第二十二話 救出
「レンこの速度じゃ追い付けないわよ‼︎」
「だけど他に移動方法が無いだろ‼︎」
リアナの声に俺は答えた
「危険かも知れないけどレンだけなら先に行かせる事が出来るかも知れないわ」
「本当か‼︎どうやって⁉︎」
リアナは歯切れが悪そうにそう言ってきた。
「さっき私が使ったディテクション・アイスバードがあるでしょ?さっきは大量の鳥を出したけどそれを1つの鳥に集中して作って大きさと強度を上げるの、でも魔法の特性は変えられないから真っ直ぐにしか進めないし止まる事も出来ないけどそれに捕まって行けば追いつけるかも知れないわ」
「でもそれだと魔力切れのリアナを1人にする事になるだろ」
「私は大丈夫ポーションで回復させてすぐに追いかけるから魔力も少し残せるようにするしね」
俺はその方法でレーナを追いかける事にした。
「その方法で頼む」
「さっき言ったけど止まらないから自分で降りてね、それと形が出来たらそのまま飛んで行っちゃうからすぐに掴んでね」
俺とリアナは馬から降りて、俺はリアナの前に立って掴む準備をする。
「それじゃいくわよ、ディテクション・アイスバード‼︎」
するとさっきよりも時間をかけて氷の鳥が出来上がっていく、大きさは全長1mぐらいだ。完成するとそのまま真っ直ぐ飛んできたので俺はその足を掴んだ。手に氷の冷たさが伝わってきて痛かったが今はそんな事はどうでもいい、早くレーナのところに行かなくてわ、俺はそのまま飛んでいった。
暫く飛んでいると前方に屋根の上に2人の人が乗っている馬車が見えた、恐らくあれにリアナが乗っているのだろう。それを見つけた俺は思わず叫んでいた。
「レーナァァァアアアア‼︎‼︎」
俺は鳥から手を離して地面に着地した、だが鳥はそのまま飛んでいき進行方向にいた馬車に突っ込んだ。馬車が少し歪んだが元々強度の低い魔法なので強化してあってもあまり変わらないらしい。上に乗っていた男が何か言っていたようだが鳥のぶつかった衝撃で地面に落ちた。
「マジック・ゲート・ショットアイアン」
俺は屋根の上の1人と落ちた男、それと馬車の車輪に鉄の玉を打ち込み、馬車の車輪を壊して2人を殺す事が出来た。その後前から出てきた2人の男も同様に殺した。すると馬車の中から男が出てきたので同じ様に打ったが玉がそれて外れてしまった。
「まさか、追いついて来るとはな」
「お前王宮からレーナを連れ出した奴だな?あの時も俺とリアナの魔法を逸らして回避していたな」
「ああ、確かに俺が連れ出したな」
「レーナは無事だろうな?」
俺は男に問いかけた。
「無事だな、今は意識も戻ってて馬車の中にいるぞ」
すると馬車の中から別の男と手を縛られたレーナが出てきた。
「レーナ‼︎」
「レンさん‼︎」
「黙れ‼︎クソッ‼︎まさか追いつかれるとは‼︎スールさっさとそいつを殺せ早くしないと王国兵に追いつかれる‼︎」
「分かった、分かった、危ねえから離れてろよ、あいつの魔法逸らしたら当たっちまいそうだからな」
それを聞いた男はレーナを連れて離れていく。
レーナはもう1人の男にナイフを首に当てられている、しかし俺の視線はナイフでは無く別の場所に向いていた、それはレーナの足だ、片足の服が裂けていてそこに大量の血が付いている。
「お前ら‼︎レーナに何をした‼︎」
「ん?ああ、あの血か?あれは俺じゃ無くてあいつだぞ?」
頭に血が上り俺は思わず叫んでいた。
「レーナ‼︎待ってろ今助ける‼︎マジック・ゲート・ショットアイアン‼︎」
「ウィンド・コントロール」
するとまた、俺の放った攻撃は逸れて外れてしまう。
「その攻撃はあたんねえよ、ウィンド・カッター」
かざした手から透明に近い薄緑の刃の様な物が飛んできて俺は収納する余裕もなく慌てて横に飛んで回避した。
「風属性魔法か」
「正解、お前の玉は真っ直ぐ飛ぶだけみたいだからな風で誘導してやれば簡単に逸らせる」
「そうゆうことか」
「だからお前は俺には勝てない、剣を持ってるみたいだけどそもそも使われる間合いまで近寄らせないしな、依頼主がさっさと終わらせろって言ってたんでね終わらせてもらうわ」
男はゆっくりと手をかざして魔法名を唱えた。
「ストーム・ランス」
すると、風で出来た槍、と言うよりも小型の台風を横向きにした様な物が出現し俺に向かって勢いよく飛んできた、だが俺は慌てずに魔法を発動する、俺が鍛冶屋で作って貰ったのは小さい鉄の玉だけでなく、もう一つ作って貰っていたのだ、だけどこれは作るのが大変で1つしか作る事が出来なかった、今の俺の最強の技。
「マジック・ゲート・ショット・アイアンボール」
辺りに轟音が響き渡った、ゲートから飛び出したのは鉄の玉、だが今まで打っていた鉄のよりもかなり大きく直径60cmほどの大きさだ。飛び出した鉄の玉は衝撃波を出しながら男に向かって飛んでいきストーム・ランスを消し飛ばして男を吹き飛ばし肉片に変えた、後ろの馬車を吹き飛ばしても止まらずにそのままはるか後方に飛んでいった。
鉄の玉を限界まで加速させた為に音速を超えてソニックブームが発生したのだ、俺も後方に飛ばされて体を怪我してしまった、これを作る時にはリアナに協力して貰って氷の壁でガードしながら作ったりしていたがこの速度が限界だった。
俺は離れた場所で呆然としている男の足に普通の鉄の玉を打ち込み動きを奪った。
「レンさん‼︎」
男のナイフが離れたのをみたレーナは俺の所まで走ってきた。
「レーナ、無事でよかった」
「はい、レンさんのおかげで助かりました、ちょっと待って下さい、今治療しますので」
そう言うとレーナはまだ縛られている手を俺に当てて魔法を使った。
「ライト・ヒール」
すると俺の体を白い光が包んで体の傷も痛みも全てなくなった。
「凄いな、こんな一瞬で治るのか、ありがとうレーナ、てゆうか魔法使えたんだな」
「はい、私は光属性の魔法が使えるんです
「そうなのか、ところであそこで転がってる奴はどうする?殺していいのか?」
俺は足を抑えて転がっている男を指差しながら聞いた。
「貴様‼︎私にこんな事してタダで済むとおもっ‼︎」
うるさかったのでマジック・ゲートで頭に速度を抑えた石を当てて気絶させた。
「殺してしまったのですか?」
「気絶させただけだ」
「そうですか、それはよかったです、あの人に聞きたい事があったので」
レーナはホッとした様にそう言った。
「レンさん本当にありがとうございます、レンさんが居なければ私は帝国に連れ去られていたでしょうから」
「俺だけの手柄じゃねえよ、リアナがいなきゃ間に合わなかっただろうしな、それに友達が連れ去られたんだから助けるのは当たり前だろ」
俺はレーナの手の拘束をときながらそう言った。
そうゆうとリーナは照れたように口元に笑みを浮かべて噛みしめるように呟いた。
「友達…ですか……」
「どうした?」
「いえ、今まで友達と言える人がいなかったので改めてそう言われたら嬉しくて」
「俺だけじゃなくて、リアナもそう思ってるよ、さて、どうするか馬車が壊れてるから移動出来ないしそいつもいるからここでリアナが来るのを待つか、でも魔力がすくなかったから心配だな」
「それなら馬が二頭いるので片方に縛りつければ大丈夫じゃないでしょうか?」
「なるほどな、じゃあそうするか」
俺とレーナは気絶している男を馬に乗せて縛り付けて手綱をもう1匹の馬に繋いだ、手綱を繋いだ方の馬の前に俺が乗り後ろにレーナが乗って移動を開始した、したんだが
「なあレーナ?少しくっつき過ぎじゃないか?」
レーナが後ろからかなり密着して抱きついて来ているのだ、女性の象徴が背中に押し付けられており気になってしまって仕方がない。
「そんな事ありませんよ」
だがレーナは余計に力を入れて抱きついてきた為密着度がさらに上がった。その声はとても明るくて笑顔なのが顔が見えなくてもわかる。
「いや、でもな」
「気にしないで進んで下さい」
俺達はしばらくそんなやりとりをしながら来た道を引き返して行った。




