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ユウは何しに異世界へ?  作者: guden@AI
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過労死した男は週休二日を夢見る

ちゃんと書く時間がないので、ネタをAIに下書きしてもらい、修正しています。

タイトルはパロってますが、内容はそこまで某番組とは関係ないです。

隙間時間の小ネタとしてどうぞ。

「本日はよろしくお願いいたします。まずは異世界に来た経緯からお聞かせいただけますか?」


 そう尋ねられて、俺は苦笑した。

 異世界に来た経緯なんて、語るほど立派なものじゃない。


「過労死ですよ」

「と、言いますと」

「ブラック企業です。朝五時出社、終電帰り。下手したら泊まり込み。サービス残業も休日出勤も当たり前。最後は会社の階段から落ちて死にました」

「それは――大変でしたね」


 同情するような声だった。


「目が覚めたら神様がいて、『不憫だからチートを授けよう』って。テンプレですよ」

「どのような能力だったのでしょう」



「経験値百倍、成長速度千倍、全属性魔法適性。ついでに若返りです」



「豪華ですね」

「盛りすぎですよね」


 思わず笑う。

 最初は戸惑った。でも、せっかく生まれ変わったのだ。どうせなら好きに生きようと思った。今までの分も自由に、なんて。

 今思えば、急な解放感で自由になったというより、半分やけっぱちだったのかもしれない。


「その後は?」

「冒険者になって、魔物を倒して、迷宮を攻略して、気付けば英雄と呼ばれていました」

「では、異世界で成したことは英雄譚になるのでしょうか」

「いや」


 俺は首を振った。


「会社を潰しました」


 少し意外そうな空気が伝わってくる。


「……会社ですか」

「正確には商会連合ですね。この世界の市場を牛耳って、従業員を奴隷みたいに働かせていたんです」

「それを潰したと?」

「はい、最初は話し合いで何とかならないかと思ったんですよ。労働時間を減らして、給料をちゃんと払ってくれって」

「受け入れられなかった」

「むしろ追い出されました。冒険者風情が口を出すなって」

「それはまた」

「なので方針変更です」

「と言いますと」


「競合する商会を作って潰しました」


「穏やかではありませんね」

「向こうも穏やかじゃなかったので」


 肩をすくめる。


「価格操作、脅迫、買収、暗殺未遂。まあ、いろいろありました。

 最終的には主要な商会を買収して、商会連合そのものを吸収しました」


 その結果。

 世界最大の商会を経営しながら、今は週休二日制を広めている。

 英雄じゃない。勇者じゃない。



 俺の成したこと、それは――労働基準法の伝道師だ。



「俺、前世のせいで労基法だけ異様に詳しかったんです」


 調べて、いつかこんな会社告発してやる。いつか、こんな会社改革してやる。いつかこんな会社潰してやる。いつか、いつか――そんな風に先伸ばしにしていた。


「前世では使うことができなかった、いや、使おうとしなかった。使えない、ままだった」


 でも。

 この世界にきて、たくさんの自分と同じように苦しむ人々を見た。

 異世界でも、変わらない地獄を見た。


「気づいたんです。今、自分には力がある。そして、知識もある」

「なら、いつかは今だろうって思ったんです」


 がらにもなく熱くなってしまったことが恥ずかしくて傍らの水を飲んだ。

 しばらく沈黙が流れる。

 居心地の悪さはない。

 不思議とこの人とは話しやすい。

 初対面なのに何でも打ち明けられる気がする。


「それでは、転生して一番大変だったことは? やはり、商会連合と争ったところですか? それとも、改革による社会情勢への影響とか?」

「いや」


 俺は首を振る。


「ハーレムです」

「……なるほど」


 少しだけ間が空いた。

 否定されない。笑われない。

 だから続けてしまう。


「いや、別に作ろうと思ったわけじゃないんですよ」

「はい」

「助けた奴隷がいて」

「はい」

「借金のかたに売り飛ばされそうな娘がいて」

「はい」

「商会連合に潰されそうな商会の女主人がいて」

「はい」

「領地経営が傾いてる貴族のお嬢様がいて」

「はい」

「読み書き計算ができないせいでただ同然で働いてるネコミミ娘がいて」

「はい」

「いい物を作ってるのに商売下手なエルフ娘がいて」

「はい」

「――気付いたら全員と結婚してました」

「よくあるお話ですね」

「よくあるんですか?」

「よく伺います」


 なぜだろう。

 その言葉に妙な説得力があった。


「正直に言ってもいいですか?」

「どうぞ」

「修羅場でした」

「ああ……」

「本当に胃が痛かったです」


 思わず腹をさすってしまう。


「今でこそだいぶ慣れましたがね……最初は誰か一人と話していたら他の子が不機嫌になるし、記念日を忘れたら泣かれるし、全員と二人だけの時間を作らなきゃいけないし、だっていうのにベッドには皆で……あ、すみません……」

「いえいえ、ごちそうさまです」

「……ええっと、公平でいようとすると自分の時間がなくなるんですよ」

「大変ですね」

「魔物より強敵でした」


 断言できる。

 敵は倒せば終わる。

 だが、恋愛は一生終わらない。


「ですが、皆さんを愛していたのでしょう?」

「もちろんです」


 そこだけは即答だった。


「だから困ったんです」


 誰か一人なら簡単だった。

 全員愛していたから難しかった。


「家族サービスに休日なんてありませんからね……」

「そうでしょうね」


 思わず苦笑する。

 すると、ユウさんもまた苦笑した。

 不思議だった。

 今日会ったばかりなのにまるでずっと一緒にいた友人のように話せる。


「たくさんお話を聞かせていただいてありがとうございました」

「いえ。こういう話、普段はあまりしませんから」

「そうなのですか」

「俺、女性相手だと、どうしても格好つけちゃうんですよ」

「なるほど」

「情けない話とか弱音とか、そういうのはなかなかね」


 らしくもなく、本当にたくさん話してしまった。

 だからだろうか。

 ふと、気になった。


「最後に、俺の方からも一つ聞いてもいいですか?」

「はい」

「あの、失礼かもしれませんけど……ユウさんって男ですよね?」


 少しだけ沈黙があった。

 それから穏やかな声が返ってくる。


「見てのとおりです」

お読みいただきありがとうございました。

気に入っていただければ幸いです。

のんびり続ける予定です。

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