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識き目  作者: 篁美都貴
1/2

【1】

(たちばな)(さとし)は最近不思議な現象に遭遇している。

困っているわけではないが、毎日続いているので少し気になってきた。

モニターに反射する自分の顔にはほんのちょっと疲れが見える。『12日、30日、19日…』いくつかの日付がモニターに打ち込まれていく。しかし智が打ったものではない。


ひと月ほど前からこの怪奇現象は始まった。

ある時夕飯を買って研究室に戻ってくると、覚えのない日にちがいくつか打ち込まれていた。時間は18時半過ぎ。今日までそれは続いている。

自宅にいる時はスマホやTVの画面にボーッと浮き上がってくる。TVの時は気遣いなのか右隅にすぅーっと浮き出てきてちょっと笑った。


この日にちが何なのかいくつか仮説を立てていたが…。今、確信が持てた。最後に書き足された昨日の日付21日。つまりこれは最近事件になっている児童連続失踪事件に関する日付だ。新たに、10人目の被害者の小川みくという10歳の女の子がニュースになっていた。彼女の自宅の前には事件の象徴である折り鶴が置かれており、他の状況証拠と合わせてそれが連続事件の証左となった。


事件について誰かが俺に何か伝えたいのか?目的はなんなんだろうと夕飯を食べながら考えるも思いつかない。手早く食事を済ませ、実験データを区切りの良い所までまとめると今日はもう帰ることにする。


研究室を出た所で顔馴染みの守衛の佐々木と会った。

「今日も遅いね橘くん。おつかれさん」

「お疲れ様です」

「遠野教授のとこの子もさっき帰ったから。今日は橘くんがラストだよ」

「うわっ。今野くん、もう帰ったんですか?俺がラストかぁ」

「デートだって浮かれていたよ。金曜だもんね」

「はぁ~そっすかぁ。良いっすね」

「橘くんは予定ないの?」

「ないない、ないっすよぉ」

「ははっ。そっかぁ、まぁ気ぃつけて帰んなよ」

「はい。お疲れ様です」


おつかれ〜と手を振る佐々木に見送られ出口に向かう。廊下を曲がった所、出口の手前に髪の長いシルエットがあった。俺ラストじゃなかったっけ?と思いながら会釈してすれ違おうとすると、

「橘くん?数字はわかった?」

「…へ?」

自分より頭ひとつ分?もう少し低い位だろうか。こざっぱりとした顔だがやけに印象的な目元の持ち主だ。女?いや男か?

「数字わかった?」

「……日付だろ」

キュルッと目が輝いた気がする。

「何の?」

「…連続、失踪事件」

キュルッと目が一層輝いた気がする。

「あたり。やっぱり私の目に狂いはなかった」

女?いやまだ分からんな。

「…ところで、君だれ?」

あ、固まった。

「しきめ」

「…しきめ?」

「そう」

ふ〜ん。しきめ?……何だろう。名前だと思うが。なんか、違和感…?

「学生?」

あ。固まった。

「違う。そもそも人間じゃない」

「…そっかあ。そうかぁ」

うーん。とりあえずはそうだなぁ…。

「もうここ閉まるからさ。ファミレスでも行こうか…、行ける?」

「行ける」

キュルッとまた瞳が輝いた。


近々続きを上げたいと思います。ご覧頂きありがとう御座います。

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