表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
44/84

45


「ありがとうございます。ハッサン先輩。そして、その夜、両親が予約していた角地六十三番街にあるデイジーヴィラホテルにチェックインしたんです。そのホテルの支配人はホームズさんという方で、色々なことによく気づく、とても親切な人だったんですけど、ジョシュアは気にいらないって感じで。僕が、どうかしたの? と訊いても、『何でもないよ。兄さん』の一点張り。ちょっと弟は、神経質なところがあるものですから、僕も両親も気にしていなかったんですけど」

「へえ……」

 僕はとりあえず相槌を打った。彼はそう言うが、あのジョシュア君がそう言うぐらいだから、そのホテルに何かあったんじゃないかと思うんだけど。気になるな。そのホテル……。

「まあ、その支配人さんが僕たち……特に、母をよく見ていたからかもしれませんね。じゃあ、僕そろそろ他の方たちにもブラウニーを配って来ますね。それでは失礼します!」

「あ、うん。ハリエットさんにお礼言っといてね!」

「はい!」

 僕がジョージ君の返事を聴いて、置いていった箱を見るとブラウニーはもう一つも残っていなかった。

「……」

 僕はジーッとハッサンを見た。

「何だよ?」

「……何でもないよ」





「じゃあ行ってくるから、留守を頼んだよ」

「戸締りはしっかりね」

 父と母はそう言うと、玄関の扉を閉じた。今日は会社恒例のパーティーだ。その日の母は、長い髪を高く結い上げエイグレットを挿し、薄く口紅を引き、父から贈られたダイヤのパリュール(ネックレス、イヤリング、ブレスレットなど、三点以上のジュエリーが揃ったもの)を身に着け、左手の薬指には婚約指輪の三カラットダイヤリングをし、それを落とさないように、同じく一連のダイヤリングを上から填める。母にとって、婚約指輪以外は義務のようなものだ。

 僕と兄さんは内側から鍵を締め、ダイニングルームに入ると、棚の横に置かれた小さいベッドに寝ているエダが、こちらを見て再び目を閉じた。リリムはソファの上で仰向けになって寝ている。何とも警戒心のないことだ。僕は息を吐いて、椅子に座り、飲みかけのアイスティーを飲んだ。

「ジョシュア」

「何? 兄さん」

「いきなりだけど、謎々を出していい?」

「構わないよ」

「じゃあ言うよ。カラスと書き物机はなぜ似ているか?」

「……」

「難しい?」

「いや、兄さんがなぜ、そんな謎々を出したのかと思って。答えは、声とノートはほとんど出さないが、出した時には平坦で平ら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ