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魔の森を探索してみて

 依頼を受けたポーラさんと一緒に、僕とアリスも魔の森をに向かっている。

 ジャンさんから話をきいたところ、今回の依頼を出す原因となったのはこの前のあの魔獣だった。魔の森では小型の魔獣が出る事は度々あるみたいだけど、今回のように巨大な物が出没した例は殆ど無かったらしい。

「いやぁ、冒険者になって初めてのクエストですね」

「何でそんなに楽しそうなんですか……」

 ポーラさんは楽しそうにしているが何があるかわからない魔の森に行くのにどうしてそんなテンションになれるんだろう?

「こう言うのもなんですけど、誰かから命令されるのではなく自分から動いて仕事をするというのが久しぶりすぎて、ちょっと楽しみなんですよ。お二人も一緒にいてくれますしね」

「私は道案内しか出来ませんよ?」

 僕だってできることなんか何も無いよ。せいぜいパチンコでスナイパーもどきをするぐらいだ。

「こんなに私を嫌な目で見ない人達に囲まれるなんて本当に久しぶりなんですよ」

「「ポーラさん……」」

 ちょっと遠い目をしている彼女を見て、僕もアリスももっと優しく接してあげようと思うのだった。

「そういえばポーラさん、その腰の剣は」

 確か彼女は攻撃に関してはてんでダメだって聞いてたんだけど。

「これですか?どうです、似合ってます?」

「え?まぁ、はい……」

 似合うかどうかって重要かな?

「良かった~。やっぱり使えないとは言え、持たないよりはマシじゃないですか」

 あぁ、つまり初対面の相手に嘗められないようにするためなのか。

「コータローさん、これそうですよね?」

 魔の森に入ってアリスが見つけた物は大きな傷のついた樹だ。以前カイル達を襲ってた魔獣がつけたであろう傷だ。周辺を探ってみると同じように傷がつけられた樹を見つけることができた。

「とりあえずこの跡を辿っていって、暴れだしたところの周辺を探してみよう」

 暴れた跡はカイル達を追いかけたものだから、暴れだした所、つまり魔獣の出現場所の周辺から探すのが一番な気がする。

「何か見つかるといいんですけどね」

「それは行ってみないとわからないですね」

 正直物的証拠ならいいんだけど、あんな魔獣と鉢合わせはしたくないなぁ。


「どうやらこの辺りみたいですね」

 魔獣の暴れた跡を辿っていくと、その跡が途切れた場所にたどり着いた。多分ここで鉢合わせしたのだろう。

「じゃあ別れて捜索しますか」

「いや僕たちは戦えないんで、何かあったらポーラさんが頼りなんですから。効率は悪いですけどあまり離れないで探索していきましょう」

 魔獣だけじゃなくただの凶暴な獣でさえ僕やアリスには相手できないんだ。ポーラさんに守ってもらわねば。


 それでも運が良いのか悪いのか、2時間も探索していると異変に出会うことが出来た。というかまたもや向こうから突っ込んできたとも言えるのだが。

「……何か向こうから来ますね」

「めっちゃ暴れてるみたいですけどね」

 段々と轟音がこちらに近づいてきており、しかもこの辺りの樹はそれなりに太い筈なのに倒木の音も含まれている。つまりそれだけ激しく暴れているということだ。

「あの猪より暴れてるのかよ。アリスは僕の後ろに。ポーラさん、いざとなったらお願いします」

「任せて下さい!」

 僕たちの前に立つポーラさんは頼もしいんだけど、その剣を抜いて構えたところで使えないんですよね?何で抜いたんですか?

「……来ます!」

 木々の奥から現れたのは2体の獣、但し大きさは猪の魔獣よりも同等かそれよりも大きい。但し2体の獣が激しきく暴れていた理由はこの2体が戦っていたからだ。それにしても。

「あれ何っ!?」

「知らないですよ、あんなの見たことないですし!とにかく私の後ろにいてくださいね!」

 片方は巨大な猿、見た目的にはゴリラに近いのかな?それが時には地を駆け時には枝から枝へ飛び移り、高速で移動している。

 もう片方は巨大な犬、狼か?でも俺の知ってる犬も狼も()()()()()()()()()()んだけどなぁ。

「やべ、こっち見た!」

 でかいゴリラがこちらを見ると同時に大きく息を吸い込む。

「≪シールド≫!!」

 ポーラさんが防御魔法を展開し目の前に魔法陣が現れたとほぼ同時に、ゴリラの口から発射された炎の塊がその魔法陣にゴオッという轟音と共に激突していた。

「嘘だろ!ゴリラって炎吐くのかよ!?」

「そんなわけないですよ!それに魔獣だとしてもそんな話聞いた事ありません!」

 再び防御魔法を展開しつつポーラさんは言うが、実際に炎を吐くゴリラが目の前にいるのだから仕方ない。

「これ、狼の方も気をつけなきゃまずいんじゃ……」

「そうだ!そっちは……っ!?」

 ゴリラと炎に完全に気を取られ一瞬ではあるが狼から意識が外れてしまった。気付いた時には狼がこちらに飛び掛かってきていた。

「大丈夫です!」

 流石元王国騎士団員、彼女だけは油断せずに狼への警戒も怠らないでいたらしい。防御魔法が展開されそれに狼が弾かれるかと思ったら予想外の出来事が起きた。

「え?」

 僕だけじゃなく2人も驚いただろう。だってその狼は僕たちを襲うでもなくむしろゴリラとの間に割って入り、あろうことかゴリラに向かって威嚇しだしているのだ。


「ふざけるな!この人たちは関係無いだろ!」


 なんだって?今のは誰が言った?アリスでもポーラさんでも、当然僕でもない。いや、わかるんだけど脳ミソがその事実を拒否しているというか。

「ぼくが目的ならぼくだけを狙えばいいじゃないか!」

 うん、間違いない。

「狼が、喋った?」

 翼の生えたこの狼は、まさかの人語を話すのだった。 


読んでいただきありがとうございます

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