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第1話 氷結の王のあだ名



「南川駅....ああこれか」



 今日は入学式。

 今日から新入生である俺は、合格した高校に駅から足を運ぶ。

 この学校は、日中の死亡リスク向上を恐れ、夜間高校となっている。

 地球温暖化が進んだ今の地球は、この時期だと50度を超える暑さだからだ。


 ただ俺には、周りから嫌われるか好かれるかの体質を持っている。

 それは、この世にただ1人のぉ――!



――――――――氷結の王と呼ばれる者だ!!



 そう。

 この世には1人だけ、このような呼び名の体質を持った者がいる。

 詳細は、体温0度の冷気漂う者。

 俺を囲う人1人分の範囲はとても涼しいという噂だ。


 それが、俺なのである。


 ただ、それとは真逆の存在もこの世に1人だけいるらしい。

 そもそも俺とその1人が会う確率なんて0に近い。


 数分後。

 俺は学校に着いた。



「クラスクラスー...5組か。一番端っこだな」


ーー「みんなクラスどこだった!?」


ーー「私一緒だよ!」


ーー「お前何クラス!?」


ーー「うわー俺2組だわ...」


ーー「いやーマジで暑っつー...もうそろ死ぬわー」


ーー「それなーまだエアコンあるからいいけど」



 俺は5組という端っこのクラスで喜んだ。

 ただクラスの掲示板があるところで、俺と同じ新入生の人たちは暑い暑いと騒いでいる。


 確かにそうだ。

 さっきも言ったことだが今のこの世界は地球温暖化が進み、この時期は50度くらいが普通となっている。


 エアコンなしでは到底生きられない。



(俺を除いてな!)



ーー「あちー」


ーー「早くプールの季節になってくれーー」



 みんながそう喚く中、俺は5組に入った。

 すでにクラスにいた人は、全員静まり返っている。



(うわ一番前の廊下側かよ...最悪やだぁ...)



 黒板に書かれた座席表を見る。

 すると、俺の席は最悪だった。


 アリーナ席ではないが、廊下側の一番前。

 誰しもアリーナ席に続いて嫌な席ランキング第1位だと思うだろう。


 そして数十分後。

 クラス全員と担任が集結し、地獄の自己紹介タイムが始まってしまった。


 トップバッターは俺。

 一番端の前からやるそうだ。



「みなさんこんにちはー...如月氷(きさらぎ ひょう)です、よろしくお願いします!」



パチッ、、、、



 拍手をしてくれたのはただ1人だけだった。

 これでクラスカーストは底辺だろう。


 全員の自己紹介が終わり、俺にも友達ができた。

 隣の席の女子だった。



ーー「すいません...お隣よろしくお願いしますね」


「お、おう...よろしく」


ーー「お名前なんていうんでしたっけ?」


「如月氷だ。君は?」


ーー「灰羅川未来(はいらがわ みらい)です」


「そうか!いい名前だな!」


ーー「ありがとうございます」



 その友達とは未来のことだ。

 お嬢様って感じの丁寧な言葉遣いに惹かれる人も少なくはないだろう。


 挨拶が終わり、段々グループが出来始めてきた。

 そして俺の所属先は、変人が集まる変なグループになった。



「如月氷です!よろしくー」


ーー「よろしくです」


ーー「よろしくぅぅぅー!」


ーー「え...まって。」


「...?どうしました?」



 グループは俺を含めて4人。

 女子も1人だけいた。

 俺はグループ内での自己紹介を終えると、男子の1人が俺に近づいて問いかけた。

 続いて女子が、さらにはクラスに声が響いた。


 バレて悪いことはないが、気づかれてしまった。



ーー「如月...君は!!」


「...あ、、」


ーー「氷結の王じゃねぇかぁぁぁ!?」


「そうですー...」


ーー「え...待って!!氷結の王って世界にひとりだけの...あの!?」


ーー「まあ...そういうことです!」



ザワザワ


(やっばクラス中にバレちゃったぁあ!!まあ...大丈夫だよな...?信用してもいいよな!?)



ーー「マジだ...お前の隣めちゃくちゃ涼しい!!」


ーー「え、どれ!?」


ーー「氷結の王!?」


ーー「こんなところで会えるなんて...!!」



 次々とみんなが近づいてくる。

 ただグループ外の女子は遠くから驚いた目でこちらを見ているだけだ。


 そして、グループの男子が俺にさっそくあだ名をつけた。



ーー「よし如月!俺があだ名つけてやるよ!」


「え!あだ名!?なになに!!」


ーー「涼男だぁ!!」


「す、すずお?えー....」


(思ってたんとちゃう!)



「まあ...ありがとー」


ーー「うむ!」


ーー「すげぇ...涼男くん俺とも友達になってくれ!」


ーー「一生ついていきます!」


「あっはは...いいよいいよー」



 こうして、俺は一瞬にして人気者になった。

 クラスでグループラインも作られ、まだ会話は始まってないがこの存在があるだけでまだいい。

 すると、男子の1人が騒いだ。



ーー「神イベントきたぁぁぁ!!!!」


ーー「うわマジじゃん!これは神イベントだわ!」


「神イベント...?なにそれ」


ーー「いや知らんの!?簡単に言えば、神が舞い降りるくらいの最高のハプニングのことだ!」


「いや...それやば!!」


ーー「だろー!?ゲームに出てきたんだ!」


「面白そうだな!」


ーー「やってみる?」


「おう!やってみ.....」


ーー「...?どうした?」



 俺の視線に、ただ1人だけエアコンの当たる場所でガンガンその風を浴びている女子がいた。

 暑いのはわかるが、そんなに浴びてたら逆に風邪を引いてしまう。

 まあ自分の好きか。


 そして数分後。

 夜ご飯くらいの時間になった俺は、学食に向かった


 この学校は3時間制。

 17時に1時間目が始まる。

 3時間目が終わる時間は、20時でその後は放課後ということだ。


 そして、オムライス定食を頼んだ俺は席に着く。



(1人で来ちゃったけどこれボッチじゃね?)



ーー「あのー...」


「え...?」


ーー「お隣...いいですか?」


「灰羅川さんじゃないですか!」


ーー「名前...覚えててくれたんですね!」


「当たり前ですよ!あ、隣どうぞ!」


ーー「ありがとうございます!」



 俺に声をかけ、隣に座ってきたのは未来だった。

 どうやら、話したいことがあるのだそう。



ーー「えーっと...涼男くん?」


「....ふぁ!?」


ーー「あ、いや驚かせてしまったようですね...すみません...」


「いや...その..、聞いてたんですか」


ーー「そりゃあ耳に入ってきますよ」


「そうですか...まあなんでもいいんですけどね」


ーー「じゃあ...やっぱり氷くんでいいですか?」


「ひょう...?下の名前で?」


ーー「だめ...ですか?」


「いや全然いいですよ!そっちの方がいいまであるんで!!」



 まさかの未来にも伝わっていたとは思わなかった。

 しかもその名で呼んでくるなんて!



ーー「それで...なんですけどね?」


「はい...なんでしょうか」


(あれのことだよなー...わかってるよぉ....)



ーー「氷結の王って本当ですか!?」



(だろうな!くると思ったよぉ...)


「え、あぁはい!そうですよ!」


ーー「そうでしたか!なら...もしよかったらなんですけどー...」



(え...何!?新学期早々、告白チャンス来ちゃったのか!?頼む来てくれ!!)


「はい...もしとはなんですか..?」


ーー「私のー...」


(がんばれぇ!!言うんだ!!私の彼氏になってくださいと!)


「私のおぉぉー....?」


ーー「クーラー係になってください!!」


「え....?え?告白...じゃなかったんだ...」


ーー「何か言いましたか?」


「いやなんでもないですけど!」



 人生は、そう簡単に作られてはいなかった。

 告白でもなんでもなく、自分のクーラー係になってくださいというのだ。


 ただこれはずっと隣にいてくださいと言う意味では!?



「で...クーラー...係?」


ーー「今暑いですよね...?エアコンがない教室もあるので...隣で涼ませてほしいんです」


「あぁ...そういうことですか。いいですよ!ただ他の人も俺にくっ付いてくるのでそこは...」


ーー「大丈夫です...!ただ私女子なので変には見られないようにしますね...?」


「はい...」



 その後もいろんな会話を交わした。

 そして、夜ご飯も終わり全員が帰りのホームルームを受けに教室へ戻った。


 今日は入学式ということで、1時間で終わったのだ。

 全員が集まると、担任が話を進めた。



ーー「それではー帰りのホームルームを....」



ドゴンドゴンガタンッッ!!



ーー「え、なになに?」


ーー「待てよ...嘘だろ!?」


ーー「俺たち...終わったな...」


「え...?なあどういうことだよ」



 ホームルームが始まる途端、でかい音と共にみんなが騒ぎ出した。

 俺は後ろの、所属グループの男子に何が起きたか聞くと、やばいことが起きていた。



ーー「エアコンが壊れたんだよ!!」


「...はぁ!?」



 その瞬間、全員のスマホが通知を鳴らした。

 みんながスマホを確認すると、そこにはこう書いてあった。



――――――――世界中でエアコンが全機能を失う。



「地球温暖化のせいか...!?」


ーー「ああおそらくそれだな...。あまりの暑さでエアコンまでもが全部ぶっ壊れたんだ」


「それって...俺以外やばくない?」


ーー「やばいってレベルじゃねぇよ!!...なんか暑くなってきたし!!」



 周りもスマホを見てからまた騒ぎ出した。

 全世界のエアコンが、暑さのせいで全て機能を失ったのだ。


 俺には何の影響もないと思うが、周りはそうもいかない。



ーー「皆さん!今日はもう速やかに、掃除なしで下校してください!」


ーー「掃除なしで!?それは嬉しいけど...」


ーー「私たち...死ぬわよ..これ!」



 掃除なしを聞いたみんなは早急に帰った。

 ただ、俺は性格が悪いのかわからないが全員が俺にくっ付いてくると、ハーレム生活が送れると思い嬉しくなった。



――――――――(神イベントきたぁぁぁあああ!!)

 



















新作です。

神作予定なので、是非今のうちにブクマなどよろしくお願いしますー

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― 新着の感想 ―
地球温暖化で50度超の灼熱世界という斬新な設定に、氷結の王という最強チート体質の主人公!入学初日からクラスで一気に人気者になり、ハーレム展開の予感まで……!笑えてドキドキする神展開の連続で、めちゃくち…
Xのリンクから失礼します! 体温が0度設定か面白いですね!あと、主人公が心の声?みたいなものがテンション高くて笑っちゃいましたww!
2026/05/25 18:36 白崎ライカ
 涼男くん(あだな)は低体温症にはならないのか。  世界中のエアコンが壊れて慌てていましたが、そもそもエアコンがないクラスがあるらしいじゃないですか、それって死にません?  世界中のエアコンが壊れたん…
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