第四十八話 魔法の部①
フレアと合流した後、闘技場の選手用通路を歩いているとリオンと出くわした。
「まさか、私が負けてしまうとはね、でも本当に楽しかったよ、またやろう」
「ああ、我も楽しかったぞ、そうだリオン、お前私達の仲間にならないか?」
フレアが突然そんな事を言いだした。
「リオンの強さなら問題ないだろうし、仲間は多い方がいいだろ?」
「まあ、確かにそうだが、まあ、リオンがいいなら問題無いぞ」
フレアが俺に聞いてきた為、俺はフレアの言葉を肯定した。
「仲間か、つまりパーティーを組むって事だよね?うーん」
「どうした?我達と仲間になれない理由があるのか?」
リオンは首を横に振って否定しながら答えた。
「いや、私はずっとソロでやって来たが、最近は自分以上、それか自分と近い実力の相手とならパーティーを組んでもいいと思い初めていててね、それで言うとフレアは問題無いんだが、私はレンやリアナ、リーナの力を知らない、だから返事は武闘大会が終わるまで待ってもらっていいかな?」
「ああ、分かった、魔法の部にレンとリアナは出るから、そこで確かめるといい、レーナの力はどっかで見せる時があるだろう」
確かに、Sランク冒険者なんだから、仲間もそれぐらいのレベルの奴じゃないと駄目か。
「ああ、それと、パーティーの目的にもよるかな、私は戦うのが大好きだから、あんまりつまらない目的だと、入らないかな」
「それは後で教えよう」
その後、一緒に外に行きリオンと別れて宿に戻った、明日からは俺とリアナが出場する魔法の部が始まる。
次の日の朝、俺達は闘技場に向かっていたのだが……
「全く、朝から鬱陶しい‼︎」
フレアのイライラがピークに達していた。フレアがSランク冒険者のリオンを倒して優勝した事はすぐに知れ渡り、朝からフレアへのパーティーの勧誘や、貴族の使いからの誘いなどが多く中々進まずにいた、今もまた、新しい奴らがフレアに声をかけている。
「ぜひ俺達とパーティーを組んで下さい」
4人組のパーティーがフレアを勧誘している。俺達は一歩下がり成り行きを見守っていた。
「我はすでにパーティーを組んでいるからお前達とは組まん、諦めろ」
フレアはイライラしていて、雑に応対している。
「パーティーを組んでるって後ろにいる人達とですか?そんな奴らよりも俺達の方が役に立ちますよ」
「そうそう、どうせそいつら、フレアさんに助けてもらって冒険者やってるんでしょ?」
その言葉を聞くと、フレアの顔から表情が消えた。
「そんな奴ら?貴様に私の仲間の何が分かる?」
「だってまだ、ガキじゃ無いですか?俺達はもう全員Cランクになってますし、フレアさんの役に立てますよ」
そう言った冒険者にフレアは近づいていくと。
ズンッ‼︎
フレアはその冒険者の腹にアッパーを食らわせた。
「うっ、うおおえええええぇぇぇぇ‼︎」
その冒険者は胃の中の物を吐き出して、腹を抑えて蹲った。
「不愉快だ、すぐに立ち去れ」
それを聞いた冒険者達は、蹲っている冒険者を立たせて慌てて逃げて行った。
周りにいた他の冒険者達も、そのやりとりを見て、勧誘を諦めた様で離れていった。
「お疲れフレア」
「全く、不愉快な連中だ」
俺の言葉にフレアはそう返して来た。
「あんな奴らの事は気にしないで、早く闘技場に行きましょ」
「そうですよフレアさん、あんな人達相手にしないでいいですよ」
俺達はフレアを宥めながら闘技場に向かった。
闘技場についた俺達は、魔法の部のトーナメント表を確認していた。
「私とレンは別のブロックだから、当たるとしたら決勝ね」
「そうだな、でも魔法の部は少ないって聞いてたのに、格闘の部と同じで16人のトーナメントなんだな」
「魔法は予選無しでこれだから充分少ないんじゃ無いですか?」
そういえばそうか、格闘の部は予選を入れると、320人の参加者がいたんだから、それを考えると充分少ないな。
「てゆうか、俺1回戦の第1試合かよ」
「それじゃあ、我達は客席から応援してるからな、頑張れよ」
「頑張って下さい」
「お互い頑張りましょ」
俺はリアナ達と別れて選手の控え室に向かった。
そこでしばらく待っていると係員が呼びに来たので、俺は部屋を出て試合場に向かった。
『さあ‼︎選手が入場して参りした‼︎格闘の部では大番狂わせがありましたが、魔法の部では誰が優勝するのか‼︎Aブロック1回戦第1試合は、レン選手対アルネア選手です‼︎』
正面を見ると、赤みがかった長い髪をなびかせた、20代ぐらいか?の女性が入場してきていた。
俺とアルネアは距離をとって、向かいあった。
「貴方も不運ですわね、1回戦からこのわたくしと当たってしまうなんて」
「不運なのは、どっちだろうな」
俺の言葉にアルネアは反応して、聞いてきた。
「わたくしが貴方に負けるとでも?」
「さあな、だけどあんまり油断しない方がいいぞ」
すると、係員がマイクを持って出てきた。
『Aブロック1回戦第1試合始め‼︎』
その声と同時にアルネアは手を前にかざして魔法を唱えた。
「ファイヤーっ」
ヒュンッ‼︎
だがその詠唱は完成せずに途中で中断された。
ドサッ‼︎
アルネアは眉間に穴が開いており、そのまま前のめりに倒れると、光の粒になり消滅した。
観客達は何が起きたのか分からずにざわついている。俺がしたのは簡単な事だ、開始と同時にマジック・ゲート・ショットアイアンで鉄を飛ばして、倒しただけだ。それでアルネアは反応出来ずに死亡した。
『レン選手の勝利です‼︎』
客席から歓声が上がり、俺はそれを聞きながら退場した。




