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初心者ダンジョンを掃除してたら、なぜかコアに嫌われました  作者: ギズモ


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4/4

第4話 帰らせてください

「だったって言わないでくださいよ」


 返事はなかった。


 三機の中継ドローンが、絶えず周囲へ走査光を飛ばしている。


『現在位置を暫定的に、第六階層相当と判断します』


 もう一度聞いても、答えは変わらなかった。


 このダンジョンは。


 今日の朝まで。


 全五階層だった。


「……帰りましょう」


 俺は言った。


「とにかく帰りましょう。何階になったとかは、外で考えればいいです」


「同感だ」


 真壁さんが頷く。


『管理センターからも撤退を指示します。これ以降、すべての検証を中止してください』


「最初からそのつもりです」


 俺は右手を見る。


「《浄化》も?」


『使用禁止です』


「使いませんよ」


 床が汚れていようが。


 壁に血がついていようが。


 モンスターが何かを撒き散らそうが。


 今日はもう知らない。


「相田」


「了解」


 相田さんが地図端末を見る。


 三機のドローンが作っている現在地周辺の仮地図。


 線が増えては消え。


 また別の線が引かれている。


「……見づらいな、これ」


「どこが帰り道です?」


「それを探してる」


「すみません」


 急かしても仕方ない。


「既存第五階層につながりそうな道が二本」


 相田さんが画面を指す。


「こっちと、こっち」


「どっちが安全?」


「今のところ左。ただ――」


「ただ?」


「核の反応に近い」


「右で」


「即決だな」


「当たり前です」


 もう一度逃げられたら、何階増えるか分からない。


 真壁さんがドローンを見る。


「センター?」


『右側経路を優先してください。ただし、構造変化を検知した場合はその場で停止してください』


「了解」


 俺たちは右へ進んだ。


     ◇


 今までのダンジョンと違って。


 そこには、人が通った形跡がなかった。


 床は綺麗。


 壁も綺麗。


 傷もない。


 泥もない。


 血痕もない。


「……掃除するところないですね」


 思わず言う。


 相田さんが振り返った。


「良かったじゃん」


「今日はそれが一番いいです」


 綺麗なダンジョン。


 素晴らしい。


 俺が何もしなくていい。


『前方にモンスター反応二』


「そこは普通なんですね」


 真壁さんが前へ。


 現れたのはゴブリンだった。


 新しくできた階層でも、出てくるものは初心者ダンジョンらしい。


 二体ともすぐに倒された。


「モンスター自体は弱い」


 真壁さんが剣を戻す。


「今のところはな」


「その言い方やめません?」


「事実だ」


 森川さんは戦闘中も測定器を見ていた。


「核反応との距離、増えてる」


「離れてる?」


「うん」


「何か変化は?」


「今のところなし」


 俺たちは進む。


 十メートル。


 二十メートル。


 三十メートル。


 壁は動かない。


 通路も増えない。


 地面も揺れない。


 森川さんが歩きながら言った。


「……やっぱり」


「何か分かりました?」


「距離かもしれない」


「距離?」


「佐倉君と、あの反応の」


 俺は足を止めかけた。


「俺と?」


「止まらなくていい。そのまま進んで」


「はい」


 進む。


 森川さんが測定器を確認する。


「さっきまで、距離が縮まるたびに反応が揺れてた」


「はい」


「でも今は逆。離れるほど安定してる」


「つまり?」


「核から離れる方向へ進めば、構造変化が起きにくいかもしれない」


「それ早く採用しましょう」


『管理センターでも相関を確認中です』


「確認終わるまで待ちます?」


『いいえ。撤退を優先します。現時点では対象反応から距離を取る経路を選択してください』


「それでお願いします」


 素晴らしい。


 今日初めて。


 俺と協会の意見が完全に一致した。


     ◇


 問題は。


 核から離れる方向と。


 地上へ戻る方向が。


 必ずしも同じではないことだった。


「こっち」


 相田さんが左を指す。


「地図だと、こっちへ行けば上方向へつながる可能性が高い」


「核は?」


「近づく」


 森川さん。


「じゃあ反対は?」


「離れる」


「上には?」


「行かない」


「…………」


 俺は二本の通路を見る。


「帰るために帰り道から離れるって、どういうことです?」


「俺に聞くなよ」


 相田さん。


「ダンジョンに聞いてください」


「今たぶん一番話したくない相手です」


 真壁さんが少し考える。


「まず離れよう」


「上じゃなくて?」


「構造がまた変わったら、上も下もなくなる」


 その通りだった。


「森川」


「反対側なら、核との距離はかなり開く」


「ならそっちだ」


「了解」


 俺たちは地上とは違う方向へ進んだ。


「帰りたいのに……」


 遠ざかっている気しかしない。


     ◇


 しばらく進むと。


 通路が急に広くなった。


 大きな空間。


 天井も高い。


 中央には何もない。


「止まって」


 相田さんが先に入らず、床を確認する。


「罠反応なし」


『空間内にモンスター反応なし』


「通っていい?」


『構造走査中です』


 待つ。


 数秒。


『反対側に上方へ向かう経路を確認』


「やっと!」


 俺は少し嬉しくなった。


「核は?」


 森川さんが測定器を見る。


「今より離れる」


「完璧じゃないですか」


 部屋へ入る。


 真壁さん。


 相田さん。


 俺。


 森川さん。


 ちょうど中央まで来たところで。


 ゴゴッ。


「…………」


 全員が止まった。


「何もしてませんよ」


「分かってる」


 森川さんが測定器を見る。


「核は動いてない」


「じゃあ何?」


 音は足元からだった。


 床。


 一部がゆっくり傾き始める。


「下がれ!」


 真壁さんが叫ぶ。


 俺も走る。


 石床の継ぎ目が開く。


「うわっ!」


 足が滑った。


 身体が横へ持っていかれる。


「佐倉さん!」


 反射的に腰のワイヤーを掴んだ。


 金具を近くの石柱へ引っかける。


 ガチッ。


 身体が止まった。


「…………」


 足元。


 すぐ先の床が沈んでいく。


 あと少し遅かったら。


 また落ちていた。


「大丈夫か!」


「はい!」


 真壁さんが腕を掴んで引き上げる。


 安全な床まで戻る。


「はあ……」


 俺は腰のワイヤーを見る。


「買ってよかった……」


 相田さんが笑う。


「本当に落下対策だけは完璧だな」


「二度目は嫌ですから」


「もう三度目くらいじゃない?」


「数えないでください」


 床の動きが止まった。


 部屋中央に大きな段差ができている。


 構造変化。


 でも。


「核は?」


「動いてない」


 森川さん。


「じゃあこれは?」


「分からない」


 さっきから分からないことばかりだ。


 ただ。


 核そのものが動いていなくても、ダンジョン全体の変化はもう始まっている。


 その事実だけは分かった。


『上方経路への接続は維持されています』


「行きましょう」


 もう止まりたくない。


     ◇


 上へ。


 少し進む。


 さらに上へ。


 ドローンが次々に仮地図を書き換えていく。


『既存第五階層との構造類似度、六十二パーセント』


「戻ってきてる?」


「たぶん」


 相田さんが周囲を見る。


「壁の造りがちょっと古くなってきた」


 確かに。


 さっきまで新品みたいだった壁に、小さな傷がある。


 床にも擦れ。


 俺には分かる。


「ここ、人が通ってます」


「なら既存区画が近いか」


 真壁さんが歩調を上げる。


 俺もついていく。


 角を曲がる。


 その先。


「……あ」


 見覚えがある。


 壁の一部。


 古い傷。


 その横の照明魔石。


「第五階層?」


『既存第五階層との一致率、八十九パーセント』


「戻った!」


 相田さん。


「出口は?」


『現在位置から既存上昇経路まで約百二十メートル』


「行きましょう!」


 もうゴールが見えた。


 そう思った。


 だから。


 たぶん油断した。


「佐倉君、止まって!」


「え?」


 森川さんの声。


 止まる。


「どうしました?」


「核との距離」


「また?」


「この先へ行くと縮まる」


「…………」


 地上への道は、目の前。


 核は、どこか下。


 なのに。


「なんで帰る方向にいるんですか」


「知らない」


「また逃げたら?」


「構造が変わる可能性がある」


「…………」


 俺は天井を見た。


 何も悪いことしてないのに。


「別の帰り道は?」


 相田さんが地図を見る。


「ない」


「ですよね」


 少し考える。


 ここまで来た。


 あと百二十メートル。


「走ったら?」


「佐倉君」


「冗談です」


 本気半分だった。


『周辺構造を再走査します』


 三機のドローンが散る。


 そのとき。


 一機が、通路とは反対側の壁で止まった。


『未知の空間反応を検出』


「今度は何です?」


 壁の向こう。


 青白い光が、わずかに漏れている。


 でも。


 核の光とは違う。


 もっと淡い。


『空間接続反応を確認』


「空間接続?」


 森川さんも測定器を向ける。


「転移系……?」


「ポータル?」


 相田さんの目が少し輝く。


「宝箱じゃないですよ」


「分かってるよ」


 壁。


 いや。


 よく見ると、そこには薄い円形の模様があった。


 今までは石壁と同じ色で、ほとんど見えなかった。


 近づくと。


 模様が淡く光る。


 俺は止まった。


「これ、近づいて大丈夫です?」


「核反応は逆方向」


 森川さん。


「離れてる」


「なら行きます」


 即決だった。


『待ってください』


「はい」


 危なかった。


『転移先を解析します』


 三機のドローンが円形模様を囲む。


 光が少しずつ強くなる。


『転移先空間との照合中』


 数秒。


 十秒。


「長いですね」


「未知の設備なんだから我慢しろ」


 真壁さん。


「はい」


 さらに数秒。


『地上部と高い類似度を持つ空間反応を確認』


「地上?」


『ただし、転移先の正確な位置は特定できません』


「帰れる可能性は?」


『高いと判断します』


「他の道は?」


『既知の帰還経路は、対象反応へ接近する必要があります』


「じゃあこっちですね」


 真壁さんも頷く。


「俺が先に行く」


「いや」


 森川さんが止める。


「一人ずつ転移して切断されたら困る」


『複数人同時転移が可能か確認中です』


「そこも分からないんですか」


『前例がありません』


「今日それ多いなあ……」


 円形模様が完全に光った。


 青白い膜のようなものが、壁の前に浮かぶ。


『四名同時の転移に必要な出力を確認』


「行ける?」


『可能と推定します』


「推定」


 また嫌な言葉。


 でも。


 後ろには。


 帰ろうとすると逃げる何か。


 変わり続けるダンジョン。


 前には。


 地上につながっているかもしれない転移門。


「行きましょう」


 俺が言った。


 三人が見る。


「いいのか?」


 真壁さん。


「ここにいるよりは」


 少なくとも。


 この壁は俺から逃げていない。


「三、二、一で入るぞ」


「はい」


 三人と並ぶ。


 ドローンも近くへ。


「三」


「二」


「一」


 一歩。


 光の中へ。


     ◇


「うわっ」


 足元が変わった。


 硬い床。


 眩しい。


「……え?」


 目を開ける。


 空。


 青い。


 太陽。


 目の前には規制用の柵。


 救助班。


 協会職員。


 そして。


《協会検証作業のため一時立入禁止》


 見覚えのある案内板。


「……入口?」


『転移完了』


 三機のドローンが浮かんでいる。


『現在位置、ダンジョン地上入口前』


「帰った……?」


 相田さん。


「全員いる?」


 森川さん。


「いる」


 真壁さん。


 俺も。


 いる。


 四人。


 三機。


 全部。


「外だ……」


 思わず空を見る。


 前にも同じことを言った気がする。


 でも。


 前より嬉しかった。


「佐倉さん!」


 協会職員と救助班が駆け寄ってくる。


「負傷は?」


「軽い擦り傷だけです」


「他の三名は?」


「問題ない」


 真壁さん。


 その間にも、ドローンはダンジョン入口へ走査光を飛ばしている。


『内部構造変化、継続中』


「まだ?」


 森川さんが測定器を確認する。


「核反応も残ってる」


「どこです?」


「分からない」


「分からない?」


「さっきより、さらに深い」


「…………」


 ダンジョン入口。


 朝入ったときと、見た目は何も変わらない。


 初心者向け。


 全五階層。


 普通のダンジョン。


 だったはずの場所。


『管理センターより通達』


 ドローンから声。


『対象ダンジョンを完全封鎖します』


「賛成です」


 今日一番強く同意した。


     ◇


 三週間後。


「もうここ、俺の指定席じゃないですよね?」


「違います」


「よかった」


 探索者協会本部。


 いつもの会議室。


 いつもの職員。


 俺はいつもの椅子に座っていた。


 全然よくない。


「調査結果がまとまりました」


「聞きたくないって言ったら?」


「一応、原因となった検証の参加者ですので」


「原因って言いました?」


「検証参加者です」


「言い直しましたよね?」


 職員は資料を開いた。


 分厚い。


 嫌な厚さだった。


「まず、検証対象となったダンジョンについて」


「はい」


「初心者指定を解除しました」


「…………」


 ここまでは予想していた。


「やっぱり中級ですか?」


「いいえ」


「え?」


 少し安心する。


「じゃあ初心者のまま?」


「いいえ」


「…………」


 どっちだ。


 職員が一枚の書類を俺の前へ置いた。


 目を落とす。


《脅威度判定》


 その横。


《測定不能》


「…………」


 顔を上げる。


「何ですか、これ」


「文字通りです」


「そんなランクありました?」


「ありません」


「じゃあ書かないでくださいよ」


「既存の評価基準で判定できませんでした」


 職員が説明を続ける。


「事件後、複数回の調査を実施しました」


「入れたんですか?」


「はい。ただし、非常に特殊な条件があります」


 資料が一枚めくられる。


「現在、このダンジョン内部で同時に活動できるのは、一パーティのみです」


「一パーティ?」


「はい。先行するパーティが内部に存在している状態では、別のパーティは入口から進入できません」


「なんで?」


「分かっていません」


「でしょうね」


 もう慣れてきた。


「先行パーティが退出すると、次のパーティが進入可能になります」


「入れ替わり?」


「そのような状態です」


「内部は?」


「固定されていません」


 やっぱり。


「通路構造、部屋の配置、モンスターの出現位置。それぞれ変化が確認されています」


「毎回?」


「完全に同じ構造が確認された例はありません」


「…………」


 あの日だけじゃなかった。


 今も。


 変わり続けている。


「なお」


「まだあるんですか」


「五階層ごとに、地上への帰還機能を持つ転移設備が確認されています」


「俺たちが使ったやつ?」


「同種と考えられています」


「じゃあ、あれ普通に帰還用だったんですね」


「現在はその可能性が高いと判断されています」


「最初から置いてくださいよ」


「事件前には存在していませんでした」


「…………」


 そうだった。


 職員がさらにページをめくる。


「現在は上級探索者四名からなる調査パーティが攻略を継続しています」


「上級」


「はい」


「どこまで行ったんです?」


 職員の手が止まった。


「現在の最深到達記録は、第三十階層です」


「…………」


 聞き間違えたかと思った。


「三十?」


「はい」


「地下三十階?」


「はい」


 資料を見る。


 確かに書いてある。


《最深到達階層 三十》


「元々、五階ですよね?」


「はい」


「六階ができて驚いてましたよね?」


「はい」


「なんで三十階まであるんですか」


「調査中です」


「便利ですね、その言葉」


「事実ですので」


「最下層は?」


「未確認です」


「三十階まで行っても?」


「はい。現在確認されている最深到達地点が第三十階層ですが、そこが最下層であることを示すものは確認されていません」


「…………」


 聞かなきゃよかった。


「だから測定不能?」


「それも理由の一つです」


 最大階層不明。


 最深部不明。


 最終的なモンスター脅威度不明。


 内部構造固定せず。


 あの巨大結晶――核らしきものの現在位置も特定できない。


「現行の初心者、中級、上級という分類では適切な評価ができません」


「じゃあどうするんです?」


「暫定的に、新しい分類を使用します」


 もう一枚。


 書類。


《変動型ダンジョン》


「…………」


「今回確認された性質から、協会内ではそう呼称することになりました」


「変動型」


「正式分類については今後検討されます」


 俺は書類を見る。


 初心者でもない。


 中級でもない。


 上級でもない。


 測定不能。


「前回より悪くないですか?」


「単純比較はできません」


「そういうときだけ比較しないんですね」


 職員が咳払いした。


「それと、もう一点」


「まだ?」


「今回の調査を受け、従来《ダンジョンコア》と呼ばれていたものについて、暫定的な名称変更が行われます」


「名称変更?」


「はい」


 俺は少しだけ姿勢を正した。


 これは。


 たぶん重要な話だ。


「これまで、ボス討伐後に確認されていたコア状構造体を、暫定的に《攻略核》と呼称します」


「攻略核」


「ボス生成や通常攻略時の活動停止と密接に関係しているためです」


 そして。


「今回、未登録深部で確認された大型結晶については」


 一拍。


「《ダンジョン核》」


「…………」


「ダンジョン全体の構造維持に関与している可能性があります。ただし、現時点では仮説です」


 俺は、その名前を見る。


 ダンジョン核。


 多摩第一で。


 俺が《浄化》したもの。


「じゃあ」


 声が少し低くなった。


「多摩第一が消えたのって」


「今回確認された大型結晶と、多摩第一で佐倉さんが接触した物体が同種であるなら」


 職員は慎重に答える。


「ダンジョン核への《浄化》が、消失に関係した可能性はあります」


「…………」


「ただし」


「はい」


「多摩第一で確認された黒い物質については、現在も正体不明です」


「ですよね」


「あの物質が消失現象に関係していた可能性も排除できません」


 結局。


 全部分かったわけじゃない。


 むしろ。


 分からないことが増えた気がする。


「あと」


「まだあります?」


 職員が少し言いにくそうな顔をした。


「今回のダンジョン核が、なぜ佐倉さんの接近に反応したのかについても」


「分かってない?」


「はい」


「俺本人なのか、《浄化》なのかも?」


「判別できていません」


「そうですか」


 そこは。


 別に知らなくてもいい気がする。


 少なくとも今は。


「最後に」


「本当に最後ですよね?」


「はい」


 職員が、最初の書類を俺の前へ戻した。


 そこには。


《事件前階層数 五》


《現在最深到達階層 三十》


《最下層 未確認》


《脅威度 測定不能》


 俺はしばらく眺めた。


「…………」


 五階。


 三十階。


 その先があるのかどうかさえ、まだ分からない。


「俺」


「はい」


「掃除しに行っただけですよね?」


「はい」


「なんで五階が三十階まで増えてるんですか」


「現在調査中です」


「それ禁止にしません?」


 職員は答えなかった。

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