No.10 ライブ
続き、かくの遅くなりました(汗
――――その歌詞を考えはじめて、二週間後。
「みんなッ!!歌詞、できたよ!」
屋上のドアを思いっきりあけると、そこにはいつもの三人の姿。
「マジで?!はやく見せて見せて!」
最初に、くいついてきたのは悟。優輝はもっていた紙を手渡す。
「題名は決まってないんだけど…恋愛はやっぱわかんないから、友情をテーマにしたんだ」
みんな何も言わずにじ〜っと見て、悟が最初に、次に瑞希が沈黙を破った。
「うん、いいじゃん!」
「いいじゃない、コレ!私は好きだな」
うれしそうに、顔を輝かせている。
相馬も頷いた。
「俺もいいと思う」
とりあえず、ホッとする。中学では、学級歌など、つくっていたが、一人で歌詞をつくったのは、始めだった。
「問題は題名か…」
みんなで考える。ん〜…題名、かァ。
「じゃあサ、“ずっと…”とかは?」
みんなもちろんOK。
「今日、さっそく俺ん家であわせるかッ」
のりのりで言った悟。その言葉に、優輝は顔を曇らせた。
「ごめん、今日はちょっとだめかな」
「マジ?なんかあんの」
優輝は、診察の日でもないのに、病院に来いといわれた。さすがに病院、とは言えない。
「えーと、用事が…」
「何の用事?前から気になってたんだけど」
瑞希が、身を乗り出してくる。
「ん〜…わかんないッ!お母さんに、早く帰るように言われただけだし」
バッグを、持ちなおして言う。
「じゃねっ!三人であわしてみててよ」
「わかった、バイ」
軽く手をふって、優輝は屋上からでた。
いっときして、校門からでていく優輝をみながら、瑞希は言った。
「優輝、なんか隠してる…よね?」
相馬達もうなずく。
「優しいもんね」
つぶやく。でも、少しだけ、言ってくれないのが悲しい気がした。
†
優輝達のバンド、“クローバー”は、地元でバンドをすることになった。
人生最大の…最後のチャンスかもしれない。優輝はそう思った。
この頃、体の調子が…おかしかった。目眩がよくあり、お風呂のときは吐いてしまう。
命の少なさを、残りの時間を優輝は感じていた。
「輝…優輝!」
ハッとして気が付く。
「大丈夫?どうかしたの?休む?」
瑞希が心配そうに、言葉をかける。また、ぼーっとしてたんだ…
「いや、大丈夫。えっと…何するんだっけ」
相馬がこっちによってきて、口を挟む。
「一回、全部通してみるんだ」
いった後、優輝をじっとみつめ、肩を軽くたたいて、つぶやいた。
「…あんまり、無理をするなよ」
配置につく。優輝はマイクを持ちなおして、悟に合図して曲がはじまった。
†
コンサート当日。優輝たちは八番。前の人たちも、結構うまかったので、よけいに緊張する。
「リラックスしよーよ!文化祭のときも、やったじゃん」
そういう瑞希もガチガチだった。
『次は、期待の新人、“クローバー”です!』
司会の人が声をはりあげていう。会場もワッ、とわいた。どうやら学校の生徒もいるらしい。
四人は会場に足をはこんだ。配置につき、前をみるとびっくりした。
照りつけるライト。観客の多さ。文化祭のときより何倍もいる…。
優輝は緊張しながらもマイクを手にとった。
『みなさん、こんにちわッッ!!』
元気に、笑顔が大事!
『××高の“クローバー”です!!まずは一曲、聞いてください!』
優輝の合図により、ライブがスタート。
優輝は、今、自分のいる場所がまぶしくて仕方なかった…




