報告
中々進みませんがご容赦ください…
さてさて、早く帰りたいところではあったが……
朝起きてすぐに出発しても、街に到着したのは夕暮れ時。
行きは馬車なのであまり考えなかったが、歩きとなるとそれなりの時間は仕方がない。
着いた時には疲れもあって休みを取りたかったが、早めに報告をした方が良いと言われて、そのまま冒険者ギルドに向かうことになる。
ギルドに到着して扉を開けると、いつも通りにドニュマンが受付に座って事務作業をしている。
訪問する度に居るのはドニュマン1人……
本当に他に人がいるのだろうか……
ドニュマンはボク達が入ってきた事に気が付いたようだ。
「なんだ合流したのか。何か分かったのかね?」
そう言って事務作業の手を止めるとゆっくりと立ち上がり、長く座って疲た腰をトントンと叩いている。
ボク達3人が出発してからまだ3日、まったく期待はしていない様子である。
「取り敢えず先に向かった方の報告から聞こうか」
そう言って応接間に向かおうとするが、ロイズが止めにはいる。
「おっとドニュマンさん、もう調査は終わったぜ」
「そうかい終わったのかい。取り敢えず順番に話を聞こうか」
ドニュマンは先程の様子とさほど変わらない様子で、そのまま応接間に入ってしまった。
僕達は顔を見合わせてしまうが、言われた通りに先の3人に報告に行ってもらい、ボク達は椅子に腰をかけて待つことにした。
「……ドニュマンさん、分かってないんじゃないですかね?」
ロイズは両手を上げて分からんと言った仕草を見せる。
「普通に調査が終わったと思ったんじゃない? ロイズの言い方じゃ解決したなんて思わないでしょ」
「オイオイ、俺だって説明しようとしたんだぜ? それがさっさと行っちまったから……」
そう話している最中に奥が騒がしくなる。
「なんだとー!!」
ドニュマンの大声が聞こえ、やっぱりという言葉が頭をよぎる。
応接間の方から勢いよくドアを開ける音が聞こえ、そのままドタドタとドニュマンが近づいてきた。
「お、おい! 詳しく聞かせてもらおうか!」
先に入った3人が、ボク達によってゴブリンの騒動は解決したと言った途端、先程の様子。
先の3人の報告は後日にしてくれと言われたそうだ。
ギルドの上にある部屋で休息を取っているから、後で約束通り食事をおごらせてくれと言っていた。
入れ替わりにボク達が応接間で話をすることになる。
ロイズとカレンはゴブリン集落でのことを完全には理解していないため、ボクが説明することになる。
こういった状況に慣れていないので、うまく説明できるか分からないが、ロイズとカレンが所々で補足を入れると言っていた。
「さあ何があったのか報告してくれ!」
急かすドニュマンに、ボクは事の成り行きを説明する。
一応森の様子から話し始めたのだが、そんな事はいいから重要なところから頼むと言われた。
「えーと、まず事態が急変したのが……2日目の森に入って調査をしているときです」
ドニュマンはボクの向かいでメモを取りながら頷いている。
「50匹くらいのゴブリン集団に襲われたので撃退しました」
ドニュマンの動きがピタリと止まる。
「聞き間違いか? 50匹と聞こえた気がしたが」
「え? いえ、50匹で合っていますけど……」
「50匹のゴブリンをオマエさん達3人でか?」
ドニュマンさんは眉を寄せながら3人の顔を見回してくる。
「いいやドニュマンさん、ポコ一人でだ」
ロイズがそう答えると、ハァ!? っと言った表情でボクを見る。
すぐに首を横に振り、咳払いをしてから話を続ける。
「そ、そうか、オマエさんならあり得るかもな。それは苦労しただろう」
「いいえ一瞬だったわね」
カレンの答えに2度目のハァ!?と言った表情がでる。
「オイオイ、ドニュマンさんよ。こんな事で一々止まってたら深夜になっちまうぞ」
「こんな事!?」
ドニュマンの顔がぎゅるりとロイズの方を向く。
【ククク、ドニュマンの奴は中々に良い反応をするな】
また悪趣味な人が出てきましたね。
『フフフ、ワタシから見ても面白いですよ』
あらシロさん!
アナタもですか……
話が進まないのでボクから次の話へと切り出す。
「えっと……話を続けてもいいですか?」
「オ、オホン、続けてくれ」
ドニュマンは平静を装うように咳払いをし、メモを取る作業に戻る。
「その後にゴブリン達の隊長がひざまずいて、逆に村を助けてほしいと求めてきました」
「……一応確認するが、ゴブリンがひざまずいたんだな?」
「ええ、そうです」
そのまま頷いてメモをとり続けるが、眉の間のシワが険しくなっていた。
「話を聞くと、ゴブリンたちの村が強大な魔物3匹によって占拠されているとのことでした」
「ほぅ……強大な魔物……」
「その際に先程の3人が捕らわれているとの情報も得ました」
「なんと……アイツらも危険な状態だったんだな……」
ボクの方を見てフンフンと頷き、それからどうしたのかと聞いてくる。
「まずは救出を優先する作戦として、カレンさんの魔法でゴブリンに変身して潜入しました」
「ほぅ、なるほどな……」
「救出にはロイズさんとカレンさんが向かいましたので、二人から話を聞いてください」
ドニュマンはロイズに視線を向ける。
「こっちはそんなに話す内容はないんだがな」
ロイズはそう前置きを入れてから説明を始める。
洞窟の前を徘徊するトロール三匹をすり抜け、洞窟奥に捕らわれていた3人を救出、3人も魔法でゴブリンにして早々に集落を脱出したと説明した。
「なるほどトロールか……」
ドニュマンがロイズの話しを書き終えたのを見て、ボクが続きを話し始める。
「ではその間のボクの話しに戻ります」
「おお、頼むぞ」
「潜入した後、ボクは鬼人に呼び止められてしまいました」
ドニュマンはピタリと完全に動きを止めてしまう。
「いま鬼人と言ったのか……? 占拠していたのはトロールではないのか?」
「え? あ、はい、鬼人が占拠して、トロールは後から引き連れたようです」
ドニュマンは神妙な顔をして考え込むと、何やら対策がどうのやら、本部に要請も等とぶつぶつといい始めた。
「あの……今は既に出ていきましたよ」
ドニュマンはホッとしたような表情に変わる。
先程からコロコロと表情が変わり大変そうだ。
「な、なんだそうなのか。しかし一体何のために……?」
「えーと……それはなんとも言いにくいのですが……」
ボクはモゴモゴと口ごもってしまう。
ロイズにカレンも理由はしらないので皆の視線がボクに集まる。
「そんなに深刻な内容なのかね……?」
「い、いや、そうではなくてですね……」
「うむ……」
「実は女の鬼人が……居るかも分からない魔王と結婚したいと……」
「なんだって? 良く聞き取れんかったが」
「ですから女の鬼人が居るかもわからない魔王に嫁ぎたいと我儘を……」
今度はドニュマンだけでなく、ロイズとカレンの二人もハァ!? と驚愕の表情だある。
もちろん魔王の存在も不確か、気を引くためにゴブリンを使って貢物を集めていたとも付け加えた。
「オイオイ……そんな事が原因だったのかよ……」
「私はそんな事のために死にかけたのですか……」
ロイズはソファーにもたれ掛かり、カレンは下を向いて額を抑えている。
ええ……
その気持ちはよくわかります……
ドニュマンも同じような気持ちだったようで、苦々しい顔をしていた。
「その後ボクの変身が解けて、鬼人達に正体がばれてしまいました」
ドニュマンは気を取り直してボクの方を見て頷いている。
「どうにか小屋から脱出したものの、後一歩遅ければ危ない状況で……」
「ああ、俺らが脱出した後に見た状況か。小屋の入口が吹っ飛んでたな」
「ええ、そうです。そこでロイズさん達が救出に成功して集落の外にいることを確認しました」
ドニュマンはなるほどとメモを取る。
「その後、女の鬼人が実力を示せば話を聴いてやる、と言いまして、トロール三匹と戦う事になりました」
「ポコ一人でか? トロール三匹と?」
「そうです」
「それは相当……」
ドニュマンは何か言おうとしたのだが、途中で言葉を止めてロイズのほうに顔を向ける。
「一瞬だったな」
「ここまで来たら何があろうと驚かんわい」
ロイズもドニュマンも、少し笑いながらそう答える。
「その後は女の鬼が我が儘を言ったため、男の鬼人達に無理矢理に連れて帰らされました」
「ホウ……? 我が儘と……それはどんな?」
ドニュマンが見事に答えにくい所を突いてきた。
「えーと……話さないとダメですか……?」
「オイオイ、俺たちもそこは気になってるぜ?」
「そうですよ。あの時一体何があったんですか?」
ボクが言いにくそうにしていると、ドニュマンよりもロイズとカレンの方が聞きたそうにそう言ってくる。
『正直に話しては駄目なのですか?』
いや内容自体は全く問題はないのだけど……
話すのが恥ずかしいと言うかなんと言うか……
「女の鬼人がですね……ボクに自分の元に来いと言いまして……」
3人はボクの方を見て、再びハァ? と言いたげな表情をしている。
「もちろん断ったのですが、男の鬼人達に勝ったら諦めるし、負けたらついてこいと……」
「それで……男の鬼人達が我慢の限界で連れ戻されたと……」
「はい……」
3人は少し苦笑いし、お互いに視線を交わしていた。
「あ、あとゴブリン達の長が、自分が長である限り人を襲わせないと約束してくれました」
「なんだと! 本当か!?」
ちょっと気まずい気持ちを誤魔化すように事の顛末を告げると、ドニュマンは身を乗り出してくる。
「ええ、それを約束に村を助けると伝えてましたので」
「ウーム……しかし信用できるのか……?」
少し眉を潜めて確認してくるが、それにはカレンが答える。
「ドニュマンさん、あの場に居た人であれば間違いなく信用すると思いますよ」
「むっ? それはどう言うことだ?」
「圧巻だったぜ? 500は越えるゴブリン達が、ポコにひれ伏しててたんだからな」
「500匹のゴブリンがひれ伏した……?」
「おうよ、さっきの3人に確認してもらっても構わないぜ?」
ドニュマンはメモをとり終えると、暫く考え込んでから、深いため息をつく。
「こんな事、本部に何て報告すればいいんだか……」
ドニュマンは苦笑いしながらそんな事をぼやいていた。
「ともかく皆よくやってくれた。明日には報酬を支払う準備をしておくので上の部屋でゆっくり休んでくれ」
ドニュマンはボク達を応接間から出して、忙しそうに動きだした。
その後、ボク達は上で待っていた3人と合流し、酒場で打ち上げとなる。
もちろんボクはお酒を飲めないが、他の5人は乾杯からガバガバと呑みだして、あっという間に酔っぱらっていた。
捕らわれていた3人は、笑いながらに生きた心地がしなかっただなんて言っている。
図太いと言うのかなんと言うのか……
ロイズは興奮し、ゴブリンを一層したときの話を3人語っていた。
カレンは泣き上戸のようで、ボクに対抗していた事を泣きながら謝ってくる。
ロイズに目配せすると、ボクに任せたと言わんばかりに目を剃らされる。何度も気にしないと慰める事になってしまった。
クロは【オマエも酒を飲め】だの言い出すし、シロは『つぶれている人を介抱しなさい』と言ってくるし、なんとも大変な食事になってしまった。
散々騒ぎ倒した後、ロイズが泥酔して倒れた辺りでお開きとなる。
まあ大変ではあったけど、不思議と嫌な気分ではない。
もし冒険者として暮らしていたら、こんな事が日常茶飯事なんだと感じ、楽しんでいたのだと思う。
次の日、ギルドでゆっくりとした起床を迎えたボクは、ルドルフが泊まる宿屋に向かう。
ルドルフにゴブリン騒動が解決したことを伝えると、少しの足止めですんで助かったと言っていた。
これから冒険者ギルドで報酬を貰いに行くと伝えると「それじゃ一緒にギルドに向かってそのまま町を出るか」と言っていた。
ルドルフは荷物をまとめて馬車に詰め込むと、直ぐに冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドに入ると、受付けにはドニュマンではなく見たことのない女性が座っている。
本当に他に働いている人がいたのだと、今更ながらに思ってしまう。
「すいません、報酬を受けとりたいのですが」
「はい? あ、報酬の受け取りですね」
一瞬戸惑ったような感じであったが、ボクとルドルフを交互に見て普通の対応に戻る。
「ではギルド証を拝見いたします」
ギルド証を渡すと、受付けの女性は名前を確認し、名簿のようなものに目を通す。
「えーと、ポコ・コロネルさんですね。少々お待ち下さい」
女性は席を外すと暫くしてから書類と小さな麻の袋を持ってきた。
「お待たせしました。随分と活躍なさったみたいですね」
そう言いながら書類を机の上に出し、サインを求められる。
ボクがサインを書こうとすると、少し慌てて止められてしまう。
「あ、いえ、ご本人のサインでないと駄目ですので」
女性はそう言ってルドルフの方を見る。
「ん? 俺は付き添いで関係ないぞ?」
「え?」
女性はボクとルドルフを交互に見ている。
「おおう、ポコよ。ご苦労だったな」
奥からドニュマンが顔をだし、ボクの方に話しかけてくる。
「報酬の手続きは終わってるからな、もう受け取れるぞ」
「お、ドニュマンさん。もう森を抜けれるんだよな?」
「うむ、一応は現状調査には出ているが、それが終われば役場に貼り出されるはずだぞ」
「なら護衛を紹介してくるかい?」
あ、ルドルフさんがギルドにきたのってそう言うこと?
森が通れるようになったとしか説明してないや。
「ん? オマエさんはポコと一緒なんじゃないのかい?」
「おう、そうだけど?」
「なら必要ないだろ?」
二人の会話が噛み合わず、頭の上に?マークが浮かんでいのがわかる。
受付の女性も何だか戸惑った様子でボクらの事を見回している。
事態が収拾するのに暫しの時間を要するに事になった。
「し、失礼しました。ではサインをお願いいたします」
ドニュマンの説明で、女性は勘違いしていたと理解してくれたようだ。
ボクのような子供が冒険者だとは思わないだろうし、活躍したのであればなおのこと。勘違いしても仕方がない。
書類にサインをして拇印を押すと、小さな麻袋を渡してくれた。
「ポコよぅ……もっと早く言ってくれよ……」
ルドルフは森の異変を解決したのがボクだと聞いて驚き、ドニュマンに笑われていた。
一応はゴブリン達が襲ってくる心配はもうない事と、護衛を雇わずに森を抜けられるだろうと説明はしておいた。
「だがそうなると……馬車の交代要員がいない分遅くなっちまうな」
あー、なるほど。
冒険者を雇うのは護衛だけでなく、そういう役割もあるわけか。
そんな話をしている所にロイズとカレンが二階から降りてきた。
ロイズは二日酔いのようで、頭を押さえて気持ち悪そうである。カレンの方は同じくらい飲んでいたのに至って普通である。
「おはようございます。もしかして町を出るのですか?」
「ええ、もともとセントリアに向かう所だったもので」
「あら、私たちも乗合か行商の馬車の依頼があればセントリアに戻ろうと思ってたところですよ」
ロイズを見ると椅子に座って項垂れているが、話が聞こえているようで頷いている。
「そうなんですか、じゃあセントリアでも会え……グガッ」
話し途中でいきなりルドルフに羽交い絞めにされ、少し離れた場所へと連れて行かれる。
「オ、オイ、あのキレイな人は一体誰なんだ?」
ルドルフはカレンをちらちらと見ながらボクに問い詰めてくる。
「え、あ、カレンさんですか? 一緒に調査に向かった冒険者の人ですよ? ルドルフさんも一度見ていると……」
ーーと言いかけたが、あの時のカレンは包帯だらけで顔は見えていないと気が付く。
「ホラ、二階で治療したあの時に大怪我していた……」
「そうか……カレンさんと言うのか……」
既に話を聞いていない。
厳つい顔した坊主のおっさんが、ポーッと見惚れている姿はなんとも微妙である。
そんなボクらをカレンは不思議そうな表情で見ている。
【こやつ! 惚れおったな!】
おう!
いきなり出てきたな!
【いやなに、この手の話は最近見てないからな。面白そうだと思ってな】
まあ見る分には全然かまいませんが……
でもカレンさんって、ロイズさんと付き合ってるんじゃないの?
そうなら目も当てられないのだけど……
「おいポコ! 紹介してくれないか!」
ヒソヒソながらも力のこもった声で言ってくる。
「え、あの、別に構いませんけど……カレンさんが独り身なのか知りませんよ……?」
「バ、バカ、ただ知り合いになりたいだけだよ! その辺は……まあ……後々な?」
うん、完全に一目ぼれってやつですね。
『まずは機会を見て、二人の関係の確認ですね』
あれシロさん、意外に乗り気じゃないですか。
『ルドルフは良い人ですから。是非とも協力して上げてほしいです』
実際ボクはかなりお世話になってますからねぇ……
応援してあげたい気持ちは同じかな。
「とりあえず紹介しますから戻りましょう」
ボクの言葉にルドルフは顔をほころばせて喜んでいた。
「話しの最中にすいませんでした」
「いえ、そちらの方はどなたですか?」
カレンの方からルドルフの事を聞いてくる。
あれだけ変な行動を取っていたら気にならない方が難しい。
「えーと、こち……」
「私はルドルフ・キーンベックと申します。しがない鍛冶屋をやっておりまして、ポコとは一週間ほど前に出会って意気投合しましてね。いやぁ、ポコがアレアドル王国に向かうと言っていたので、セントリアまで自分の馬車で一緒に向かっているところなんです。是非ともお見知りおきを」
おおい! 紹介の話はどこに行ったよ!
しかも名字とか初めて聞いたよ!
【クックック、いい舞い上がり方だな】
クロはホント楽しそうですね……
実に面白いおもちゃを見つけた感じが溢れ出てるよ。
そしてルドルフさん。アナタそんな口調が何時までもつのやら……
「これはご丁寧にありがとうございます。私はカレン、お分かりだとは思いますが冒険者です」
「カレンさんですか。まるで花の美しさを連想させるような実に素敵なお名前ですね」
おう!
何だか身体がむず痒いぜ!
「先ほど少しお話を伺いましたが、お二人もセントリアにお戻りなるとか。良ければ護衛を依頼させて貰えれば幸いなのですが……」
うわ、なんて暴走……
もう生暖かい目で見守るしかないな……
カレンはボクを見て首をかしげる。
「でもポコがいるなら護衛なんて必要ないのではないですか?」
「あ、それがボクは馬車を操縦したことが無くて、どちらか操縦ができれば助かるのですが……」
【うむ、素晴らしいフォローである】
『ええ、ルドルフもさぞかし喜んでいるでしょう』
ありがとうございます!
二人にも好評なコメントのようです。
「そういうことですか。操縦ならロイズができますが……」
そう言ってカレンはロイズの方をちらりと見るが、今だに椅子に座って項垂れていた。
「いえ、夜に交代してもらえればそれで構いませんので」
「そうですか? ではロイズが了解すれば引き受けさせてもらいますね」
ルドルフのコブシが強く握られたのをボクは見逃さない。
そしてロイズも話が聞こえていたらしく、項垂れたままボクの方に向けて親指を立てていた。
「では私たちも報酬を受け取り次第、出発の準備をします」
「ボク達は先に外の馬車で待っていますね」
「ええ、わかりました」
カレンの返事を聞いて、ルドルフと共に停めてある馬車へと向かう。
馬車につくと、ルドルフは再度ボクを羽交い締めにする。
「ありがとな! ポコ! ありがとな!」
「ぐ、ぐるじいですよ……」
感謝と興奮の現れか、力のこもったハグをプレゼントされるが、こちらとしては苦しいだけである。
まあ相当に喜んでいるので、悪い気はしないのだけど。
暫くしてロイズとカレンが支度を終えて馬車にやってくる。
「ロイズさん、カレンさん。暫くの間ですけど、またお願いしますね」
「ええ、こちらこそ」
「さあさあ! 出発しますよ!」
ルドルフが張り切って馬車を走らせる。
まあ色々とあったけど。
こうしてロンダリオの騒ぎを終えて、ようやくセントリアへと出発となる。
良くある展開かもしれませんが…
書きたくて書いてしまいました…
次は中間地点の町に到着はできるかと…?




