66
「スチュワートさん。その森で採った木で皿を作っていたのですが、もし良ければ何枚か差し上げましょうか?」
「え? いいの?」
「はい」
彼がそう答えたところで、後ろからジョージ君の「二人とも待って下さい~!」という声が聴こえてきたので振り返ると、たくさんの紙袋を持った彼がそこに。なんと、トロフィーの中も箱が溢れ出そうになっている。
「ちょっと、大丈夫かい? ジョージ君」
僕は歩み寄って紙袋を五袋ほど持ってやった。
「すみません。スチュワート先輩。断りきれなくて貰い続けていたらこんなことになってしまって」
「ふふ。モテる男の子は辛いね」
「茶化さないで下さいよ~! スチュワート先輩~!」
げっそりしたようにジョージ君は言った。
「兄さん。受け取るから次々と渡されるんだよ。僕のように無視すればいいんだ」
と、にべもないジョシュア君の一言。
「そんなことできないよ!」
彼はそういうと顔を赤らめた。その後、僕たちは会場にいた写真屋さんに写真を撮ってもらい、ジョージ君達の家へ向かった。
「どうもすみませんでした」
ハリエットさんはそう言って、彼女の手で持てるだけの紙袋を持った。
「いえ」
「ジョージ。スチュワートさんにお礼は言ったの?」
「言ったよね。ジョージ君」
「はい! スチュワート先輩」
彼はそう満面の笑みで答えた。
「スチュワートさん。さあ、中へどうぞ。ぜひ、お茶でも飲んで行って下さい」
「すみません。お邪魔します」
僕は残りの紙袋を持ってハリエットさんの後に続く。急の来訪に、ケージに入れられることのなかった猫のエダは僕の顔を見るなり、「誰!?」といいたげな、ぎょっとした表情を浮かべて逃げて行き、犬のリリムはなぜか一ヶ所をぐるぐると回りながら吠え続けている。その様がとても愛らしい。
「ちょっと待っていて下さいね。リリムとエダをケージに入れて来ますので」
「あ、はい」
彼女は僕の返事を聴くと食堂を出て行った。
「いや、何だか大騒ぎだね」
僕は紙袋を食堂の入口に置いて言った。
「リリムは知らない人が来るといつもああなんです。じゃあ、僕たち着替えてきますね」
「ああ、うん」




