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明けましておめでとう御座います。

66話前に65.5話も更新しています。

話数間違えて飛ばしていてごめんなさい。

今年もよろしくおねがいします!

 ヴァンパイアが彼方此方から湧いてくるように増えていく。


 現れたものからすぐに切り捨て、殴り潰して抹殺していくが消える端からすぐに増えていき際限というものが見えてこない。


 そうして進めずに居る俺と対象的にマクドナルドは踊っている。


 共にいたメイドを抱き寄せ、くるくる回りステップを踏み右に左に動く。


 その後には黒い燐光が煌きそれは地に落ち床を彩り模様を描いていく。


「ふはははは!いくら君が強かろうとも、物量を捌く手は2本、その間に君の敗北は確定する!」


 そう言って高笑いをしながら言い放つマクドナルドには自信が溢れている。


 それを裏付けるのは地面を彩る模様、いや、出来かけの魔法陣。


「これを受けたもので生きていられた者は未だかつていない」


 それは既に完成間近で輝きを増していきそれと共におぞましい気配を漂わせる。


「全てが我が前に膝を折り、我が軍門に下る」


 完成させては拙いと大振りで目の前のヴァンパイアを弾き飛ばし道を空け走る。


「受けよ我が深奥!」


 踊りを止め両手を広げ高らかに朗じる奴に向かう。


 盾に闘気を込め、群がるヴァンパイア達を弾き飛ばしながら疾走するがその距離は遠い。


「そして我が前に膝を折り頭を垂れるがよい!」


 後一歩というところでメイドヴァンパイアの邪魔が入る。


「4柱の名に懸け、邪魔はさせません」


 足を止めている場合じゃないのに普通のヴァンパイアと違い一蹴する事は出来ずに足が止まり歯噛みする。


「よくやったエイダ!さあ発動せよ!我が深奥!侵瘴魔陣!」


 その言葉と共に陣からおぞましいほどの量の瘴気があふれ出し、その勢いに後退を余儀なくされる。


 そして。


「これは瘴気によって我に歯向かう者を侵食し、自由を奪い、苦痛を与える物だ」


 溢れ出た瘴気が纏わりついてくる。


「瘴気に冒され、動けぬところを侵食され苦しみぬく」


 それを盾に、鎧に、剣に魔力を込め防いでいくが途切れる事がない。


「死ぬ事はないが、決して動く事は許されず、自害する事も許されぬ」


 それは捌ききれる範囲を超えていて、じわじわと少しずつ俺に届いてくる。


「正気を失う事も許されず、受け入れるまで延々と途切れぬ責め苦を与える我が術法」


 冒される毎に少しずつ身体が重くなっていき、やがて手が下がり、動きが止まる。


「さあ貴様も我が軍門に下るがよい!そして我が手足となるのだ!」


 その言葉と共にあふれ出す瘴気の勢いが爆発的に増えて俺の身の全てを覆い隠す。


 それは巨大な繭のようになり、俺を包む。


 その強靭さはSSランクの一撃を受け止める鉄壁の守り。


 それは黒い牢獄。


 少しずつ侵食して中に捕らえた物を冒し、変質させていく牢獄。


 その中に囚われた者が辿る運命は唯一つ。


 その瘴気に冒され精神を変質させること。


 そして瘴気に冒された身体は生者のそれから外れる。


 そうして強き者を取り込む事で勢力を強力にしていく。


 それが不死者の王の一人、マクドナルドが王と呼ばれる能力。


 準備にかかる時間を数だけ増やした肉盾で時間を稼ぎ、気に入った者を駒として手に入れる。


 防ぐにはその瘴気全てを消し去る以外にはない。


 普通の人間、いや、高ランクの聖職者にも不可能と言われる所業である。


 それは実質対応不能、聖属性に特化した強力な力を持つ聖龍なら消し去る事が出来るが、通常、人間が内包する力がそこに届く事はない。


 そう、不可能なのだ。


 だからマクドナルドは既に勝利を確信していた。


「さて、堕ちるまでどれ位かかるか、それまであのゴミどもがどうしたか見せてもらおうか」


 どこからともなく玉座が用意され、それに座り、足を組み、肩肘をつきはじめる。


 ヴォン。


 音が鳴り黒い物が渦巻き空中に違う場所の風景が映し出される。


「ふむ、双方共に戦闘体勢と、奇襲する脳すらないとは、つくづく救いがたい無能共よのう」


 そう呟いた所にメイドがグラスを差し出す。


「ああ、丁度喉が渇いていたところだ、大儀である」


 そう言ってグラスで喉を潤すマクドナルド。


「さて、あの無能共がどうなるか、まぁしくじったらこいつを当てればいいだけだからな、他愛もない」


 そう言って飲み干したグラスを放り投げるとメイドを抱き寄せる。


「さあ、見世物の始まりだな」


 抱き寄せられたメイドは抗う事なく抱きつき、その頭を撫でられながら恍惚とした表情を浮かべる。


「せいぜい楽しませてくれよ?下等な人間どもよ、それが貴様らゴミの、数少ない生きる意味だ、さあ、踊れ、我が掌の上で、はーっはっはっはっは!」


 満足気に高笑いを上げるその姿、周りには生き残ったヴァンパイアが跪き、メイド姿ではあるが美女をはべらせるその姿は正しく王者の姿。


 不死者の王はこうして勝利を確信する。


 この国は既に我が物となった、次はどこをもらおうか。


 そう考えながら映し出される娯楽に興じる事にする。


 暗雲が、この街を覆い始めた。


3人「……」

アイ「あの馬鹿が、なにをおめおめ捕まっておるんだ!」

リリ「どうするのよ、ロイド君、つかまっちゃった!」

アラ「あいつ、聖属性持ってないぞ、詰んだじゃないかよ……」

アイ「しかも洗脳されたら、あいつが人間の敵……」

リリ「詰んだわね」

アラ「詰んだな」

アイ「詰んだ」


詰んでなああああああああああああい!!

さて、どうなるか乞うご期待!

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