18話 村への帰還と成果
戦いを終えると、俺は一度村へ戻ることにした。
勇んで再戦を挑んでしまったが、既に体力回復ポーションは切れており、
買ったばかりの靴や帽子はボロボロだった。
アイテムの購入と装備の買い替え、それに一度ギルドへ顔を出す―。
それが今回の目的だ。
ちなみに、最初から持っていた剣と鎧は、まったく損傷がない。
傷ついたりしてるのだが、気がつくと元に戻っていた。
自動修復でもしているかのようだ―。
ストレージに表示される名前の後には、(稀少)とある。
これのせいかもな。
そんな訳で、剣と鎧はまだまだ現役だ。
村に着くと門番は例の女だった。
こうして見ると、村にいた他の娘とは違う雰囲気がある。
村娘――、町娘―。いや。もっとこう―。
洗練されているような。
何気ない動作が綺麗すぎるんだよな。
女は俺の顔を見ると―。
「随分久しぶりだな。もう村を去ったのかと思ったぞ。」
覚えていたらしい。
「いや。もう少し世話になるつもりだ。」
ギルドカードを渡しながら、俺は答える。
どうもこの村にやってくる人は少ないようだ。
村は人が少ないし、あの森は人を見かけないし―。
よそ者が珍しいのかもな。
しかし。俺は村の宿屋を利用してない――。
村人達には、どう思われてるのだろうか。
ふむ。
あまり不信に思われない内に、立ち去るべきかね。
そういえば、折角だから日付の謎を聞いてみようか。
「ところで今日が何日か教えてくれないか。」
水晶に手をかざしながら質問する。
突然切り出した内容に、女は怪訝そうな顔をする。
「いや。狩りをしていたら、頭を強くぶつけてな―。」
「少しだが、記憶に齟齬が生じているようだ。」
女は大丈夫か、なんて苦笑しつつ。
「今日は三の月、19日だ。」
彼女に御礼を言うと、俺はギルドに向かって歩いていくのだった―。
☆ ☆ ☆
ギルドに向かいながら、さっきのやり取りを思い出す。
そして今日までのことを指折り数えながら考えていく。
俺がこの世界にやってきたのが、三の月の1日。
これは前回来たときにギルドで確認した。
村に来て中に入ったのが4日。翼鹿と初めて戦ったのが9日―。
そして、その日の昼間に目が覚めて。
その3日後、つまり今日。
翼鹿を倒して今に至る――と。
ちなみに、この世界は1ヶ月30日。1年で360日になる。
よし。今日が12日で間違えない。
俺の記憶では。
それが19日。やっぱり、丁度一週間ズレてるか―。
総合ギルドに到着すると。
俺は売却する素材を吟味していた。
うん。
ストレージを開くと凄いことになっていたのだ―。
≪ストレージ≫
・兎の肉 ×615
・兎の皮 ×615
・兎の尻尾 ×1
・馬の皮 ×235
・鹿の皮 ×4
・鹿の羽 ×4
・鹿の角 ×8
6,450ゴル
素材もゴルもかなり貯まっている。
そして、見たことない素材があるな。
鹿の素材はボスのドロップだ。
兎の尻尾はなんだろう。
大兎のものだろうが、もしかして―。
レアドロップというやつだろうか。
あれ――、まてよ。
職業冒険者の効果でドロップが増えた割りに、少なくないか。
兎の肉と皮は、前回売った残りが140個。
それからドロップが増えたから――合計740個じゃないとおかしい。
耳馬の素材も同じ話だ。
これは考えてもわからない。保留だな。
さて。
前回は色々と警戒していた為、売ったのは――大兎の討伐依頼2セット分だった。
今回も一部隠すかどうか―。
あ。
だめじゃん―。
今回はギルドカードを持って、魔物を狩っていた。
素材売却にも、討伐依頼達成にもギルドカードを渡す必要がある。
そうすれば俺が兎と馬を乱獲し、ボスも狩っていることが知られてしまう。
まあ。最悪、今回は諦めて。他の町で売却することもできるが・・・。
悩ましいな―。
うーん。
だがいずれ、ばれることだ。
もうそろそろこの村から離れるし、いいかな。
いや。よくはないけど――仕方ないよね。
うん。
仕方ない。
俺はそう決断すると、受付に声をかけた――。
【主人公18話終了時のステータス+α】
サトウ キヨシ <アーレの村>
男 18歳 健康
職業:冒険者Lv6
特殊空間:マイルームLv1
ギルドランク:10級
スキル:身体強化 剣術 地図 隠密 火魔法 直感
特殊空間魔法 特殊ストレージ
スキルポイント(SP):0
装備:鉄製の剣(稀少)
皮製の鎧(稀少)
皮製の帽子
皮製の靴
討伐した魔物と数:大兎500匹 耳馬130匹 翼鹿2匹




