第六十六話 報告
大樹から飛びたった俺達は、そのままフレアの背に乗ってエルフの里の結界の手前まで戻って来た為、夜のうちに戻ってくる事が出来た。
「野営する必要があると思ったけど、フレアちゃんのおかげで今日中に戻ってこれたね、ありがとうフレアちゃん」
「気にするな、というより、人目がないなら行く時も乗っていけばよかったな、すっかり忘れていた」
サーラの礼にフレアは何でも無いように答えている。
「でも普通にフレアに乗って移動出来るって事を忘れてたよな、メイカーまでも乗って行けばすぐじゃ無いか?」
「そうだね、フレアちゃんお願いできる?」
人間の姿になったフレアが答えた。
「他の人間に見られるがいいのか?」
「あー、その問題があるのか」
「それなら、私が一時的にだけど姿を消せる魔法が使えるから降りる時だけなら隠せるよ」
サーラの話しを聞いてフレアが答えた。
「それなら、問題ないな、雲の遥か上を飛べば下からは気づかれないだろうから、そこからサーラの魔法を使ってから、地上まで一気に降りれば大丈夫だろう」
そんな話しをしながら歩いていると、エルフの里に辿り着いた。
「それじゃあ、今日は遅いから、報告は明日の朝にしよう」
俺達はサーラの家に戻って、夜を明かした。
次の日、俺達は朝から、レティスの元を訪れていた。
「世界に災厄が降りかかるねえ」
「アイリス様は確かにそう言ってたよ」
サーラの報告を聞いたレティスはそう言った。
「分かった、ご苦労だったな、お前達はすぐにメイカーに行くのか?」
「うん、すぐに行くよ」
事前に報告を済ませたらすぐに出発すると決めてあったので、サーラはすぐに答えた。
「そうか、まあ大丈夫だと思うが気を付けて行ってこいよ」
「りょーかい」
俺達は外に出て、そのまま里の結界の外に向かった。
「そういえば、こんな便利な結界があるなら他の国も使えばいいんじゃないか?」
俺は結界の外に向かいながらサーラに聞いた。
「それは無理なんだよね、結界をはってる魔道具は、エルフの里に昔からあるもので、今の技術じゃ再現出来ない事が沢山あって、転換期よりも前の魔道具じゃないかって言われてるの、だから今からメイカーに行く用事も、結界の魔道具じゃなくて、結界の魔道具の状態を確認する魔道具を買いに行くのよ、まあそれ専用だからオーダーメイドなんだけどね」
転換期、確か沢山の人や魔法の技術が失われた時代だったか。
「なるほどな、それじゃあさっさとメイカーに行くか」
俺達は外に向かって進み、結界の外に出た。
「それじゃあ、飛ぶぞ」
結界の外に出た俺達は、人化を解いたフレアの背に乗って飛び上がった。
「まだまだ上がるぞ‼︎」
フレアはどんどん上昇していき、雲の上までいき、そこからさらに上昇してから、前に飛び始めた。
「この高さまで来れば、下からは見えないだろう」
「それはいいんだが、流石に寒いな」
雲よりも上なので、気温が大分下がっている。
「私に任せて、ヒート・ルーム」
サーラが魔法を唱えると、周りの気温が上がり過ごしやすい気温になった。
「これで大丈夫だね、効果が切れたら私がまた魔法を使うから問題ないよ」
「すまんな、いつも気温なんて気にした事が無かったから、気づかなかった」
フレアが飛びながらそう言ってきた。
「フレアさん、メイカーにはどれぐらいでつきますか?」
「今からなら、とばせば今日の夜までにはつけるぞ」
それを聞いて、サーラとリオンが驚いている。
「そんなに早くつくのね」
「まさか、ここまでとは思わなかったよ」
すると、フレアが魔法を唱えた。
「それじゃあ、速度を上げるぞ、プロテクト・カバー、アクセラレーション」
フレアが2つの魔法を唱えると、フレアと俺達を膜の様な物が包み、速度がいきなり上がった。俺達は魔法国メイカーを目指して出発した。
次回から第五章に入ります。




