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あふたぁ! その一

ざまぁ……とまではいきませんが。

 専用の空間を用意された精霊達。

 彼らは、此処数千年の間放置に放置された環境維持の調整を行うために、休むことなく働いていた。


「うー! これは大変なの!! 眠らされてただけなのに!」

「言うな! 余計大変に思えてくるだろう!」


 自然界の魔力を調整しては、不具合を見つけてまた調整をする。

 メンテもされず長時間放置された結果。バグだらけとなってしまった環境は、彼らの想像以上に危険な状態だ。

 ただ、危険な状態ではあるが、バランスが崩れた物同士を積み上げた結果、奇跡的なバランスで維持されていたりもする。


 それ故に……。


「あぁぁぁぁ。頭がおかしくなりそうなの! なんなの!! どれを先ず解決したらいいの!!」

「兎に角、此処を解して……いや、此処の魔力を補充……嫌駄目だ、それをやったら火山が噴火する」


 ああでもない、こうでもないと、愚痴を言いながら作業をしていく精霊達。

 其処には、元・聖剣や元・魔王にされていた二体以外にも、赤かったり青かったり緑だったりとする者達が忙しなく働いている。


「……ちょっとなの。ちょっとだけ大地を動かしても良いと思うの」

「やめろ! 其処を弄ったら連鎖的に火山が起きて、その後津波になる!」

「な……ならこっちの天候を……」

「まて! そこで雷を落とすと山火事になるぞ!」

「あぁぁん! もう、めちゃくちゃなの!! あの管理者が全部悪いの!!」


 愚痴る元・聖剣……もとい、光と昼を司る精霊。なの! の語尾が特徴的なのだが、この精霊は完全な被害者だ。

 何せ、管理者だった者に不意を突かれて眠らされたと思ったら、聖剣にされていたのだから。


 まぁ、色々と被害にあった物からすれば、不意を突かれるような真似をするな! と思わなくもないが……それでも、被害者で有る事には変わらない。文句ぐらい言う権利はある。


 片や、魔王にされていた精霊。彼は闇と夜を司っており。見た目の黒! と言った感じ。ただ、それ故に管理者に魔王として変化させられたのだが……。

 ただ、彼の場合は被害者でも有り加害者だ。特に、勇者からしてみれば仕方ないとはいえ許す事など出来ない相手だろう。


 ただ、誰かの配慮なのか、それとも悪戯なのか……勇者には、この元・魔王がブラックな環境で有るという事をリークされている模様。

 これには勇者も苦笑いをするしかないだろう。休むことも出来ずに永遠と働かされる。しかも、人と違い寿命など無い。永遠と続く仕事と言う名の牢獄だ。

 それを知った時、勇者の気持ちは少しだけ留飲が下がり、他事に目を向けるぐらいには折り合いをつける事が出来た様だ。


「うー……今すぐ! 此処に! あの糞管理者を! 奴隷として呼びたいの!!」

「それは無理と言う物が有る。奴は創造主により、天敵として人に数回討たれた後、黒牢の刑が待っているからな」

「……今のこの状況の方が、黒い牢獄なの! ブラックな企業なの!!」


 そう言いつつも手と魔力を必死に動かし、世界を調整する精霊達。

 彼らの労力が報われるのは……一体何千年後になるのだろうか?

ブクマ・評価・感想・誤字報告ありがとうございます。


続編を上げるよりも、先に彼らのその後を多少上げるべきだなと思いましてw

死ぬ事も出来ず、休む事も必要なく永遠と続く労働。私なら全力で逃げ出したいです……が、やらないと世界が大変な事になってしまいますからねぇ。

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