19話 ギルドランクと収入
「これは―。もしやエリアボス、ゴワドンの素材ですか。他にもこんなに・・・。」
「討伐依頼の達成と合わせて頼む。」
俺はギルドカードを渡しながら、それを肯定する。
職員は何かを操作しながら、ギルドカードの確認が取れたようだ。
「本当に・・・。」
「え――。もしかして御1人で倒されたのですか。」
「そうだ。」
「いや。参った。最後のあれは死にそうになったよ。」
御1人では倒さないようだ。
これは、まずいな――。
「ゴワドンは普通、PTで倒すのですが。」
うん。そうだろうね。
実はそうかもしれないと思っていた。
だって強すぎだよな、あいつ―。
初見殺しだし。
「あ――。なるほど。そういうことですか。」
「申し訳ありません。ランク10から始めるのは規則ですからね。」
んん。黙っている俺に対し、なにやら口を開いた女性職員。
――。
あ―。
そっか。勘違いしてるのか。
おそらくだけど。
俺はある程度強くなってから、ギルドに新人登録したと思われてる。
そういうことも珍しくないのだろうか。
「いや。気にするな。」
そう答えると―。
俺は素材売却と依頼達成の合計金額を受け取った。
いやまあ。ギルドに登録した時、俺のLvは3でしたけどね。
そのとき確認できなかったのか。
あるいは細かいことは気にしない人なのか―。
でもまさか。
つい最近まで剣を持ったこともなかったなんて――言えないな。
そして俺のギルドランクは、一気に8級まで上がった。
かなり頑張ったしね。
☆ ☆ ☆
今回の売却では、兎の尻尾と翼鹿の角や羽は売らないことにした。
どれも他の素材より高額だった為だ。
何かに使えるかもしれないしな。
ちなみに、兎の尻尾は予想通りレアドロップだった。
あれだけ狩って1個だと、確率は1/500。
かなり低いのな。
そして受け取ったのは、とにかく大量の銀貨だ。
ストレージで確認すると――99枚か。
なぜあと1枚がなかった。
100枚なら、おそらく金貨だよな―。
ストレージで出し入れしてみると、確かに金貨1枚が出てきた。
まあ。
金欠は脱してよかった。
さらにこれは20%減の金額である。
俺は今回から8級なので口座を作り、20%預金することになった。
預金額は――2,488ゴルか。
よって、受け取った額と預金額を合わせると――。
合計12,440ゴルの、金貨1、銀貨24、銅貨40。
内訳は―。
素材売却7,010ゴル
依頼達成5,430ゴル
こんな感じだ。
【19話終了時ストレージの中身全て】
・兎の尻尾 ×1
・鹿の羽 ×4
・鹿の角 ×8
・丸薬(毒) ×1
・丸薬(麻痺) ×1
16,402ゴル
(別途、ギルド預金額:2,488ゴル)
※装備中の武具、細かい日用品は省略。