんには関係ない話でもないんだ」

「聞き捨てならんなそれは」

 この姉弟話を聞いていた由香が、不思議に思い、大輔に聞いてくる。


「あの、大輔。 何でお姉ちゃんにもかかわりがあるの?」

「それは.....」


 そのタイミングで、注文したものが出てきた。

「はいよ!、味噌お待ちぃ」

 ラーメンが出てきた。

「うわ!美味しそう」

 由香が目の前に出された味噌ラーメンに、目が釘付けになった。

 割り箸を大輔がそれぞれに渡し、三人揃って、いただきます を言って食べ始めた。

 少しラーメンを啜っていると、目の前にチャーシューが、それぞれ一枚づつ、食べている最中に、三人それぞれの丼に追加され、その後すぐに、これまた三人の前にギョーザの皿が置かれた。

 しかも、通常のギョーザの個数が二つ多い。


「わ、大将、いつもすみません」

 有美が言うと、女将が。

「いいって。 あんた達姉弟は常連だからね、サービスだよ。いつもありがとね。コレからもご贔屓ひいきに」

「ありがとう」

 今度は大輔がお礼を言い、由香が軽く会釈をすると、また黙々と食べ続けた。



        △


「ふぅ、美味しかったぁ~」

「満足まんぞく~」

「ご馳走様でした」

 三人三様の食後の挨拶をして、大輔がまとめて勘定を払い、大将と女将に挨拶を言う。


「ごちそうさま~。美味しかったです、また来ますからね」

「おう、毎日でも良いぞ。あはは.....」

「何言ってるのあんた。 ごめんねぇ、あんなんで、でも、大ちゃんまた彼女と一緒にいらっしゃいな、待ってるからね」

「あ、はい。ご馳走様でした」

「まいど~!」


 そう言って、三人は“寄ってって”を出た。..........が。


 その時、ラーメンで体が温まった意外に、顔が赤くなっている由香が居た。


             △


「結局はただ美味いラーメンとギョーザを食べに行っただけになったな」

「美味しいからな、あそこは。ついつい味に集中してしまう」

「本当だ」

 本当に、ただ単に、おいしい夕食を済ませに行っただけになった。


「で、本当の話だが、取りあえず家に帰ってからでいいかな、姉ちゃん」

「って言うか、もう2分で家だぞ.....って、由香の家過ぎたぞ、大輔、いいのか?」

 大輔が思い出したように。

「あ、ごめ...、姉ちゃん。話はウチでという事でいいかな?」

「ほう、最初からそう言う事だったんだな?だが、この荷物はなんだ?」

 後部座席に積んであった女性物のトートバッグを見て、有美が言った。


「あ、姉ちゃん、今晩だけど、姉ちゃんの部屋で、由香を泊めてくれない?」


 大きなため息をつき、多分そうなるだろうと思っていた有美だった。

「やっぱな」

 了解の一言だった。

「姉ちゃんありがとう」

「仕方ないさ、大輔の“彼女”だからな」


 一瞬、三人に妙な 間 が空く。


「お姉ちゃん、それ言わないで~」

 由香が、勘弁してほしいオーラ全開で、有美に対して懇願する。


 細井家に着き、車を降りて、家に入る。 先週も来たので、由香は姉弟の後を付いてリビングに入った。

 すると、先週は居なかった、大輔の父が、スマホでニュースを見ていた。 それを見た由香は。

「あ、おじさんこんばんは。お久しぶりです」

 そう挨拶をすると、大輔の父、明人あきとが目を見開いて。


「えっと、由香ちゃんだったかな?...、うん、そうだ、由香ちゃんだ。久ぶりだね、何年振りになるのかな、元気だったかな?」

「はい、本当にお久しぶりです、おじさん。 私は元気です。 いま、大輔クンと一緒の会社に入社出来て、お世話になって居ます」

「あ、そうだったね。そう言えば家内が言っていたな。大輔、分からない事があったら、由香ちゃんの力になってあげなさい」

 由香の隣に居る大輔に向けて、言われた。

「ありがとうございます。それじゃあ、お邪魔します」

「ああ、ゆっくりして行きなさい」

「はい」


 その会話の後、三人は取りあえず2階に行き、一度由香が有美の部屋にトートバッグを置いて、その中の小さなバッグだけを持って、大輔の部屋に行き、三人は集合した。


            △


 大輔の部屋に集合した三人は、“DQN嬢対策委員会 第2弾”を開催した。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ