21話 転職
「そういえば、職業は冒険者のままですよね。」
18歳、職業は冒険者です。
――。
今更だが、なんだか恥ずかしくなってくる。
黙っていると、職員が困っていた。
「あ―。そう、冒険者だ。」
「ランク9となられたので、適性のある職業がご確認いただけます。こちらに手を置いてください。」
えっと。冒険者じゃだめなの。
そして飛び越えて、もう8級です。
とりあえず盗賊かどうか水晶で確認をして―。
その後、よくわからないまま手をおく。
なんだか見るからに貴重そうな箱型のオブジェクト。
アーティファクトって言葉が相応しいかも。
そんなものがあるかわからんが―。
しばらく待つと箱が光った。
すると俺の視界にウィンドウが開く。
『職業が変更可能です。』
>冒険者 Lv6
・剣士 Lv4
・僧侶 Lv4
・魔法使い Lv4
おおう。ザ・職業。
どうしよう。何もわからない。
思い切って聞いてみるか。
聞くのは一時の恥だ。
「冒険者の他に、剣士、僧侶、魔法使いと出た。これは、変更した方がいいのだろうか。」
「え――。すごい・・・3つも―。」
「そうですね。冒険者はなり手が多いですから、変更するのが普通です。」
なぜか冒険者については言いにくそうにしている。
ふむ。
聞いてみると2つ3つと敵性職が出るのは、かなり良い方なのだとか。
まあ。いいか。変更しよう。
「そうか。ならば剣士にしよう。」
剣士を選択すると、俺は剣士になった―。
いや。そうではなく。
体に力が漲る―。
これは――。
この感覚は、いつぞやの身体強化スキルを取った時以来かもしれない。
これは、すげえ。
「おめでとう御座います。剣士は筋力、敏捷、それに剣での攻撃力が上がると言われています。」
ほう。素晴らしい。
「これはいいな。薦めてくれて感謝する。」
ステータスを確認すると職業が剣士に変わっていた。
サトウ キヨシ <アーレの村>
男 18歳 健康
剣士Lv4
ふむ。
剣士、Lvが4なのか―。
旅人から冒険者への転職はLvがそのまま引継ぎだった。
一方、冒険者から剣士はLvが下がった。
どういうことだ。
考えられるのは―。
旅人は職業であって、職業ではなかったのかもしれない。
つまり、言ってみれば職に就く前の無職の状態ってことだ。
そして冒険者で、初めて職を得て―。
Lvが100%引き継がれたと。
現に、冒険者になったら旅人は消えてしまったしな。
さらにギルドの箱型オブジェクトで、隠れていた適性が発現。
剣士、僧侶、魔法使いを得た。
これらは今まで職業に選んでなかったので、Lvは4と。
うーん。
Lvが1じゃないのか―。
これは、もしかしたら職業として選択してなくても、今までの経験値が得られているのかもしれない。
流石に100%ではないが。
なんとなく、俺の体感では50%といった所か。
ステータス一覧の職業変更を試してみる。
≪職業変更≫
>剣士 Lv4
・冒険者 Lv6
・僧侶 Lv4
・魔法使い Lv4
うん。変更可能だな。
この機能もやっと活用できそうだ。
試しに冒険者に戻してみると、脱力感に襲われた。
―!
これは――つらいな。
ついさっきまでの自分に戻っただけだが、なんだこれは。
戻りたくない。
もう剣士の体でないと生きられなくなってしまった様だ。
冒険者は能力上昇が小さいのかもしれないな。
ドロップ倍はおいしいが。これは剣士の方がいい。
―冒険者はなり手が多いので。
――。
ああ。そういうことか。
“敵性”職。
それは言いにくい訳だ―。
―冒険者。つまりそれは敵性職がなかった者が就く職業。
そして、そんな者達が多くいるってことなのか――。
なんだか居たたまれない気持ちになりながら、
俺はギルドを後にするのだった―。
【魔物紹介②】
名前:耳馬
正式名:ワードン
魔物Lv:3
取得経験値:15
獲得ゴル:30
落とすアイテム:馬の皮 ?未入手
素材の値段:左から24ゴル、?ゴル
討伐依頼:10体 銀貨2枚、銅貨10枚




