第六十三話 レティスの頼み
俺達が特訓を開始してから今日で、1ヶ月半が経過した。特訓の成果でリアナとレーナは、魔力の無駄をほぼ完璧に無くすことが出来る様になり、魔力制御もかなり精度が上がっている、サーラ曰く凄い成長速度らしい。それと2人は身体能力強化も使える様になった。
俺の方は、収納魔法のゲートをかなりの数同時に出せる様になり、近接戦闘もかなり上達した、あの2人に1ヶ月半教えこまれたんだそこらの奴等になら、収納魔法無しで充分戦えるだろう。
サーラからの特訓をする代わりの、魔物の素材や薬草集めは、特訓の一環として行われた。ダガー1本だけを持たされて、収納魔法を禁止されて、魔物の素材をとりに行かされた時は本当に死ぬかと思った。
1ヶ月半の間に色々あったが俺達は今、レティスに呼び出しをくらった為、シークレットのメンバーとサーラでレティスの家を目指していた。
「レティスさんの用事って、一体何なんでしょうね?」
「さあ?私も何にも聞いてないから分かんない」
レーナが疑問を口にするが、サーラも分からないらしい。
「とりあえず、行けば分かるだろう」
俺達はレティスの部屋に向かった。
コンッコンッ
「レティスちゃ〜ん、呼ばれたから来たよ〜」
部屋の前まで来たサーラは、ノックして呼びかける。普通玄関でやるべきだが、サーラは気にせずここまで来たので、一緒について来てしまった。
「おう、はいれ」
中に入るとレティスが、パイプを吸いながら待っていた。
「今日は何のようで呼んだんだ?」
「ああ、まあサーラに頼みたい事があったんだが、レン達も一緒に行くかと思ってな、一応呼んだんだ」
「私に頼み?」
サーラは首を傾げて、不思議そうにしている。
「結界の魔道具の状態を確認する魔道具が壊れちまってな、ちょっと魔法国メイカーまで行って買ってこい」
「え〜、遠いな〜」
サーラは不満そうに文句を言っている。
「なあ、メイカーってどこだ?」
「ん〜どう言ったらいいかな、この大陸の国は商業国家メルラルを中心に、その周りを囲むように国があるの、メルラルから見て西に帝国、南西に王国、南に獣王国があって、東にメイカーがあるんだよ、だからここからだとかなり距離があるんだよね」
そうだったのか、そういえばあんまり国の場所とか把握してなかったな。
「それともう1つ、緑の大樹に行って風龍に会って、森で、っていうか世界で起きてる魔物の異常増殖の事で何か分からないか聞いてこい」
「風龍?緑の大樹に行ったからって会えるものなの?ていうか緑の大樹に近づいちゃ駄目なんだと思ってた」
サーラの質問にレティスが答えた。
「別に近づいちゃ駄目な事はねえよ、ただ龍は怖えもんだって、思ってる奴が多くてほとんどの奴が避けてたから、そう思ってるのかも知れねえが、風龍は礼節を持って接すれば襲ってくるなんて事はねえよ、質問をするぐらいなら快く答えてくれるだろうよ」
「へえ〜、じゃあ私は緑の大樹に行って、風龍に会った後に魔法国メイカーまで行けばいいってことだね」
サーラが確認で聞くとレティスは頷いて答えた。
「そうだ、戻るのが面倒なら、緑の大樹からそのままメイカーに行って来ていいぞ、まあ道順的にまた里を通るんだが」
「緑の大樹って言うのはどこにあるんだ」
俺の質問には、レオンが答えてくれた。
「ここから東に森の中を進むとその先にあるんだ」
「そこに、風龍がいるのか」
すると、サーラが俺達に話しかけて来た。
「それで、レン君達はどうする?もう特訓は大体完了だし、私と一緒に来る?魔法国なら魔道具の生産が盛んだから、ていうかそこでほとんどの魔道具作ってるんだけど、いい武器とかが手に入るかもよ?」
それは他のシークレットのメンバーをみた。
「私はいいと思うわよ、もしかしたら良い魔道具があるかも知れないし」
「私も大丈夫です」
「我もいいぞ」
「私もいいよ」
みんなの答えを聞いた俺は、サーラの方を向いた。
「ていう事で、俺達も一緒に行くぞ」
「やった‼︎1人での旅は退屈だからね」
すると、サーラはレティスの方を向いた。
「それじゃあ、私達全員で行ってくるよ、じゃあ準備が出来次第出発するね、またねレティスちゃん」
俺達はサーラの後に続いて部屋を出た。
外に出た俺達は、一旦家に帰る事にして、家に向かっていた。
「なあ、気になってたんだが、この世界に龍は何体いて、そいつらは何処に住んでるんだ?」
さっき聞こうと思ったが、俺が異世界人だと知らないレティスが居た為聞けなかったのだ、この世界では常識だろうからな。
「あれ?知らなかったの?」
「ああ、聞きそびれててな」
俺の質問にサーラが答えると、そのまま説明を始めた。
「全部で5体の龍がいるよ、まずフレアちゃん、赤の森に住む火龍で他の龍は、緑の大樹に住む風龍、青の泉に住む水龍、黒の洞窟に住む闇龍、白の神殿に住む光龍がいるんだよ」
「土属性はいないのか?」
サーラは答えた。
「別に全部の属性の龍がいるわけじゃないからね」
「そうなのか」
すると、サーラがこの後の日程を説明した。
「今日は荷物や必要な物の準備で、明日出発するからね」
俺達は話しながら家を目指した。




