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色々あって亀更新ですがよろしくおねがいします。
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「へたれな勇者ロイド様、姫様がお呼びです、20分後にご同行いただけますか?」
呆然としていた俺に投げかけられた言葉にハッとする。
「失礼かと思いますが、姫様からヘタレたらこう言う様に申し付かっておりますのでご容赦を」
「あ、ああ」
不機嫌そうに頭を下げるアンジェに付けられた侍女さんに気圧される。
「ルイス様の事は安心して下さいとの言伝も申し付かっておりますのでこのまま時間までお待ちください」
「わかった……」
言葉に従い待つ事になる。
絶対零度の眼差しを受けながら待つ時間のなんともいたたまれなく長い事か……
気まずくて何かをしようにも手に付かず、更にルイスが心配ということもあり何かしないといけないと思いつつも何も出来ない、そんな辛い20分を過ごす。
妹のままじゃ嫌、ルイスの言ったその言葉を思い出し、言葉が頭の中でぐるぐる回る。
どうしたらいいのか、ルイスはどうしたら安心してくれるのか、最後に見せた涙が心を抉る。
「それではご案内いたします、付いてきて下さい。」
思考に囚われているところに声が響く。
冷たい眼差しで頭を下げる侍女さんの声を受けてハッとして頷きを返し部屋を後にする。
付いていく間もルイスの事を考えてしまう。
小さい頃からいつも懐いてきて、笑って、泣いて、怒って、楽しんで、色んな表情のルイスをみてきたけど、今日のようなルイスを見た事はなかった。
不安げで、辛く、苦しく、それでもそのままでいられない。
このままでいいのか、こうしていいのか、とても悩み、苦しんでいるあんな姿を見た事は今まで無かった。
そんな姿がぐるぐると頭の中を回り、埋めていく。
「おはいりください」
不意にかけられた言葉に思考が戻る。
いつの間にかアンジェの部屋に付いていたようだ。
「どうされましたか?早くお入りになってください」
冷たい言葉を繰り返される。
「ああ、すまない、少し考え事をしていた」
気圧されながら言葉を返しながら促されるままに部屋に入る。
「お待ちしていましたわ、ヘタレなロイド様」
部屋に入るなり笑顔で辛辣な言葉をかけられるが、何もいえない。
「そのお顔だと分かっていらっしゃるようなので早速本題にはいりますわ、こちらに」
案内されるままに部屋の奥に二つある一つについていく、そこに待っていた人物を見た瞬間に目を見張る。
「お兄ちゃん……」
それはルイスも一緒でその瞳を揺らす。
「ルイス、できるわね?」
「うん……」
そういって優しく話しかけるアンジェに頷くルイス。
そして意を決した表情で立ち上がり俺の前に立つ。
「お兄ちゃん、あのね」
そう言って不安そうに言葉を紡ぐ。
「私、お兄ちゃんが好き」
それは俺も同じだ、大事な妹だし。
「俺もルイスの事は好きだぞ」
しかしその言葉にルイスは首を振る。
「ううん、違うの、お兄ちゃん、私はお兄ちゃんの事、家族としてだけじゃなくって、その、一人の女として、男の人、男性としてのお兄ちゃんが好き」
その言葉に衝撃を受ける。
「今までは、兄妹だからってあきらめる事ができてたの。でも!」
そういって眼差し強く顔をあげる、その姿に目を吸い寄せられる。
「お兄ちゃんと血のつながりがなくて、私、妹じゃなくて、一人の女としてお兄ちゃんの、貴方のとなりにずっといさせて欲しいって思うようになったの、だから!」
そして決意を込めるように一拍を置いた後にその言葉は紡がれた。
「妹としてじゃなく、一人の女として、お兄ちゃんじゃない、ロイドさんの隣にいさせて下さい、これから先ずっと、一緒にいてください」
その言葉に今日最大の衝撃を受ける。
意を決した言葉を紡いだルイスの瞳は不安そうに揺れている。
すぐに安心させてやりたい、しかしそれでいいのかとどこかで思ってしまう。
そして出した結果は
「少し、待ってくれないか、気持ちの整理がつかなくて、すぐに返事できそうにない」
その言葉にルイスの瞳が曇る。
「俺もルイスの事は好きだ、大事にしてやりたいと思ってずっと生きてきた、だけど、それは妹としてのルイスで、今の言葉に答える用意が出来ていないんだ、今の状態で、勢いだけで返事をしたら、きっと後悔するから、すまない、少しだけ時間をくれ」
そう言って頭を下げる。
こんな時、何も考えずに抱きしめてやれれば、安心させてやれればと自分を恨む。
これは自分のエゴだ、自分を納得させたい為の、とてもずるい行い。
罵倒されようと嫌われようと、軽蔑されようと文句の言えない、とても卑怯な。
それでも
「うん、わかった、待ってるから」
そう言ってルイスは笑ってくれた。
とても切なそうな、辛そうな微笑。
見ていて痛々しくなるその微笑から目が離せなくなっていると後ろから声がかけられた。
「ロイド様、ルイスは疲れているのでこちらに、少しお話する事もありますので」
その言葉と共にアンジェに手を引かれて部屋から連れ出される。
「男女の事なので何も言いませんが、約束してほしい事があります」
無表情なアンジェが言葉を紡ぐ。
「私の事は気にせずに、今はあの子の事だけを先ず考えてあげてください、私には構わず、先ずはあの子の事を考えて下さい。その結果どうなっても、私にはどうにでもすることが出来ます、だから、私の大事な親友の事、お願いします」
その言葉には真剣な、思いやりと、切実な思いが込められていて、断るなんていう選択肢はない。
「わかった」
その言葉を返すのが精一杯で、笑顔のアンジェに見送られて部屋を退出する。
ルイスが何を言っているのかは、分かる。
妹としてのルイスが自分を好きでいてくれているというのは分かっていた。
あれだけ懐いてくれていたし、関係も良好だったんだから、それが分からない程じゃない。
でも、そういう感情を持っているとは思っていなかったし、俺もそういう感情の対象としてみていなかった。
生まれたその日から知っていて。
兄妹として色んな事を一緒にして、一緒に暮らして一緒に過ごしてきたんだから。
そういう感情を抱けという方が間違いだ。
いや、間違いが起きてしまうからそういう感情とは切り離して考えていた。
しかし両親のあの告白。
理性に倣う男の俺と、理性で縛り付けていた女のルイス、あの告白はその違いを明確にしたのだ。
倣って進んでいた線路がなくなった俺と、線路で無理やり行き先を変えられていたルイス。
それがお互いの態度の違いに結びついたのだ。
ルイスの事は大事。
それは間違いない。
しかし今の俺達には兄妹という関係性がない。
そういう宙ぶらりんなところで、そのままいけてしまう俺と、不安を抱えていたルイス。
それが今のお互いの差であり、困惑する原因なのである。
その線路がなかったらどうなっていたかは分からない。
分からないが、俺の心の進路は、今まで向かっていた進路から外れたところに進みだした。
それがどこを向いているのか、混乱する俺には未だ分かる事ではなかった。
アイ「おい、なんでそこで応えてやらないんだ!このヘタレ息子!私は悲しいぞ!!!」
リリ「ちょっとアイリス、落ち着いて!ほら貴方も、この子をとめて」
アラ「いや、リリー、アイリスのいう事はもっともだ、俺だって今すぐあいつをぶん殴ってやりたい、よりにもよってルイスを泣かせるとは、ロイドの野郎……」
リリ「ああもう、なんでこんなに血の気の多い」
アイ「それはちがうぞリリー、あんなに可愛いルイスを泣かせたんだ、怒るのは当然だろう!」
アラ「そうだそうだ!」
リリ「あら、アラン?貴方がそれを言えるのかしら?私も散々待たされて泣かされたんだけど?」
アラ「そ、そうだったか(滝汗)」
アイ「確かにそうだったな、リリーに何回相談されて泣き疲れてロイドのいる腹に抱きつかれたか、となるとこれはアランのせいか?」
アラ「いや、それとこれとは……」
リリ&アイ「問答無用!」
アラ「ぎゃあああああああああ」
あと2話か3話くらいで次フェイズに移ります。
最初恋愛事情書く気なかったのに書いたら大変な事に……
最後は力技に頼るかもしれません(滝汗)




