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「ん?ルイス、どうかしたか?」
「!?なんでもない!」
そういってプイっとそっぽを向いたルイスの姿を見た私は頭を抱える。
今までの接し方見てたら大丈夫かと思ってたけどどうしよう、あの子、完全に意識しすぎてる。
このままだと二人の関係がぎくしゃくして思わぬ事態が起きるかもしれない。
大事な人と大事な親友の不幸になる未来。
それが予想されるこの事態はなんとしても解決しないといけない。
いけないんだけど、どうしたものかしら……
思っても見なかった事態に頭痛を覚えてつい手をやってしまう。
「ん?アンジェ、頭押さえて、大丈夫か?」
ロイド様の心配するような声が届く。
貴方の妹のために悩んでるんですよ!なんて言えたら苦労はしない。
「ええーーっと、とりあえずは大丈夫です、大丈夫ですけど……」
「そ、それならいいが、無理はするなよ、辛くなったら早めにいってくれ」
「はい、わかりました」
相当酷い顔してたのかな、ちょっとロイド様に引かれてしまったように感じる。
こうなったら元凶をどうにかするしかないわね。
「はぁ、全く、ルイスも世話がやけるわね、ロイド様も鈍感すぎてわかってないし、けど、どうにかしなくちゃいけないわね、はぁ、先が思いやられます……」
ルイスに対して囁く。
「アンジェ、えっと。ごめん」
弱弱しく謝るルイス、流石にこれ以上は今言ったらだめね。
「はぁ、もう、いいわよルイス、これから時間を作ったらみっちりお話しましょうね?」
笑顔でそういうルイスにそういうと何故かギクッとして目を逸らそうとするので追加で一言。
「そうそう、貴方に拒否権はありませんからね?」
「はい……」
そう弱々しく頷くルイスを安心させるように頭を少し撫でる。
絶対に不幸になんてさせないからね。
そう心の中で決意を新たにするのだった。
領主館に入って暫くして、私はルイスの部屋に足を運ぶ……前に部屋の扉を叩く音がした。
「すまない、少しいいか?」
ロイド様だ、返事をして侍女に招き入れてもらう。
本当は未婚の女性の部屋に男性が入るのは良くないって言われてるんだけど、今更そんなこといってもね。
もちろん私は婚前にそういう事はしない。
ロイド様も無理に迫ってくるような人じゃないから安心出来る。
というかそういう人だったら既に手に掛かってる。
でも世間ではそういう人ばかりじゃないからそういう風に言われている。
なので侍女が部屋の入り口で控えている。
「疲れているところにすまない、どうしてもたのみたい事があるんだ」
そういって頭を下げるロイド様、ちょっと困った様子もいいなぁ。
「いいえ、ロイド様ならいつでも歓迎です、それで頼みたい事っていうのはもしかして?」
「ああ、ルイスの事なんだけど……」
そして話されるルイスとの今までの暮らし。
今もあの子可愛いけど、昔から可愛かったんですね。
昔は素直で可愛いっていうけど、今は今で可愛いもんね。
でも昔から一貫して変ってない事は、まっすぐな事。
怒るときはその場で怒るし、理由も明確で今日みたいに微妙な態度を取る事は初めてだって。
言われてみたら私もルイスのそんな態度は見た事はない。
他の女の人は結構あるんだけどね、ロイド様はそういうの気付かないんだって話を聞いていたら分かった。
やっぱりロイド様、女の人にそういう接し方した事ないのかな?
私とも普通に接する時はなんでもないし。
あの時は慣れてない感じで私もドキドキしたし。
あの感じは手馴れている人の多い貴族相手じゃ体験したことなかったし。
きっとそうなんだろうな。
そう思いながら話を聞いていくと本命の頼みごとにいきつく。
「なんであんな風になってしまったのかを教えて欲しい」
真剣な顔で頭を下げる姿にどうするべきかと思う。
だって、私からルイスの気持ちを代弁しちゃうのはダメだから。
ルイスの気持ちはルイスが伝えないとね。
なので私の答えは決まっている。
「申し訳ありませんが、それは出来ません」
その言葉に顔を曇らせるロイド様、でもこれだけは譲れないの、だから。
「ですが解決する方法はありますので、私も協力させてもらいます」
ルイスの気持ちを知ってから、ルイスに教えてもらえるようにする事でこの問題を解決しよう。
「ありがとう、助かる」
そう言って頭を下げるロイド様にちょっと悪戯心が湧いてきた。
「親友のルイスの事ですから、任せてください」
笑顔でそう答えるとロイド様も笑顔になってくれたので、ここから悪戯開始。
「ロイド様は、その後の事は考えてますか?」
「その後っていうと?」
「ぎくしゃくした今の関係を良くした後、ルイスとはどうするおつもりですか?」
「どうって、今まで通り、妹として大事にしていくつもりだよ」
ルイス、ロイド様、貴方の気持ち全然分かってないわ!
「それをルイスが望んでいないとしてもですか?」
「望んでいないって、そんなこと……」
落ち込むように言葉が途切れるロイド様。
「えっと、今のはもしもの話ですから、気にしないでください」
「お、おどかさないでくれ、嫌われたらって思って、心臓が止まるかと思ったよ」
フォローを入れたら立ち直ってくれた。
「ごめんなさい、ルイスがロイド様を嫌う事はないですから安心してください」
「ありがとう、アンジェにそういってもらえると安心できるよ」
笑顔でいってるけど、どれだけルイスの事好きなのよ、もう!妬けちゃう!
「それでは、私もこれからルイスとお話してきますね」
「ありがとう、今度お礼に何かさせてくれ、出来る事ならなんでもさせてもらうよ」
あ、これは!
「何でも、ですか?」
何でもって言って!
「ああ、出来る範囲でだけどな」
むぅぅ、でもこれならまだなんとかできるかも!
「わかりました、楽しみにしておきますね」
お願いする事決まってるけどね!
「出来る範囲でだぞ」
私も協力するので範囲は広がるから、覚悟してくださいね。
「はい」
笑顔で応えて別れる。
さあ、それじゃあルイスに頑張ってもらいましょう!
私の幸せの為にもね!
そうして私はルイスの部屋に向かう。
ロイド様、覚悟しておいてくださいね?
アイ「あ、これロイドの奴死んだな」
リリ「あーこれはご愁傷様だね」
アラ「逃げれる気がしねえな」
アイ「無理だろー相手は皇女様だし」
リリ「ロイドじゃその辺のところ逃げられないわね」
アラ「まぁあいつら二人が幸せでいてくれたらなんでもいいな」
リリ「そうね、それに私達も発破かけた手前これは規定路線ね」
アイ「流石と言うべきかなんというべきか」
アラ「ま、幸せになるならなんでもいいな」
アイ&リリ「「違いない」」




