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異世界で収納魔法しか使えないけど頑張る‼︎  作者: トキ
第六章 帝国

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第九十二話 アンブローズ

三章の人物紹介を載せました。

 


  「街の人の被害はどんな感じだ?」



  俺は辺りを見回しながらそう言った。



  「死人は出てないわ、怪我人は結構出てるみたいだけど、みんな軽傷みたいよ」


  「それなら私が治しちゃいますね、エリア・ヒール」


 

  レーナが魔法を発動すると、大通りを薄い白い光が包み込んだ。すると、住民達の怪我が凄い勢いで治り始めた。


 

  「すげー‼︎怪我が治ってるぞ‼︎」


  「こんな魔法初めてみた‼︎」


  「ありがとうございます‼︎」



  住民達は、レーナの魔法に驚き、近くにいた者はレーナにお礼を言っている。すると、屋根から降りてきたディーモが近づいて来て声をかけてきた。



  「レンさん、ありがとうございます。おかげで死人が出ないですみました」


  「それはいいんだが、これはどういう事だ?」



  俺の問いにディーモは笑顔で話し始めた。



  「昨日レンさんがアンブローズを倒すって宣言しましたよね?その後、街にその話しが広まったんですけど、助けて貰うだけでいいのかって話しが出て、自分達も手伝おうという事になり、こうして人が集まったんです」


  「成る程な、そういう事か」



  俺はディーモにそう返事をした。



  「お疲れ様です、レンさん」


  「ん?」



  俺は声のした方を振り返ると、そこには商業ギルドのギルドマスターが立っていた。ギルドマスターは眼鏡をかけた男性で、仕事が出来る男と言った風貌だ。


 

  「どうして、ここにいるんだ?」


  「いえ、私達もお手伝いをしようと思いまして、彼らが使っていた剣は我々が仕入れた物で、元々は兵士に渡す物だったんですよ。ですが今ある数では、全員分を用意する事は出来ませんでしたがね」

 

 

  成る程な、平民が武器を所持する事が、許されていない帝国で、なんで剣を持っている人がいるのかと思ったがそういう事か。



  「そういう事か、俺達はこのままアンブローズの屋敷に向かうが、そっちはどうする?」


  「私達も行きます」


  「私も行きます」



  俺の問いにディーモとギルドマスターがそう答えた。すると周りで話しを聞いていた他の住民達も、武器を手に持ち頷いている。


 

  「私達の準備も大丈夫だよ」



  リオンがそう言い、リアナ達も頷いている。



  「よし、それじゃあ、屋敷まで案内を頼めるか?」


  「はい、任せて下さい」



  俺達は、大勢の住民と共にアンブローズの屋敷に向かった。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



  <アンブローズ視点>


  ドンッ‼︎


  「ぶふっ、お、遅いぞ‼︎あいつらはまだ、こ、来ないのか、早く私の前で処刑しろ‼︎」



  私は机を叩きながら、目の前で頭を下げる兵士を怒鳴りつけた。



  「申し訳ありません、少し遅れているようですが、じきにやってくるでしょう」



  兵士は頭を下げた状態でそう言った。そうだ、これが私に対する正しい対応なのだ、なのにあいつらは平民の癖に、私に逆らうだけでなく、怪我をさせるなど、絶対に殺してやる‼︎



  「ぶふっ、し、しかし、あいつらの、300人の兵士がいる事を知った直後の、怯える姿を見れないのは、残念だ、ひひっ」



  私の怒りはあいつらの、怯える姿を考えると少し収まった。ああ、早くこの目で見たい。

 すると、外が少し騒がしくなってきた。



  「ぶふっ、き、来たか?お前、そこの窓から、早く確認しろ」


  「はい……………なっ‼︎」



  兵士は、私が今座っている場所の正面、つまり兵士の後ろにあった窓まで行くと外を確認した。すると兵士が突然、驚いたような声を上げた。



  「ぶふっ、どうした‼︎何があった‼︎」


  「アンブローズ様‼︎外をご覧下さい‼︎」



  私は席を立ち、窓のところまで行き外を確認した。



  「ぶふっ、な、なんだこれは‼︎」



  そこには、私の屋敷を囲むように大勢の街の住民が詰めかけて来ていた。しかも手には武器を持っているようだ。集団をよく見ると、2人増えているが、先頭に昨日私に怪我を負わせた奴らがいた。



  「ぶふっ、な、なんで奴らが自由な状態でここにいるのだ‼︎兵士達はどうした‼︎」


  「わ、私にもわかりません」



  兵士は首を横に振りながら、慌てて答えてきた。



  「ぶふっ、す、すぐに待機させていた、兵士を門の所に向かわせろ‼︎」



  私は兵士にそう指示を出した。

 

 


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