第三十四話 シークレット
「やっと2階か」
「無駄に入り組んでて時間かかるわね」
あれから体感で3時間ぐらいかかり俺達はやっと2階に続く階段を見つけつけた。
「地図とか無いんですかね?」
「そいえば聞くの忘れたな」
「街で売ってるのではないか?」
俺達は階段を下って2階に向かった。
2階に着くとすぐに曲がり角から高さが2mぐらいはありそうなカエルが1匹出てきた。
「レーナやってみるか?」
「えっ‼︎わたしですか?」
ダンジョンに入ってからレーナは回復役として後方で待機していたがこんな上の階層では誰も怪我などしない為暇していたのだ。
「魔物相手にあれが通じるかやってみたいた方がいいだろ、通じるならリアナにその気があれば戦闘にも参加出来るようになるしな」
「分かりました、やってみます」
レーナは前に進み出た、すると横からフレアが不思議そうに声をかけてきた。
「レーナは攻撃魔法が苦手と聞いたんだが何をするつもりだ?」
「そうかフレアは知らなかったのか、まあ見てれば分かると思うぞ」
レーナは一度深呼吸をするとゆっくり向かってきているカエルに魔法を発動した。
「いきます‼︎ハイヒール‼︎」
「グエッ‼︎」
カエルは呻き声のような物を出して苦しみだした、だがカエルは苦しみながらもレーナの方に向かい大きく跳躍してきた。
「マジック・ゲート」
俺は石でカエルを貫いた、カエルは空中で命を落としてそのまま落下して動かなくなった。
「大丈夫かレーナ」
「はい、レンさんありがとうございました、それとすいません倒すことが出来ませんでした」
レーナは落ち込みながら謝罪してきた。
「そんな落ち込むなよレーナは冒険者になったばかりなんだからこれから頑張ればいいさ」
「そうよ、それに相手の動きを封じる事が出来れば凄い威力を発揮するんだから」
「はい、これから頑張りたいと思います」
すると落下したカエルの死体を見ていたフレアが戻ってきた。
「カエルの皮膚が溶けたようになっていたがあれはどうゆう事だ?」
「回復魔法にはかけ続けるとああ言うふうになる性質があるんだ、だからレーナはそれを使って魔物を倒そうとしたってわけだ、でも死ぬまでに時間がかかりすぎてさっきみたいになっちゃったんだ」
「なるほど、そんな事が出来るのか」
フレアの納得して興味深げにカエルの死体を見ている。
「次は私が相手の動きを止めるからまたやってみましょう?」
「はいお願いします‼︎」
レーナはやる気充分といった様子で返事をした。
「魔力は大丈夫か?」
「はい、私もリアナさん程では無いですけど多い方なのでまだまだ大丈夫です」
「まあ、この中じゃフレアが桁違いに多いんだけどね」
俺達はまだカエルの死体を見ているフレアに視線を向けた。
「フレア、先に進むぞ」
俺達は2階の探索を始めた。
その後、途中で俺の収納に入れてあった昼飯を食べたりした後に2階の探索も終わり3階への階段を見つけたところで俺達は引き返すことにした。帰りは道が分かっていたので行きよりもかなり早くダンジョンの外に出る事が出来た。俺達は今会話をしながら街に向かっている。
「やっぱり外はいいわね、ずっと洞窟の中だとなんだが息がつまるわ」
「そうですね、そういえば今更ですけどどうして洞窟の中の壁は微妙にひかっていたんでしょう?」
「なんでだろうな?ギルドで地図とかの事を聞くときに一緒に聞くか、あっそれと俺達のパーティー名を決めなきゃいけないんだった」
「パーティー名とはなんだ?」
その時は居なかったフレアが疑問を口にした。
「ああ、パーティーに名前を付けなくちゃいけないんだが登録の時に決まってなくて決まってから登録しに来てくれって言われててな、それで、どうする?」
「そうねぇ、やっぱり私達をイメージした名前とかのがいいのかしら」
「難しいですね」
「我には思いつかん」
俺は1つ思いついた名前を口にした。
「シークレット…」
「シークレット?理由は何かあるの?」
俺の呟きを聞いたリアナが聞いてきた。
「いや、俺も異世界から来た事は周りに秘密だし、リアナの帝国の事やレーナの体質、それにフレアが火龍だって事も秘密だろ?なんだか秘密の多いパーティーだから言ってみたんだが」
「なるほどね、うん、それでいいんじゃ無いかしら?」
「そうですね、私達に合ってるかもしれません」
「我も構わんぞ」
全員が賛成したので俺達のパーティー名はシークレットに決まった、それとレーナには俺が異世界から来た事や収納魔法の事は説明済みだ、仲間になるのに隠してる必要もないしな。俺達はその後も会話をしながら街に向かった。
街についた俺達はギルドに行き、今日とってきた魔石の売却をした。
「はい、シークレットでCランクでのパーティー登録が完了致しました、これからはパーティーで依頼を受ける事が出ますので」
「ああ、分かった、それとダンジョン内の地図って売ってるのか?」
「それなら、地図屋がありますのでそちらで販売していますよ、ただ下の階にいくほど値段が高くなるらしいですが、場所はギルドを出て左に進んで4本目の道を曲がってその先に進めば見つかると思います」
「分かった、ありがとな」
俺達はギルドを出て地図屋に向かった。
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ダンジョンの最下層、さらにその奥の扉の先にあるダンジョンボスの間、そこにダンジョンボスと対峙する1人の女冒険者がいた。
その冒険者の黄金の髪からは2つの耳が伸びており尻尾も付いていることから獣人だと分かる。腰には細い両刃の剣を下げている。
「貴様がここのダンジョンのボスか、貴様は私を楽しませてくれるか?」
女冒険者は獰猛な笑みを浮かべるとダンジョンボスに斬りかかった。
「ガアァウ‼︎」
そのダンジョンボスの姿は全長が10m近い巨大な狼だった、だが普通の狼と違うのはその背中から巨大な鷹の翼が生えており本来尻尾がある部分には数匹の蛇が生えている。
一瞬で間合いを詰められたダンジョンボスは女冒険者の一撃を受けて前足から血を流すがすぐに反撃を開始した。
「ガアアアアウ‼︎」
ダンジョンボスは前足と噛みつき、それに加えて尻尾の蛇も伸ばして激しい攻撃を開始した。
女冒険者はダンジョンボスの攻撃を鍛え上げられた細くしなやかな身体を駆使して躱していく。当たりそうになる攻撃も剣で受け流し即座に反撃に転じる。 ダンジョンボスの嵐の様な攻撃を一撃も当たらずに回避し続けるなどこの女冒険者は凄まじい動体視力と反射神経、俊敏性を持ちさらに数々の修羅場を潜り抜けてきたのだろう。
「はぁ、ダンジョンのボスと言ってもこの程度か……」
女冒険者からはさっきまでの楽しげな表情は消え失せ代わりに落胆した表情を浮かべている。
「もういい貴様の底は知れた、終わらさせて貰う」
女冒険者はそう言うとダンジョンボスに向かい駆け出した。
その後の戦闘は一方的な展開になり勝利したのは女冒険者の方だった。
「はぁ、退屈だ……」
女冒険者はそう呟きながらダンジョンボスの間を後にした。




