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第20話~大蜘蛛料理

リアルの仕事が忙しく、投稿が遅れました。かなり!


久々ですが、いきますぜ!!


感想の返事も返さなければ・・・(;´д`)

詫びとしてノーンさんに食事を奢った次の日、俺は深き森で昨日と同じように採取をしていた。ガドルフは草原でウサギを狩っているだろう。・・・逆に狩られるってことはないよな。・・・ないよな?まぁ、ガドルフの方はいいか。それよりもこっちのことだ。昨日と同じ野草は、既に十分な量を手に入れた。昨日と違う点を挙げれば、今回は魔物肉?を手に入れたってことだ。蜘蛛とゴブ達に襲われて返り討ちにしたわけだが、


〔大蜘蛛の足〕深き森に生息する大蜘蛛の足。市場での流通は少なく、高値で取引される。味は極めて美味。


・・・これ、食えるの?見ようによっちゃあ大きな毛ガニの足、だが蜘蛛の足である。現物の姿を知る身としては、なんか嫌だ。まだ救いなのが、黄色と黒の縞模様蜘蛛ではなかったことか。コイツ、そこそこ強いからなぁ。先にゴブが出てきてくれて助かった。蜘蛛の奴は弱いゴブを標的にして、俺を無視した。・・・ただの的だった。ゴブを襲っている時に、投げナイフの弾幕でサクッとね。一対一で戦っていたら、そこそこ苦戦するぞ?糸吐くし、動きもなかなかに機敏、しかもキモい。まぁ、倒したからもういいか。問題はこっち、


〔ゴブリンの肉〕臭みの強いゴブリンの肉。加工の仕方次第で、家畜や魔物の餌に出来る。畑の肥料にも加工が出来る、意外に万能な肉。食用として扱ってはいけない。


ゴブ肉って需要があるの?って思ったが、需要ありまくりじゃないか。家畜と魔物の餌ね・・・なるほど。もしこの先、従魔をすることになったら、ゴブ肉を使えばいいってわけか。それに、畜産・農業も出来るみたいだな。・・・え、出来るの?マジ?・・・絶対、誰も知らない。いや、知ったところで誰もやらないか。うーむ、俺みたいな物好きが他にいるかな?ま、いいか。その内、出来ることを知って、やる奴が出てくるだろう。・・・もちろん、俺も含めてなんだが。しかしアレだな、何かをやる度に新たなことがポンッと出てくる。やりたいことだらけで、嬉しい悲鳴ってヤツか。他の冒険者も色々、発見しているんだろうな。想像を膨らませながら、討伐・採取をしつつ、街に戻る俺であった。




・・・で俺とガドルフは、昨日作った料理メモを元に調理している。テンション高めに作っていた昨日の料理を再現、その料理をメモしレシピを作る・・・を繰り返している。出来た料理は周囲にいた冒険者達に食わせて、その効果や美味しさを確かめている。きちんと鑑定をして、状態異常が無いのを食わせているから安心だ。鑑定すれば効果もわかるのだが、一応確認のためにね。本当はこんなことをする気はなかったのだが、周囲の冒険者達が『その料理を食べさせてください!!』と土下座してきた。何でも昨日のことを遠巻きで見ていて、食べたいなぁ~と思っていたらしい。聞き耳立てて明後日に、料理が仕上がる予定ってことがわかっていたらしいのだが、もしかしたら今日も何かを作るんじゃね?ってことで、来てみたら案の定ってことでの土下座らしい。まぁ、俺達からしてみれば、ありがたいの一言。他人ひとの感想も必要だし、食いきれないからな。すぐさま了承し、土下座を止めさせた。はたから見れば、俺達が土下座させていると受け取られかねんからな。彼らは『うまい、うまい。』と食ってくれるから、作っているこちらも嬉しくなる。だから俺はコレを出す。


〔蜘蛛足の素焼き〕大蜘蛛の足を炭火で焼き、塩で味付けをしたシンプルな料理。その旨さ、筆舌に尽くし難い。(効果・満腹度:中・AGL+10:効果時間30分)【製作者:ティル】


まさかの能力上昇料理。素晴らしい一品だ。そして、ちゃんとレシピを残せば、製作者名が付くってことを知った。昨日はレシピも残さずに、作っていたからなぁ。まぁ、効果時間が三十分ってのが短いと思うが仕方ない。・・・せっかく生産スキルも色々あるんだから、弁当箱でも作ってみるか。そうすれば、効果時間が短いっていうのも気にならなくなるだろう。戦闘前に食えば、いいわけだからな。・・・うん、そう考えると作った方がいいかもな。それはさておき、


「コレを食ってみてくれ。能力上昇料理だ。」


と言って出してみれば、


「「「「「えぇっ!!?」」」」」


予想通りの反応が返ってきた。そりゃそうだ、上昇系の物は何も出てきていないからな。・・・まぁ、たぶんなんだが。


「ティルさん、因みにコレって・・・。大蜘蛛って何?」


「大蜘蛛?なんだそりゃ。」


「初耳ですな。」


「・・・新モンスターかな?」


各々、なんか言っている。


「大蜘蛛っていうのは、街の東にある深き森に出現する蜘蛛型の魔物だ。」


「ん?東の森だって?」


「・・・あそこって、山よりも強い魔物が出る場所だよね?」


「ああ、山で戦えるようになったから、森もいけるかなって思って行ってみたら、ゴブリンに囲まれて死戻ったよ。今んとこ、森にかよっているって人を聞いたことない。・・・今日までは。」


「掲示板通りの人みたいだね。山トカゲ瞬殺の噂はダテじゃない。」


ふむ、掲示板か。料理に関することを貼り付けた方がいいだろうか?後でガドルフと話し合ってみるか。


「とりあえず、冷めるから食え。食ったあとは、AGLが上がったか否か報告な。因みに、蜘蛛足は三人前。」


冒険者達はお互いすごい顔をして、気合いの入ったジャンケンをやり始めた。そこにはドラマがあったのだが、どうでもいいことだろう。見事勝った冒険者は蜘蛛足を食って・・・、


「「「う・・・うまい!!」」」


目を見開いて、蜘蛛足をがっついて食う。うむ、筆舌に尽くし難いようだ。語るより食らうのに集中している。食えなかった冒険者は物欲しそうに、蜘蛛足を食う三人を見ている。


「この蜘蛛足、意外と高級食材なんだぞ。食材屋で見て貰ったんだが、一本1,500Gもするんだってよ。」


「「「「「1,500G!!!」」」」」


冒険者達が驚きの声を上げる。ガドルフも目を剥いて、同調している。飯で1,500Gなんて破格だからな。俺もビックリした、蜘蛛足一本が最初の所持金と同じ額なんだから。最近出回っている鉄鉱石でさえ、一つ100G。山トカゲの皮が75G、比べてみるとその凄さがわかるだろう。まぁ、現在品薄状態だからこんな高値なんだろうけど。因みに今まで語った値段は売値だぞ。買値は俺には必要ないから知らない。だって、自力で手に入れることが出来るもの。


「無理とはわかっているけど、狙いたい一攫千金・・・。」


「きちんと準備して、行ってみるか?深き森へ。」


「PT組んで行こうぜPT!」


「盛り上がってきたところ悪いが、料理スキルがないと蜘蛛足は入手出来ないからな。因みに、スキル屋で10万Gするぞ。・・・あぁ、NPC修業すればタダだな。どのくらいの期間が掛かるのかわからないし、修業を世話してくれるNPCがいるかもわからんが。」


「「「「「・・・・・・。」」」」」


沈黙した。AGL上昇の件はきちんと上がったらしい、・・・で三十分経ったらキッチリ消えたとのこと。




余談ではあるが、状態異常や能力上昇は料理スキルがあるだけでは、作った料理には付加されない。料理スキルがLV10を超えるのが最低条件であり、その他には調合スキルが必要だったりする。簡単にいえば、アイテム作りと同じなのである。料理スキルだけで作ると、どう頑張っても効果は満腹度だけ。調合スキルがあると、先日の猛毒料理、今回の能力上昇料理、他には紹介していないがHPとMPが回復する料理や、状態異常を治す料理が作れる。今回の料理研究で作れたのだ。更にいうならば、食材屋で買った食材よりも、自身で討伐・採取をして入手した食材の方が、効果付き料理が出来る可能性が高くなる。


因みにティルの場合、俺流の効果、称号・職人達の弟子の効果によって、補正がかかっているのはいうまでもあるまい。料理も生産系に入るための補正である。ガドルフの方も料理に関していえば、ティルと同等だ。これもガドルフの固有スキル・料理道の効果である。いずれはティルを超える料理人として名を馳せることになるだろう。上記で挙げたことは、二人以外の料理スキル持ちに相談されて、検証した結果の情報だ。確定はしきれないが、この情報により料理スキルは注目されることになる。決定的に日の目が当たるのは、ティルが弁当箱を作り、商人ギルドを通して売り出した時だ。・・・しかし、現時点では想像上の物であり、料理が浸透するのはしばらく先になる。




そんなこんなで、料理を作ったりダベったりしていると、


テレッテッテッテー♪


軽快な効果音が頭の中に響いた。俺だけかと思ったが、周りの冒険者達もキョロキョロと周囲を見回している。何事かと思ったが、


『いつもFree Emblem Onlineをお楽しみ下さり、真にありがとうございます。

ただいま、ノーシュ山山頂のボスが討伐され、グランベル王国王都ルトマーへと続く街道が開放されました。それに伴い、【アーツ】の取得が解放、訓練場が開放、アーツショップが開放されました。


詳しくは公式ホームページの更新をお待ちください。』


キャラメイクの時に聞いた声に似ているなぁと思いながら、目の前に現れたウィンドウを見る。アーツか・・・、気になるぜ。王都よりもアーツの方がな。他の冒険者達も、この情報に歓声を上げている。王都に行くか、アーツ取得のために訓練場に行くか、値段が気になるからショップに行かね、と話し合っている。まぁ、ホムペを見るまでもなく、訓練場、ショップに行けば情報が手に入るってことはわかる。・・・解放されたんだからな。・・・気になりはするが、当分は訓練場が混むことは必死。しばらく経ってから、行くことにしよう。・・・といっても、スキルと同じように何かやっていれば、手に入りそうな気がするけどな。さてと、料理作りに戻るとし・・・、


『あんちゃぁぁぁぁ~ん!!!ボス倒したよ開放されたよ!!』


ヴェネから突然のウィスパーチャット、頭に響く五月蝿うるささだ。ヴェネのマシンガントークがある程度続き、


『ハイハイ、すごいすごい。詳しい話は家で聞くから、・・・じゃあな。』


『えぇ~!!聞いておくれよあんち・・・。』


強制終了。・・・でその後は、料理研究をある程度続けて解散。一応、俺は森へ行き食材を補充してから宿に戻り、ログアウトした。その前に、ギルドで色々やったが。家では、先にログアウトしていたらしい芹菜がいて、プリプリ怒っていたが、寝るまでかまってやったら機嫌が直った。チョロい妹である。・・・あー、眠い。


―――――――――――――――


次の日、俺とガドルフは仕込みを終えて、ノーンさん達を待っていた。彼女達には俺達二人の合作料理をしょくしてもらう。合作といっても、お互い一品ずつ出すだけなんだがね。短期間というか、二日間の成果を披露する。・・・緊張するな、隣のガドルフなんかガチガチだ。なんかこう・・・誰かに披露するってなると、緊張するのはなぜだろう。


「少し緊張するが、いつも通りいこうガドルフ。」


「オレハキンチョーシテナイゼ!」


・・・・・・いつ、ロボットになったガドルフよ・・・。




「さて・・・では、調理開始といこうか。」


「おう!ちゃっちゃとやっちまおう!」


ガドルフの屋台の前には、長机と椅子があり、ノーンさん、Junさん、バルバロッサ、ザッシュ、ヴェネが座っている。色々あって増えたわけだが、一人作るのも五人作るのもあまり大差ないからな。・・・増えた理由など、その他もろもろ全部はしょって、料理を作らせてもらうよ。説明めんどいしな。


俺の目の前には油の入った鍋があり、火にかかっている。俺はその鍋に事前に作っておいた衣液を箸で垂らす。・・・ジュワッ!!垂らした衣液は良い音をたてて、油に浮く。うむ、温度は上々、問題ないな。俺は手早く、鍋から天かすを除く。そして、下処理を済ませたタネを衣液につけ、油の中に投入する。ジュワッ!!投入後すぐに、箸を使って衣液をタネに素早く振りかける。すると、華が開いたように衣が弾ける。しかし、やり過ぎるのはダメだ、ほどほどが良い。・・・・・・・・・今だな、俺は箸でコイツらを油から取り出し、油切りの上に置く。皿の上に天紙のような物を敷き、油を切ったコイツらを盛り付ける。皿の脇におろしを添え、別皿に天つゆを入れてノーンさん達、各人の前に出す。


もう、お気付きだろう。・・・俺の料理は天ぷらだ。昨日の解散後に思い立って、食材屋で必要な物を買い揃えた。運良く、粉とか卵とかが手に入った。で、ギルドにて天ぷら調理に必要な物を製作。こういう思い付きですぐに、物が作れるのは生産者の強みだな。しかも、借りている個室にはキッチンがあった。料理も生産ギルドの管轄なのだと知った。後は、天ぷら研究をして今日に至るわけだ。本当はもっと研究をして、より良い物に仕上げたかったが、現時点で出来る自信作なわけで。・・・まぁ、そば屋風になるんだがな。


〔深き森の天ぷら〕深き森の食材である大蜘蛛の足と野草をタネにして、調理された天ぷら。調理した本人も唸る美味しさ。(効果・満腹度:大・AGL+15:効果時間:30分)【製作者:ティル】


昨日、一人で試食した。・・・美味しかった。さぁ、しょくして唸るがいい。ガドルフの方は何を作ったんだろうか。俺に少し遅れて、ガドルフも料理を出す。


〔ラビットステーキ〕丁寧に下処理をされたホーンラビットの肉を使用したステーキ。外はこんがり、ナイフで切れば肉汁溢れる、ホーンラビットとは思えぬ美味しさ。(効果・満腹度:大・STR+10 DEF+5:効果時間30分)【製作者:ガドルフ】


・・・!!!ステーキだと!俺はガドルフを見た。ガドルフも俺を見る。


『やるじゃないかガドルフ、たかがウサギ肉をここまで。』


『そっちこそ流石だ。お前以外、入手が難しい森の食材を使うとは。』


『だが、称賛よりも・・・。』


『言いたいことは俺にもわかる。』


『『食いたい!』』


思わず、ウィスパーチャットをしてしまった。心を強く持たないと、涎が垂れてしまう。鼻腔をくすぐるこの匂い・・・侮り難し。それよりも、だ。お互い目で合図。


「「冷めない内に、召し上がれ。」」


俺とガドルフはノーンさん達に料理を勧めた。




・・・そりゃあもう、絶賛だったよ。ガドルフのステーキを食べれば、みんな驚愕の表情を浮かべる。特にJunさん、バルバロッサ、ザッシュが唸る。


「これほどの美味しさとは、思いもしませんでした。しかも、能力が上昇する料理・・・。」


「持ち運び不可なのが悔やまれる。いや、ティルが絡んでいるなら或いは・・・。」


とはJunさん、バルバロッサのげん。俺の天ぷらを食べれば、みんな表情を綻ばせる。特にヴェネとノーンさんが、


「う~ん、天ぷらっていいねぇ♪流石はあんちゃん!店の手伝いをしているだけのことはある!」


「・・・はぐはぐ、なんだかカニの味に似ていますのね?とってもとっても、美味しいですわ♪」


ニコニコ食べてくれる、嬉しいものだ。そんな中、ザッシュは・・・、


「山のボスを討伐した祝いで、これほどのものを食べさせてくれるのは有難い。だが・・・ティルよ、大蜘蛛ってなんだ?見たことも聞いたこともないんだが。」


と疑問を口にした。俺は普通に、


「大蜘蛛は東の森、深き森と呼ばれる場所に生息する魔物だぞ。」


と言った。ザッシュは何故か好奇心に満ちた目で、


「ティルよ、お前さんの規格外は生産だけかと思ったが、戦闘の方も規格外なんじゃないか?」


と言ってきたのだが、俺としては前線組の方が強いと思っているから、


「そうでもないだろ、ザッシュ達前線組に劣ると思うよ。行ってみるといい、そんなに苦労はしないと思うから。ノーシュ山のボスを討伐したんだ、余裕だろう。」


「ふむ、そうか。なら、行ってみるとするか。・・・ということでJun、行ってみよう。」


「・・・そうですね。王都への道が開放されましたし、行ってみるのもいいでしょう。」


「ボス戦でアーツが解放、俺もアーツを覚えたから使ってみたいな。」


「そういえば、私もアーツを獲得したのに使ってない!ねぇねぇ、食後の運動がてら今から行かない?」


なんか話が進み、森に行くことが決まったようだ。


「ティルさん、ガドルフさん。ご馳走様でした。」


Junさんが代表して、礼を言ってきた。あとの四人も頭を下げる。


「30分だけではありますが、能力上昇の恩恵が残っている内に森へ行ってみますね。森の入り口には、ここから走って5分くらいで着きますし、私もアーツを試してみたいので。」


「余裕だと思うが、気を付けてな。」


「今度は金をもらうぜ。」


俺とガドルフはJunさん達を見送った。・・・が、ノーンさんは残っていた。


「ん?ノーンさんは行かないのか?」


「私は行きません。まぁ、杖のアーツを覚えたので使ってみたいとは思いますが、無理をせずに草原あたりで使おうかと思っていますわ。」


ふむ、ノーンさんは慎重派なのか。見たところ魔法タイプみたいだからな、一人で山や森はキツいだろう。・・・しかしアーツか、俺も覚えたいな。昨日、解放になったんだっけか。料理も一段落着いたし、ガドルフ一人で大丈夫だろう。


「ノーンさん、明日あたりヒマなら一緒に冒険へ行かないか?」


「私とですか!?ご迷惑ではありませんか・・・?」


俺の提案に恐縮するノーンさん。


「いやいや、見たところノーンさんは魔法を得意としているみたいじゃないか。単純にノーンさんの魔法を見たいわけだ。俺も一応、魔法を使うからな。」


「そうなんですの?私は水なのですが、ティルさんは因みに・・・?」


「俺は光と闇だな。ライトアローにダークアローしか、まだ覚えていないが。」


「ティルさんはアロー系ですの?私はランス系にウォール系、ショット系がですわ。」


なんと!いきなり違うのか。魔法もなかなか個性が出るようで。


「ふむ、やはり見てみたいな。ノーンさんの魔法。」


「・・・わかりましたわ。では明日、ご一緒しましょう。」


「よろしく頼むよ、ノーンさん。」


彼女の手を握り、そう言った。


「・・・・・・・・・。」


また赤くなった。可愛いもんだ。


「なぁ二人とも、俺を忘れてやいないかい?」


ガドルフがジト目でこちらを見ていた。ついでに周囲の冒険者も。


「・・・!!?でででででは、また明日ですわ!」


脱兎の如く、ノーンさんが駆け出した。


「・・・・・・ガドルフ、俺にもステーキを食わせてくれ。」


「いきなりだな!?まぁ、いいけどよ。俺にも天ぷら、食わせてくれよ?」


お互いの料理を食べて唸る俺達だった。




その後、Junさん達が戻ってきて、怒られた。ウソつきと・・・。見れば四人ともボロボロだ。ゴブが増殖して逃げてきたんだと、ヴェネが泣きながら言ってきた。


「なぁティル、やっぱりお前・・・規格外だよ。」


ザッシュは小さな声でぼそりと言った。・・・そうなのか?



後半、会話多めになりました。


・・・スキル組み合わせの案がある方は、今日中に活動報告にその場を設けますんで、おもろいのを提供してくれたら嬉しいです。


次の投稿がいつになるかわかりませんが、なるべく間を空けないようにしたいですね。

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