第三十話 友達
部屋に向かって歩いていると気持ちを切り替えたのか後ろを歩いていたリアナが隣に来て声をかけてきた。
「それでレン、これからの事なんだけど今帝国に行っても返り討ちにされて終わりだわ、だからもっと実戦経験を積んだ方がいいと思うの」
「それは確かにな、それと仲間が増えるといいんだけどな俺とリアナはどっちも遠距離の攻撃が主体だから剣士とか盾役がいると戦いやすくなると思う」
「帝国と戦おうとしてるパーティーに入ってくれる人なんているかしら」
リアナは俺の方を見ながら言ってきた。
「まあ、その内仲間は探すとして、実戦経験を積むって言うと色々な依頼を受けるってことか?」
「それもありだけど、ダンジョンに行ってみないかしら?」
「ダンジョン?」
ゲームなんかだとよく聞くがこの世界にあったのか?
「そう、簡単に言うと魔物の巣窟みたいな場所ね、、奥に進むほど魔物の強さが上がるから経験を積むにはちょうどいい場所なのよ」
「ちなみに何処にあるんだ?」
「王国に一つあるらしいけど詳しい場所は分からないわレーナは知ってるんじゃない?」
「じゃあ聞いてみるか」
そう話している内にレーナの部屋までついたのでノックをした。
「レーナいるか?レンとリアナだ」
「どうぞ入って下さい」
するとレーナが出てきて中に入れてくれた。中に入った俺達はいつも通り椅子に座った。するとレーナが躊躇うように声をかけてきた。
「あの、実はレンさんとリアナさんに聞きたい事があるんです」
「聞きたいこと?」
「なにかしら?」
「私の体質の事はもう知ってますよね?」
レーナは弱々しい声で言ってきた。
「ああ、国王様に聞いたし、実際に見てたからな」
「それがどうしたの?」
「あの…気持ち悪くありませんか?あんなの…まるで人間じゃないみたいで……」
レーナは今にも消えそうな声で言ってきた。なるほどな、レーナは俺達がレーナを嫌いになってしまったんじゃないかと心配してるのか。
「そんな事ないわよ、レーナはレーナだし少し傷の治りが早いくらいなんでも無いわよ」
俺が答えるより先にリアナが言葉を発した。
「リアナの言う通りだ、俺達は別にレーナの事を気持ち悪いなんて思ってないよ、友達の事をそんな風に思う訳ないだろ?」
するとレーナは両手で目を抑えて泣き出してしまった。
「ありがっ……とう…っございます…私怖くて……お二人にっ…嫌われてしまったんじゃ……っないかって」
泣いているせいで途切れ途切れだがレーナはお礼を言ってきた。
「礼なんか言わなくていいよ」
「そうよ、それに私もレーナが同性での初めての友達だしね」
レーナはよっぽど不安だったのか、その後も暫くの間泣き続けた。
それから暫くしてレーナも落ちついたのでお茶会を始めた。暫く雑談をしていると会話が途切れたのでさっきの事を聞いてみる事にした。
「なあレーナ、王国にあるダンジョンって何処にあるんだ?」
「ダンジョンですか?それなら王国の1番東の街のバルネスからさらに東に少し進んだ所ですね」
「つまり王国の1番東?」
「そうですね、今私達のいる王都が王国のちょうど中心ですので、ここから東に行けばバルネスにつけますよ、でもなんでダンジョンの場所を?」
レーナは首を少し傾けながら不思議そうに聞いてきた。
「実はレーナ、俺達はダンジョンに行こうと思ってるんだ、だからレーナとこうして話す事も出来なくなると思う」
「突然でごめんなさい」
「そうですか………」
レーナは俯きながらそう答えたがすぐに顔を上げると全く予想していなかった事を言ってきた。
「私も連れて行ってください」
「「え?」」
俺とリアナの疑問の声が重なった。
「私もお二人のパーティーに入れて下さい」
「え〜とそれはつまり冒険者になるって事か?」
「はい、それに私は回復魔法が使えるのでお役に立てると思います」
「確かに仲間になってくれたらありがたいけど、どうして仲間になりたいと?」
するとレーナは優しく微笑みながら言ってきた。
「はい、さっきも言ったようにレンさんとリアナさんは私の初めての友人なんです、こうしてお二人とお話ししている内にもっと一緒にいたいと思う様になりました、私の体質の事も気にしないでいてくれましたし、それに私はずっと王宮で暮らしていて王都から出た事がないので外の世界を見て回りたいんです」
「なるほどな、でも冒険者は危険だぞ?いつ死んでもおかしくない、それにレーナは王族だろ?」
「危険なのは承知の上です、それに私はこの体質の事を隠すために公の場には出てないので私がいなくなっても国民の人は気づかないと思いますよ?お父様は反対すると思いますけどなんとか説得します」
俺はどうしようか悩みリアナの方を向いた、すると俺と目があったリアナは頷くとレーナに声をかけた。
「レーナ、今から私が言う事を聞いて欲しいの、この話しを聞いたあとも私達と来ると言うなら私達は止めないわ」
「いいのか?」
「ええ、レーナは信用出来るし、仲間になるなら知ってなくちゃいけないでしょ?」
「まあ、そうだな」
するとリアナはレーナに説明を始めた、リアナが元々帝国の貴族である事、そこから逃げてきて俺と出会ったこと、クラウス・フェルモンドが父である事、そして自分達の目標がクラウス・フェルモンドを殺す事である事を。
「分かった?つまり私達と来るって事はいずれ帝国と正面から戦わなきゃ行けないって事なの、それと謝らせて、私の父が貴方を誘拐しようとした事を本当にごめんなさい」
それを聞いたレーナは真っ直ぐとリアナの目を見て言ってきた。
「リアナさん頭を上げてください、リアナさんが謝る事じゃないですよ。私はレンさんとリアナさんに誘拐犯から助けて貰いました、あのまま誘拐されていたら恐らく実験動物みたいな扱いをされていたでしょう、なので今度は私が助ける番です。足手纏いにならないように頑張るので私も連れて行ってください、私も力になりたいです」
それを聞いたリアナは俺の方を見てきた、俺はそれに頷いてレーナに声をかけた。
「分かった、俺達と一緒に行こう、これからよろしくなレーナ」
「よろしくね」
「はい‼︎よろしくお願いします‼︎」
レーナは満面の笑みで答えた。




