第八十話 特訓の成果
俺はダガーを構えた。
「レン、収納魔法は使わないの?」
俺がダガーを構えたのを見て、隣にいたリアナが不思議そうに聞いてきた。
「ああ、特訓した成果を試してみたくてな、収納魔法はヤバそうだったら使うから大丈夫だ」
「そう、それじゃあ、私達は少し離れるわね、レーナ」
「はい、リアナさん」
そう言うと、リアナとレーナが手を前にかざした。
「フロスト・ランス」
「ライト・ディゾルブ」
すると、リアナの魔法で氷の槍が1人の男に刺さった、別の男もレーナの魔法で首を落とされて頭がずり落ちた。
「それじゃあレン、そっちは任せたわよ」
「レンさん、お気をつけて」
2人はそう言うと、森の中に駆け込んだ。
「待てやこら‼︎おい逃すな‼︎追うぞ‼︎」
森に入ってリアナとレーナの後を、エイブと一緒に出てきた、 70人ぐらいの武装した男達がその後を追った。
「おい、いいのか?お仲間の2人、あいつらに殺されるぞ?」
エイブがニタニタと笑いながらそんな事を言ってきた。
「あんな奴らに、2人は負けねえよ、それじゃあ、こっちも始めるか‼︎」
俺はいい終わると同時に地面を蹴って、エイブに斬りかかった。
キンッ
「とおっ、いきなりか、よっと‼︎」
エイブは腰にさしてあった、2本の剣を抜いて、片方の剣で俺のダガーを受け止めると、そのまま、斬りかかってきた。俺もメイカーで買った、2本目のダガーを抜いて、それを受け止めた。
その後、数回の斬り合いをして、俺は一度距離をとった。俺もエイブも、ダメージは受けていない。
「思ったよりやるな、だがこれはどうだ?身体能力強化」
そう言うとエイブは、俺との間合いを詰めると、さっきまでよりも、かなり早い剣速で、斬りかかってきた。
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<リアナ視点>
レンから離れる為に、森を少し進むと、木が無い少し開けた場所を見つけたので、私とレーナはそこで止まった。
「やっと、止まりやがったか、囲んで逃げられないようするぞ‼︎」
すると、私達を追いかけてきていた、男達も追いついた様で、私とレーナを中心に丸く囲む様に広がった。70人ぐらいの人数で囲っているので、結構広い円ができている。
「これで、もう逃げられねえぜ」
「ちゃっちゃと、捕まえて楽しませて貰うか」
男達は下卑た笑いを浮かべながら、私達を見ている。ひどく不愉快な視線ね。
「レーナそっち、半分は任せても大丈夫?」
「はい、大丈夫です」
私とレーナは、背中合わせになり、男達を見た。
「なんだ?この人数相手にやるのか?ウィザードって言っても、貴族の娘のお嬢様じゃ、この人数差はどうにもならねえだろ?魔力切れでおしまいだ」
なるほど、私の事を貴族の娘で、楽な魔法も使えないと思って、舐めてるのね、前までの私でも、こいつらぐらいは倒せたでしょうけど、魔力切れは起こしていたと思う、だけどサーラの特訓を受けた、今の私ならなんの問題も無い。
「そうなるといいわね、フロスト・アロー」
すると、私の周りに100を超える、氷の矢が出現さした。
「なっ‼︎なんだよその矢の数は‼︎そんなの見た事ねえぞ‼︎」
「ふざけんじゃね‼︎貴族の娘じゃ無かったのか‼︎」
私のだした、大量の氷の矢を見て、男共が驚愕して、悪態を飛ばしているが私には関係無い。
「くらいなさい」
氷の矢は、私達を囲んでいた、円の半分の男達を貫いて殺した。
「なっ‼︎」
「ひぃっ‼︎」
それを見ていた、残りの男達が、驚愕の表情を浮かべた、中には小さい悲鳴をあげている者もいる。
「そんなに、じっとしていて、いいんですか?ライト・ディゾルブ」
私の後ろでレーナがそう言って、魔法を発動した。
「あ…が……」
すると、残っていた半分の男達の全員の首が、溶けて頭がずり落ちた。30人以上の生首が転がっているのを見ると、流石に気持ち悪いわね。それにしても、本当にレーナの魔法は強力ね。
「お疲れ様レーナ、よく、一度に倒せたわね」
「リアナさんが、注目されていたおかげで、魔法の発動の位置調整をゆっくりする事が出来たので、それにあの人達があまり動かないでいてくれたので、楽に魔法を使う事が出来ました」
レーナに労いので言葉をかけると、笑顔でそう言ってきた。
「レーナの魔法は、相手に動かれると、発動が難しいからね」
「はい、相手に動かれると、この人数を一度に倒すのは、難しいです」
私達は、レンの元に移動を開始した。
「魔力は大丈夫?」
「はい、まだまだ大丈夫です、リアナさんも大丈夫ですか?」
レーナは、歩きながら、横から私の顔を覗き込んできた。
「私も大丈夫よ、レンの方はどうなってるかしらね、幹部は出来れば生け捕りって言ってたし、他にも数人は生け捕りにっ…て……」
「あ………」
私とレーナは後ろを振り返った。そこには、氷の矢が突き刺さった死体と、首がとれた死体が転がっていた。生きている者は1人もいない。
「ま、まあ、幹部が生きてれば情報は、充分集まると思うわよ」
「そ、そうですよね、大丈夫ですよね」
私とレーナは、レンの元に向かって歩き始めた。




