23話 村での調達と今後の方針
ギルドを後にした俺は村の雑貨屋にやってきた。
「親父ー!いつもの!」
なんて言う筈もなく。
声をかけ、購入を予定していた物を見繕っていく。
まずは―。
ボロボロになった帽子と靴か。
同じ皮製だけど、これしか売ってないから仕方ないよな。
盾は全く使ってないから新調する必要ない。
そして―。
念願の魔法を覚えたので、杖を買ってみることに。
魔法の威力が上がるかもしれないからだ。
剣で戦闘している中で、使いどころがあるか微妙だがな―。
装備については次の町に行ってから買う手もある。
だが、それだといざという時に不安が残るのだ。
武具に関しては常に最高の状態にしておこう。
サイズを合わせる為、鏡で確認すると―。
少しだが、体つきが逞しくなった気がする。
日中の活動はほとんど森の中だったしな・・・。
そして、紙に引き続き、この鏡。
これも高い技術が必要なんじゃないだろうか―。
確か、中世ヨーロッパぐらいから作られ始めたんだっけ。
曖昧な記憶を呼び起こしていく。
まあ。いいか―。
気にしたら負けだな。
なければ困るが、あって困ることはない。
それでいい。
あとは、消耗品の補充だな。
とりあえず体力回復の青ポーションを10個、魔力回復の緑ポーションを5個。
それに、毒と麻痺の丸薬2個ずつで――いいかな。
うん。かなりの金額になりそうだ。
締めて――3,500ゴル也。
結局買ったものは、いつものだったかもしれない。
まあ。まだ2回目の買い物だしね。
装備品が銀貨6、薬が銀貨29だな。
こうしてみると、やっぱり薬が高い―。
スキルで作ることはできないだろうか。
今のところ、そういった取得可能スキルは見当たらないが。
店を後にした俺は、
これで一通り村での予定を済ませた為、マイルームで一休みすることに。
前回と同じ物陰に向かう―。
マイルームに戻った俺は、さっきギルドで受け取った収入をメモに書く。
さらに初回の分の収入も。
何かに使えるかもしれないからな―。
とりあえず―。
一日当たりの収入は、19日で計算して――約720ゴルか。
ふむ。
俺は宿に泊まらないし、飯も専らこの部屋だ。
その分のお金がかかってない。
その分を装備やアイテムの購入に使える―。
地味だが、かなり助かっているのだ。
いわゆるゲームの――冒険の序盤には、有り難いスキルだな。
メモを壁に貼り付けると、俺は飯にすることにした。
☆ ☆ ☆
のんびりとした飯を済ませたところで―。
ギルドでのやりとりを思い返す。
まず、職業について。
獲得方法を模索していた職業が手に入ったのは僥倖だった。
それも一気に3つ。
とりあえず、今の俺のスキルや戦い方と合っている剣士のLvを上げていこう。
他の職業は、その後に余裕があればということに。
満遍なく上げて行きたいが、器用貧乏となるより、まずは特化だ。
成長方針はそれでいく。
おそらくだが―。
パーティを組んでいる一般的なギルドメンバーも同じ様な方針だろう。
他の職に浮気してたら、メイン職のLvは当然上がりにくくなる。
そうすれば、どんどん仲間に置いていかれてしまう。
その点から言うと、転職にしてもステータスの職業変更にしても。
好きに行動したいソロプレイじゃないと厳しいのかも。
俺にもいつか行動を共にする仲間ができるだろう。
できるなら全部の職業のLvをカンストさせたいところだが―。
悩ましいな。
さて。
次に魔物とのLv差について。
Lv差が3になると経験値が半減するんだったか―。
冒険者のドロップ率も半減だが、すでに転職したのでいいだろう。
聞けば、耳馬のLvが3だとか。
一方、俺のLvは剣士になって4に下がった。
うん。
経験値は下がってないな。
だけど、もう馬も森も飽きたんだよね―。
ボスも倒したし、もうこの界隈では、やることやった気がする。
正直、もう俺の心は村と森から離れてしまっている。
装備もより良い物が欲しいし。
そして他の魔物とも戦いたいのだ。
翼鹿という壁を乗り越えた俺は、新たな戦いを求めているのかもしれない。
この世界に来てからというもの、
随分と俺は好戦的な性格に変わってしまったようだ。
だが。1つ気になることが―。
まだ耳馬と翼鹿のSP打ち止めを迎えていないのだ。
貴重なSPは欲しい。
そして、これらの魔物がここにしか生息していなかったら―。
また戻ってこないといけない。
捨てるって手もあるんだけどね。
まあ。打ち止めの2ポイントは捨てがたいが―。
どうしたものか。
溜息をつくと、手に取ったチョコレートを1つ口に放り込む。
教えてもらった、この辺りの地理についても考えを巡らせる。
ギルドで聞いた話では近くの町まで歩いて5日だそうだ。
剣士になり、身体能力が上がった状態で――だ。
そしてさらに、東へ7日ほど歩くと、王都があるらしい。
ふむ。
この国は王国だったのか・・・。
よし。
王都には必ず行こう―。
だが、まずは町だ。そこで情報収集する。
そして狩場があるなら寄っていこう。
新しい魔物がいれば、俺のSPになってくれるからな。
ふつふつとすぐに向かいたい気持ちが沸いてくる。
が―。必至に抑えて。
転職して身体能力が上がったし、それに慣れてからの方がいいよな。
町への道には、たまに盗賊が出ることもあるらしい。
そうだな―。
一週間だ。
それだけはSPの件もあるし森に残り、狩りをする。
そしてそれ以上は、例え打ち止めがあってもなくても残らない―。
そう結論付けると、俺はベッドに横になるのだった。




