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B MAIN  作者: 半半人
フリッド・フラン編
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集の力

 どういうことでしょう?さっきまで劣勢だったとは思えない…。


 イーリスはレナードの動きに少しずつ順応していた。


 慣れとは違う、ぎこちなさが消えていくような…。何はどうあれ、長引かせるのは得策ではありませんね。


 歩法、雨桜(さめざくら)


 接近を避けるために放った横薙ぎの攻撃を半身で沈むように避け、下方に移動した力を利用し足を払った。


 崩れた体勢に拳を叩き込む……!?


 攻撃のタイミングを伺っていたレナードはそれを中断し、距離を取った。不完全な体勢にも関わらず、イーリスから殺気を感じたからだ。


 初撃後が続きませんね…。こちらの動きにしっかりと対応でき、とても手強いです。



 一撃で相手を仕留める銀姫の鉄刀は速さに特化した能力ともいえる。それに対し、動きを見てから対応するネフィエルの瞳は相手の動きに合わせた能力といえる。

 その二つを同時に発動することで前後どちらにも対応できる戦い方を確立させつつあった。


 それでもレナードには絶妙な時、絶妙な間合いを取られてしまう。埒があかない…。


 イーリスは上段に構え、レナードに接近した。


 探り合いの様な攻め方を変えた!決定的な一撃が来る!


 レナードは回避を頭に入れ、イーリスの攻撃を待った。


 二人の距離が縮まり、あと一歩で交戦するまでに近付いた時。イーリスは突きを繰り出した。踏み込みと腕の長さ、そして刀身のリーチを存分に生かした攻撃は最初の突きとは比べ物にならない。もし、避けられたとしても次の踏み込みと同時に斬る動作に移れる、先へと繋がる一撃であった。


 突きを繰り出されたレナードは動じず、先程と何も変わらない面持ちで左腕を伸ばした。突きの脅威は速度と長さ。切っ先の軌道が読めればどこに来るかは予想がついた。問題はそこからだ。


 反撃、回避は簡単。ですが、それを誘っているような一撃…。一見すると必殺の一撃と思えますが、どうも怪しい。


 そこでレナードは左腕を伸ばし、突きの軌道上に添えた。横から刀身を絡めるように腕を曲げ、反対に一歩踏み出した。


 最後に鍔を握り、絡めた左腕で刀を捕縛した。



 刀とはいえ、所詮は拳の延長。腕を折る動作の応用で、



「掴まえた」


 そこでアイゼンが気付いた。先程同様、刀ごと投げられるのではないかと。


 その心配を他所に、レナードは頭突きを放った。顔の真ん中にそれを喰らったイーリスはよろめき後ろに下がろうとした。


 だが、それよりも早くレナードの手がイーリスの首を掴んだ。


「言ったでしょう?掴まえた、って」

「くっ…うぅ……!!」


 そのまま持ち上げイーリスの足が地面から離れた。羽ばたくことで逃げようとするも、レナードは力を込めてそれをさせまいとした。硬質化しているため爪を立てて足掻くも効果はない。


 死ね。


 首を掴む手に力を込めた。





 その時。



 能力、ギーク・スティエルの魔法陣。


 

 アイゼンはジェリテの能力だと気付いた。そして、その対象はレナードとイーリスだと。


 ディック・アイアンが解けた…?


 突然の出来事にレナードの思考が止まった。力が弱まった一瞬の隙をイーリスは見逃さなかった。


 能力が使えない…?でも、これなら……!


 イーリスもレナードの様に首に手を掛けた。純粋な力では天使の方に分がある。一気に首を握り潰すつもりだった。


 能力、グラビトン!!


 一か八か。アイゼンはイーリスだけを狙って能力を発動させた。発動はするものの魔法陣の内側にいる二人には作用しなかった。


「あいつ…!」


 周辺にも上空にもいない…。対岸から発動しているのか?


 負傷した私にできることはない…っ!!


「ロッド!!風だ!」

「か、風??」

「あいつなら分かってくれるはずだ!!」


 魔法も能力も封じられてしまう。ならば、頼るべきは一人しかいない。


「…来た!ロッド、焦るな。お前ならできる」

「何が…ん?風…!」


 ロッドールは接近する風に気付いた。そこで少し前の出来事を思い出した。レナードと共にその活躍を見たことを鮮明に覚えている。


 できるかどうか分かんないけど、やるしかないよな!


 接近する風を誘導するようにイーリスに向けた。魔法陣に触れ、掻き消されてしまう。


 だが、


 イーリスは一点の殺意を感じレナードを離した。能力が使えないが来る方向が分かれば…!


 元々の身体能力で近付くそれを切り落とした。


 これは……矢…?


 一刀を放ちそれが矢であることを知ると同時に、更に二本の矢がイーリスを襲った。


 三本の矢…!


「これは……!?」


 ロッドールのその姿はまさに、水槍を操るシナの様だった。


 そして、



「これでいいのよね?」



 あらかじめアイゼンと決めていたことに従って矢を放ったシナは少々不安だった。


 閃天三暗風。


 後は風の流れとレナード達に任せればいいわ。


 シナは現場に居合わせられなかったもどかしさを感じていた。

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