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1-3. 記憶
私の記憶に残っているものが二つだけあった。
一つは自分の名前。もう一つは誰かの後ろ姿。
それは不思議な光景だった。
とても熱い空気の中、とても恐ろしい『なにか』がいて、その人は私と『なにか』の間に立ちはだかっている。
『なにか』の前ではその人は無力なことを私は知っていて、それでもその後ろ姿を頼りに感じている。
あの人は誰だったのか?
あの恐ろしいものは何だったのか?
あれはどこだったのか?
何も分からないけれど、ひとつだけ分かることがある。
あれは確かに現実のことであり、確かに私はあの場所にいた。
私もあの人のように誰かを守りたい。誰かに頼られる存在でありたい。
その信念を胸に秘めて、私はハンターという職業を選んだのだ。




