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2-6. 二つの姿
森の奥深く、ついに二つの姿を見付けた。
一つは憎い姿。
鋭い牙と爪。
全身を覆う銀の毛。
愉悦に歪んだ、嘲るような双眸。
力と知恵を宿した、忌まわしき怪物。
一つは悲しい姿。
刃が欠けた小刀。
傷と血にまみれた全身。
ギラギラと輝く、獣のような双眸。
憤怒に取り憑かれた、全てを知ってしまった少女。
奥歯がぎりりと音を立てる。
そうか、俺はまた間に合わなかったのか。
静かに対峙する二つの影を、ただ見つめる。
気付けば口の中は鉄の味で満ちていた。
森の奥深く、ついに二つの姿を見付けた。
一つは憎い姿。
鋭い牙と爪。
全身を覆う銀の毛。
愉悦に歪んだ、嘲るような双眸。
力と知恵を宿した、忌まわしき怪物。
一つは悲しい姿。
刃が欠けた小刀。
傷と血にまみれた全身。
ギラギラと輝く、獣のような双眸。
憤怒に取り憑かれた、全てを知ってしまった少女。
奥歯がぎりりと音を立てる。
そうか、俺はまた間に合わなかったのか。
静かに対峙する二つの影を、ただ見つめる。
気付けば口の中は鉄の味で満ちていた。