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下克上戦士~バケモノ師匠と目指せ打倒勇者~  作者: 水草
第5部 人生で最も忙しい非日常
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3章 出落ち

師匠と二人、学園への道を歩いている。朝話せなかったことを話すため、周囲に人がいないか見渡す


「安心したまえ。今なら誰もいない。そう道を選んだからな。」


いつも少し違う道を歩いているのはそういうことか。

何かしらのスキルを使ったのか、それとも研ぎ澄まされた五感によるものか。どちらにせよ、やはり只者ではない。


師匠がいないとうのなら安心して話せる


「左胸…心臓のあたりに謎の黒い痣が出来てた。今朝着替えの時に気付いた。確証はないが、恐らくは─────」

「『人間作家ゴーストライター』の影響、か。」


首を縦に振り肯定する


「感覚は残っていた。ミストリオーレで『人間作家ゴーストライター』を使ったがその代償は秘湯で相殺したはずだ。」


なぜ痣が現れたのか全く分からない。だが、オセロと同様、師匠は『人間作家ゴーストライター』について何か知っているはずだ


「ふむ…すまないが知らないな(・・・・・)。」

知らない(・・・・)教えられない(・・・・・・)じゃなくてか?」

「知らない。禁忌だから教えられないという訳では無いよ。」


まずい、一気に不安になってきた。禁忌で教えられない、というだけなら対処法などを師匠は知っていただろう。禁忌に触れない程度で手助けしてくれることを期待していた。だが知らないとなれば話は別だ。心臓の痣が何故現れたのか、どんな影響があるのか全く分からない。急に心臓が止まる予兆だったりしたら笑えない


「それで、今のところ体に別状はないのか?」

「あ、あぁ。誰かに見られないように上から包帯を巻いてはいる。」

「それならいい。それは国家機密、他の者には見られないように気をつけたまえ。」


心配はかけてくれてるようだがどちらかと言うと痣の影響、というより周囲にバレて消される方を心配しているようだ。問題はないと信じて様子を見るしかないか…


「他にももっと聞きたいことがあるんじゃないかい?」


自分の中で結論を出していたところに師匠が切り込んできた。他に…まぁ『人間作家ゴーストライター』について聞かれるとでも思ったのだろう


「どうせ今の俺じゃ教えられないんだろ?それなら別にいいぜ。」


しかし、あっけなく引いた俺に対し、少し驚いたように目を開ける


「確かに今は(・・)まだ、だな。それを分かっていても少しは期待を寄せて聞いてくると思ったのだが…」


ふむ。と少し考えるような仕草を見せる師匠。そして次の瞬間何か思いついたかのような表情になる


「なるほどなるほど、確かにその手もあるな。確かにそれなら私よりも確実だ。いやはやどうして、中々度胸があるなぁジーン?」


口を歪め、こっちを覗き込むように見てくる師匠。質問しなかったことが仇となったか。これは確実にバレただろう。


そう、俺にはまだ『人間作家ゴーストライター』の情報源がある。それも、師匠やオセロよりも口が軽そうな情報源が。


人間作家ゴーストライター』はこの世の秩序を乱す禁忌。俺ごときが探るべきではないが、やはり自分の身に起きていることだ。胸の痣の事も含め俺は知りたいし、知る権利があると考えている


『この世には理と禁忌が存在する。』


ミストリオーレで、より踏み込もうとした俺はオセロに敵意を向けられた。もし、俺が止まらなければそれは殺意となり抵抗も許されず命を刈り取られていた。もし、師匠も同じであれば俺は諦めるしかない。向こうから話してくれる時まで何も知らずにだ。それを避けるためにも黙って探りたかったが一瞬でバレてしまった


「止めるか?」

「いや、止めはしないさ。」


だが、師匠から返って来たのは予想とは反するものだった


「好きにするといい。私だって禁忌で無ければ全て教えてやりたいぐらいだ。」

「だけどそれだと──────」

「この話はもうお終いだ。他に人がいる。」


そう言って話を切る師匠。さすがに聞かれでもしたら困るので話題を変えることにする。


それにしてもまさか好きにしていいとはな。それなら早速、今夜にでも情報を聞き出すとしよう。


────────────────────────


学園の近くまで来た。周囲には俺と師匠以外にも制服に身を包んだ学生が増えてきた。それだけなら特に何もない光景だが一つ気になることがある


「ねぇあれって……」

「そうね、こんなに早く復学するなんて……」


それは先程から何人かの生徒が俺の方を見て何やら反応していることだ。共に歩いている生徒にしか聞こえない小声ではあるが、彼らの視線は汚物に向けるそれだ。正直、居心地が悪い。


俺の学園での評判はあまり良くなかったが今の状況のようなものではなかった。一体何が原因なのか、さっぱり分からない。

隣の師匠に向けられたもの、とも思ったが何人かと目が合ったし、やはり俺に対するものだ。視線は女子から多く向けられている。


さっぱり分からないまま正門に到着する。生徒達が最初の授業場所に向けて、それぞれ別れて動いている中、一人だけ腕を組み、生徒達を監視するように立っている男子がいる。


赤みがかった短い茶髪は逆立っており、鋭い眼光からは苛立っていることを感じさせる。子供が見れば泣き出しそうな雰囲気の男子だ。

そして、右腕には師匠と同じ腕章─────学園に認められた九人に与えられる腕章がついている。

番号までは見えないがあの男は相当な実力者ってことだ。名前も知らないし、機嫌が悪そうだからとりあえず関わらないで置くか。


と、その時、男と目が合う。顔を正面から見ることになったが、やはり悪人のような面をしている。なんて、考えていると


『回避、不可能。衝撃に備えてください。」


頭の中に声が響く。その言葉を理解するよりも早く、男の姿が視界から消える。神隠しにでも会ったかのように、忽然と。


次の瞬間、何かが破裂するような爆音が鳴り響き、体の芯まで痺れる。そして、どういう訳か地面が目の前にまで迫っていた。


何が起きたのか、なんて考える暇もなく、迫り来る地面をただ眺めながら俺は意識を失った。

というわけで編集しました。これだと投稿した扱いにならないんですよねぇ…まぁ仕方ないので諦めます。


さて本題ですが、これからしばらく、まず七月の終わりまでは確実なのですが、時間を確保する事が困難となります。

勿論空き時間に少しずつ書いていこうとは思いますが、週一投稿を保てるかどうかは正直かなり怪しいところです。八月からどうなるかは分からないので、最悪ずっと投稿頻度が落ちたままになるかもしれません。申し訳ない。

とまぁそういうことですが、優しく見守って頂けると幸いです。

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