29話 新たなスキル
そろそろいいだろう。
丁度いい時間になったので昼食にすることに。
俺は周囲を確認しながら、マイルームに戻った。
今日のメニューは―。
うん。
おにぎりと味噌汁、それに緑茶にしよう。
そんな気分だったのだ。
あの草原に向かう途中、陽気の中を歩いていて決めたことだ。
ピクニック気分だろうか―。
食べながら、午前中の狩りについて考えを巡らせる。
うーん。
一言でいえば、効率が悪い。
そう。
順調に思えた草原の狩りも、午前中の成果は大蜥蜴50匹だけだった。
いや。この世界に来た頃に比べると成長したが。
今の俺には納得できる数字ではない。
耳馬より弱い魔物だし、沸きはかなり良い方だ。
だが―。
他のギルドメンバーが狩りをしていて、それを避けて魔物を探していた。
別に自分の戦い方を見られてもいいのだが。
トラブルなんかもあるので、意識的に避けたのだ。
ふう。
まあ。午後からは奥に行くし、少しは減るだろうか―。
しかしSPの収穫はあった。
大蜥蜴50匹目で、10匹目に引き続き1ポイント獲得できた。
うん。
これで、大兎と同じだと確信した。
そして。
SPはこれで合計7に。
取得可能スキルを開いてみると―。
≪取得可能スキル≫
生活魔法(1) 簡易作業(1) 視力強化(2) 料理(2) 鍛冶(2) 精力増強(2)
地魔法(3) 光魔法(3) 消音(3) 消臭(3) 魔法の理(2)
先の先(7) 後の先(7) 集中(7) 精神強化(7) 経験値獲得1.5倍(7)
体力自然回復上昇(7) 魔力自然回復上昇(7)
7SP
「―よし。」
案の定、新スキルが追加されていた。
今回の開放は7ポイントか―。
急に増えたな。
しかし、そのポイントに見合った使えそうなスキルが並んでいる。
まずは―。
これでしょ!
とうとう出たよ。経験値上昇系スキル。
うん。
これを待ってたんだよ。
効果は1.5倍だが―、大きいよな。
単純に考えて、2日の狩りで3日分。
同じ様に2週間で3週間分、2ヶ月で3ヶ月分と―。
このスキルを持っているかどうかで、成長速度が大きく変わってしまう。
まだまだ俺の剣士Lvは10と低い。
今後を考えると、恩恵は計り知れないのではないか。
取得候補筆頭だろうな。
そして―。
体力・魔力自然回復上昇はその言葉の通りだろう。
どのくらい上昇するか分からない。
うーん。
取るとしたら魔力上昇の方だろうか。
ファイアーボールもシャープネスも1日に使える回数が増えるのは頼もしい。
今後、さらに魔法を習得するなら必須スキルだろう。
他には。
集中と精神強化はよく分からない。
言葉の意味は、なんとなくだが似てる気もする―。
「これは、ちょっと予測できないな・・・。」
そして最後に。
問題なのが――。
先の先と後の先。
これは聞いたことがあるが、詳しくは知らない。
確か―。
3つの先があるんだよな。
だが、このスキル一覧には2つしかない。
なんとなくだが、剣の技術もしくは攻撃力が上がりそうだということは分かる。
ふむ。
効果が分からないまま手を出すのは怖いか―。
7ポイントもかかるしな。
「どうするか。」
――。
結局、悩みぬいた末に―。
俺は経験値獲得1.5倍を取ることにした。
「やっぱ、これだよな!」
これで俺は狩れる。
更に狩り続けられる。
やったぜ。
SPは0になって寂しくなってしまったが―。
ロマンスキルを手にしたことで、俺の胸は熱い思いでいっぱいだった。
さてと。
「それじゃ、さっそく狩りますかね!」
食事を済ませた俺は、休憩もそこそこに草原へと戻るのだった。
☆ ☆ ☆
草原に戻った俺は寝そべっていた。
いや。食後の休憩とかではなく。
この草原、障害物がほとんどないので当たり前だが物陰もない。
するとマイルームの出入りが不便なのだ。
そこで苦肉の策として、体勢を低くして見つかりにくくするという方法を採用。
これで見つかったら仕方ない。
そうなったら知らぬ存ぜぬで通すつもりだが―。
俺は周囲を確認すると、何食わぬ様子で立ち上がった。
さて。
午後からは奥だったな―。
スキルの地図を頼りに、それらしい方向へずんずんと進んでいく。
ついでとばかりに、途中で見かけた大蜥蜴も狩っていく。
うん。今の俺にとっては雑魚でしかない。
というか、そもそも戦いにすらなっていない。
索敵で魔物の位置を補足した後は、隠密で近づいて斬るだけ。
倒せば光となって消え、勝手にストレージに素材が入っている。
ほとんど作業といってもいい。
しばらく進んでいくと、位置を示すウィンドウが変わった。
『エスタ北の草原 第二エリア』
ほう。
このウィンドウ、少し便利になっている。
アーレの村周辺の森では、第二エリアなんて教えてくれなかった。
何がきっかけなのかは分からないが・・・。
マイルームも突然Lvが上がったしな。
さて。
気持ちを切り替え、慎重に進んでいくと―。
うぅ・・・。
またギルドメンバーかよ。
索敵に2人と――魔物の反応がある。
「これは戦闘中なのか。」
よし。ちょっと近づいてみるか。
このエリアの魔物を確認したいし、パーティの戦いを見てみたい。
なんとなく興味が沸いた俺は、隠密をかけ、十分距離を取った場所へと近づいていく。
体勢を低くしながら、その戦闘が視界に入る距離まで近づくと。
するとそこには、女の子が2人。
魔物相手に苦戦しているではないか―。
――。
なんていう展開はなく。
ムキムキマッチョのゴリラ親父が前衛で斧を振りまわし―。
後衛には弓を構えた、細身の男の姿があった。
・・・。
実に、バランスの良さそうなパーティだ。
対する魔物は丸々とした四足歩行の何か。
あれは牛かな。
なんとなくだが。色と体形と―。
ウモーッ、なんて叫び声を上げている。
でも。やけにモコモコしてて。
よく見ると顔は牛のようだが、体が毛に覆われている。
牛と羊を合わせたような。
動きは鈍そうだ。
ゆっくりとした突進や角が生えた頭を振り回し牽制しつつ、相手に圧し掛かろうとしている。
ふむ。あの毛は防御力高いのかな。
それなら狙うとすると、足か。
まあ、翼鹿に比べれば大したことないだろう。
しばらく観戦し満足した俺は―。
こっそりその場を離れ、魔物を探すべく歩きだした。
【マイルーム②】
※あくまでイメージです。
3Dへのツッコミは、承っておりません。
○2D
○3D-1
○3D-2
【修正】2015/10/12
テレビは映らないので消去してます。ないものとお考え下さい。




