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異世界に投げ出されて

「……ここ、どこ?」

 身体の痛みで目が覚めたら、そこは見知らぬ森の中だった。確かに昨日は自分の家で寝たはずなのに、辺り一面樹木だらけ。

「しかも、何なんだよこの!?」

 僕がいつも寝てるときに着ているスウェットはどこにもなく、代わりに今は中世の平民が来ているような……言っちゃ何だが少しぼろい服を着させられている。

 これが夢だって言うならまだいいが、自分の頬をつねったら痛みを感じるし、夢にしてはリアリティが凄すぎる。

 これはもしや、いやいや、そんなまさかでも……今は周りに誰もいないよね?試すなら今のうちかな?

「す、ステータスオープン」


 ピロン!


 うわっ本当に開いた!




アマクサ コウタロウ 人間 男 18歳 平民

転移者

レベル:1

HP:52/52

MP:87/87

攻撃力:E-  守備力:F  器用:E+  敏捷:F  知力:E  精神力:F+

スキル

聖域【植物】:Lv1




 天草光太郎。うん、名前や年齢とかは特に変わってないな。能力的には魔法使い寄りなのかな?

「それより、何なんだろう?このスキルは」

 目の前に開いたステータスボード(?)のスキルを触れてみるとその下に説明書き追加された。


聖域【植物】:Lv1

 場所を指定し、そこで育てた植物の成長を促進させる


「は?」

 何だこれ。異世界に転生とか最近じゃよく聞いてたけど、こんなの外れも外れ。大外れじゃないか。他にもっとこう、チートで素敵なスキルもあった筈だろ!

「ちょっと、誰かいないんです!?」

 絶対に僕を此処に連れて来た奴が居るはずなんだ。そうじゃないと色々と説明がつかない。

 けれど、大声で叫んでも頭の中で呼びかけてもそこに誰かが返事を返してくれることは無かった。

「こんなんで僕にどうしろって言うんだ?」

 勝手に異世界に飛ばされて、微妙なスキルだけ持たされて、知識ゼロの一人ぼっちで放置とか。

 異世界に着て早々、僕の人生は詰んだかもしれない……。

 とは言えここに留まっていても何もできないし、とりあえずこの森を出よう。少なくともどこかの街に行かなくちゃ始まらないし。


 どのくらい歩いたかな。歩きなれない足元である森からやっと抜け出る事が出来た。それと同時にそこには一軒の家があった。空を見るともう夕方みたいだしだし、ここに誰かいるといいなぁ。

「ごめんください」

 ドアをノックして声をかけると中で足音が聞こえてくる。そして少ししてから開けられたドアからは僕よりも少し小さな子が出てきた。

「こんな時間にどうしましたか……ってあれ?見慣れない人ですね。どちら様でしょうか?」

 声から辛うじて女の子とわかるけど、フードを深く被っているせいでその表情はあまりよくわからない。

「すいません、実は道を聞きたいんですがこの近くにある街ってどう行けばいいですかね?」

「街までならすぐそこの道をずっと行けばつきますけど、今から歩いて行くとなると夜中になっちゃいますよ?」

「え、そんなにかかるの?」

 あぁ、でももう夕方だし当然っちゃあ当然か。

「はい、馬車などがあれば話は別ですが。旅の方ですか?」

「あぁ、まぁそんなところですかね」

 流石に異世界人ってのは言っちゃまずいよなと考えていると、ぐうぅぅぅとお腹の虫の音が響き渡ってしまった。でも仕方ないじゃん、こっちに来てから何も食べてないんだからさ!

「ふふっ、今日だけであれば泊って行かれますか?丁度夕飯の準備もしていたところなので」

「……お世話になります」

 凄く恥ずかしい思いをしたけど疲労と空腹を考えると断ることは無理だね。今日だけはお世話になろう。

「僕は天草光太郎といいます」

「アリスです」


 そう言えばこの日のアリスはずっとフードを被ったままだったなぁ。後から考えれば当然だったんだけどね。

 これがこれから長い付き合いになる僕とアリスの最初の出会いだった。

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