閑話ニ
「そういえば……あの計画はどうなっている?」
「えー、どの計画でしょうか?」
「あれだあれ、チルドレンミッション。先日開始しただろう」
「あの計画でしたら、今頃すべてのチルドレンが目的地へと辿り着いていますね」
「そうかそうか。結果が楽しみだな」
この場には二人の男が居る。
一人は、まさに王といった風格を持ちながらも、執務室にてペンを取り執務作業をして居る。
もう一人の男は、大量の書類を持ちながら執務をして居る男のサインを待っている状況で、いうなれば執事といった感じだろうか。
そのような二人であるが、執務作業中の男が思い出したかのように、先日発動させた作戦について口にした。
「しかし……彼等には作戦の内容をしっかりと伝えてません。宜しかったのですか?」
「構わんよ。寧ろ、こちらの思惑を教えていた場合は、それこそ綻びが出て失敗してしまうだろう。自然なのが一番だ」
「なるほど。しかし、接触させ友好的になるのが作戦のはず……戦闘にでもなったら事では?」
「それならそれで構わん。それに、殴り合いから生まれる友情と言うのも有るそうじゃないか」
「……それはどこの野蛮な輩ですか」
「フハハハハ。案外と上手く行くかもしれないぞ? ターゲットはどうやら戦闘狂の面も持ち合わせているそうだからな」
「然様にございますか……私には解りかねます」
「お前は珍しく、戦闘がダメなタイプだからなぁ」
談笑しながらも、その内容は彼等にとって重要な話。その上で、男はサインをする手を止める事が無い。
そして、それは日常的なのだろう。この執事風の男も、それが当然と言った感じで対応している。
彼等の言う作戦。それが何を指すのかと言えば、勇者が居る〝還らずの森〟と同じ環境である場所。所謂、魔境や魔窟と呼ばれる場所に、彼等の最高傑作となりえる子達を送り出す事。
しかし、ターゲットとは誰かのか、その目的の本質が何なのかは一切口にしない。
それは、何かを警戒するかのように、気を配りつつ言葉を選びながらの会話。
「それに、レベルを上げて来いと言うのも嘘では無いからな。上げておいて損は無いだろう?」
「彼等ほどの強さを持ち合わせても、まだまだ精鋭の影すら踏めませんからね」
「それは仕方ないだろう。まだ生まれたばかりだからな」
生まれたばかりの子を、レベル上げに行かせる親。そう聞けばなんて酷い親だ! と思うかもしれない。
しかし、その子と言うのは、既に姿だけで言うなら成人もしくは成人間近。知識に関しても、彼等独自の方法で詰め込まれている。
もし、人が聞けば……伝説の錬金術によるホムンクルス!? 等と言った反応をしてくれるだろう。
「チャンスは一度だ……俺は長い間、この機会を待っていた。失敗する訳にはいかん」
「はい。しかし、バレたりしませんかね?」
「大丈夫だろう? 奴は……慢心して居るからな。細かく状況を確認をするような奴ではない」
「我々の悲願ですからね。さて、彼等は上手くやってくれるでしょうか?」
「それは信じるしかないだろうな。我等の最高傑作を」
決められた流れに一石を投げ入れる。その様な事は今までにもやって来ている。
しかし、その全てが無駄に終った。書き上げられた運命には抵抗出来ないと、そう宣言されるかのように、彼等の行動は全て阻止されて来た。
だが、その途方も無い試みが、此処に来て彼等に機会を与えた。彼等の言う〝奴〟と言う物の慢心。
「細工は流流仕上げを御覧じろ……と言った処か」
「結果が出るのがもどかしいと同時に待ち遠しいですね」
彼等は願う。全てが変わるその事を。
果たして、その願いが叶うかどうかは……彼等の言う最高傑作とターゲット次第だろう。
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ちょこっとだけ、裏の動きをアップです。
さて、計画とはって感じで終了かな、少しだけ色々と触れたか話かと。




