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終話

 結論から言おう。勇者の試みは失敗に終わった。

 長い年月を掛け、知識を漁り、実験を繰り返したが、女魔族の復活に届く事は出来なかった。


「くそ……時間がもう無いと言うのに」

『仕方ないよ。一杯頑張ったんだしもう良いんじゃないかな? それに、こうして色々とお話しも出来た訳だしね』


 その様な会話をする二人。

 しかしなぜ時間が無いのか。それは、勇者の死ぬはずだった大怪我が原因だ。


 そもそも、致命傷を受けた勇者の怪我が急速に回復したのは、女魔族が自らを犠牲にしたからだ。

 だが、それは元々違う種の因子を無理やり取り込ませたと言う事でもあった。


 全く違う力の根源。


 これを手に入れた事により、勇者は莫大な魔力を振るう事が出来た訳だが……それは、元々ハーフとして生まれた子と違い、なんの整合性を取られる事無く、即席で作られた継ぎ接ぎだらけの物。

 当然だが、その様な物ならば解れが出来る。

 そして、その解れは急速に勇者を蝕み始めた。相反する二つの力が勇者の中で反発しているのだ。


 とは言え、此処まで持ったのは一重に二人の想いと祝福のお陰だろう。

 本来ならば、もっと早く……それこそあの戦いの後すぐに勇者が倒れていても可笑しくなかったのだから。


「仕方ないか。予備の策で行くとしよう」

『本当にやるの? 大丈夫?』

「なに……問題はないさ。それに、時が来るまではもふもふが守ってくれるだろうよ……な!」

「ワフ!!」


 そんな事を言う勇者の前で、一匹の狼が返事をする。いや、狼と言う割には……異常に大きい。

 まさか、あの小さかった子狼が、長生きはするし、こんな異常なほど大きくなるとは思っていなかったと、勇者と女魔族は思っていたりする。

 なにせ、そのサイズ……もはや、勇者を背中に乗せて走れるぐらいのサイズだ。いや、勇者だけでなく、人なら三人ほどその背に乗せる事が出来るだろう。


 そして、そんな狼は勇者の言葉を理解しているのは、任せろ! と言わんばかりに返事をした。


「な、任せろって言ってるだろう? それに、技術的にも大丈夫だろうよ。元々は魔王がチルドレンを作る為に用意した技術の転用だからな」

『うーん……まぁ、貴方がそこまで言うのなら、うん、任せた!』


 任せると言う女魔族。だが、彼女には任せる以外に手段が無い。

 そして、勇者もまた……刻一刻と迫るタイムリミットがあるが故に、その手段を取ること自体仕方のないといった感じだ。


 カチャリとケースを開け、その中へ勇者が入る。

 そして、中から装置を色々と弄り……。


「それじゃ、俺は寝るぞ! もふもふ後は頼んだ!」

「ワフゥゥ……」

「寂しがるなよ。偶に奴も来るんだし、それにお前にも家族が居るだろう? 大丈夫だって、成功するはずだからな。何、その内再会出来るさ」


 時間だと理解したのか、狼はこれからの事を考え勇者に甘えた。コレが最後だろうと考えたからだが……勇者は再会出来るなどと言う。

 それが本当かどうかは解らないが、狼としては此処の守護を主人たる勇者に任されたのだ。何としても守っていくだろう。


 そして、勇者は装置の蓋を閉じ……眠りについた。


 その事を知った弟分たる男魔族が知ったのは少し後の話であり、その時には勇者の体の事を聞いていたとは言え、遂に時が来たのか……と、狼と一緒に涙したのだが。

 勇者の再会が有るという言葉を知り、勇者の残した研究を引き継ぎ、研究を完成させる事を決意したのだが……どうなるかは彼次第だ。














 


 世界には魔の領域がある。

 その地の一で有るある森には、神獣たるフェンリルが何かを守って居ると言う話がある。


「何? 我が領地の森にフェンリルの姿が発見されただと」

「その様です。しかし、そのフェンリルは姿を見た者を見つめるだけで、何もしてこなかった様で……」

「何かを見定めているのか? 興味深いな」

「もしや……ご自身の目で確認しようなどと考えておりませんか?」

「その通りだが何か問題でもあったか?」

「フェンリルですぞ! いくら神獣と言え、何が起こるか解ったものじゃありません!」

「しかし……確認せねばなるまい」


 とある場所のとある館で、その存在を確認しようとする者が現れた。

 一体何故、奥地に居るはずのフェンリルの姿が確認できたのか、そして、何故戦闘になることが無かったのか。

 それを知るのは当分先になるのだが……。


 この事により、世界の……いや、在る者のシナリオが変わってしまった。それは間違いない話だ。




 to be continued……

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます!!


これにて本編は終了となります。

ですが、本編は……と言うだけで、「勇者と呼ぶな!」事態は、日常的な物やら何やらと……色々と気まぐれ更新の蛇足を上げていくつもりではあります。


さて、色々と残したままですが、このままでは終わりません。何せこの話は……言うなれば、一冊分丸ごとプロローグみたいなモノです。

ですので次回作にて、また、同じ世界のお話を上げる予定です。ただ、物語の視点やら時代やらが変化するので、完全に新作として上げていきます。

ので、お手数ですが作者ページかその内、このページにリンクを張りますので、お付き合いいただけたらば幸いです。



ちょっとだけネタバレ。

勇者や女魔族の名前が……次回作で解ります(まて

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