表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

92/93

第92話 八大騎士 VS 闇の王スレッグ

「その黒い剣、どこかで見覚えがあると思えば……キール、生きていたのか?」


 スレッグは驚いた様子もなく、余裕を見せる口調だった。


「あぁ。パーティーを追い出されたことで、のびのびと生きているさ」


「だが、なぜ、八大騎士と一緒にいる?」


「それは、俺が暗黒騎士だからだ」


「フハハハハ、お前が暗黒騎士だと? 俺が追放してやったのに?」


「わはははは、スレッグ。お主は、キールの実力をはかり損なったな」


 エルドウィンが高らかに言った。


「太陽の騎士にそこまで言わすとは……はっ、そうか。お前がいなくなってから、なにもかもうまくいかなくなった。キール、お前なにか隠していたのか?」


 スレッグが大剣の切っ先をキールに向ける。


「さぁな……いまさらそれを知って悔いるか? 笑えるな。後悔先に立たずってやつだぜ」


「確かにな……だが、俺はこうして闇の力を手に入れたわけだ。これからお前らは殺せば、後悔もクソもねぇ」


「ふん。決して、元暗黒騎士のお前にやられる私たちではない」


 黄金騎士団団長が飛びあがって、黄金の剣でスレッグを斬りつけた。


 それにつづいて、他の騎士団長も次々とスレッグを切り裂いていく。


「我らの力を見くびるな」


 黄金騎士団団長が言った。


「ぐわぁぁぁぁ……なんて……その程度で俺を倒せたと思ったか?」


「なにっ?」


 騎士団長たちが驚いた。

 切り裂かれたスレッグの体は、黒い煙を出して元の形に結合していく。


「不死身なのか……」


 騎士団長の誰かの声が漏れ聞こえた。


「力とは、こういうふうに使うんだ」


 スレッグは大剣を上から下に振りおろした。

 闇の波動が騎士団長らを吹き飛ばした。

 崖もえぐられ、破壊力のすさまじさを感じた。


 俺はギリギリでよけた。


「ひと振りで、あの力……」


 レオンが起きあがる。


「団長、どうしましたか……」


 黄金騎士団をはじめ、各騎士団のメンバーが騒ぎにかけつけてきた。


「キール、大丈夫?」


 エレナも来てしまった。


「俺は大丈夫だ。エレナ姫は下がっていろ」


「えっ、でも……」


「ほぉ……なんの力も持ってなさそうなヤツもいるとはな」


 スレッグの腕がエレナに伸びていく。


 ——な、なんだ。あの腕?

 ——闇で自由自在に体を……。


「い、やっ、アグッ」


 そして、エレナの首をつかんで、自分のもとへ引き寄せたスレッグ。


 ——エレナ姫……。


「スゥ……うーん、いい女だ。闇の王女として迎えいれてやろう、フハハハハ」


 スレッグは、エレナの首元に顔を近づけて匂いをかいだ。


「い、イヤッ……キ、キール……た、たすけて」


 エレナは必死に腕を俺に伸ばしてくる。


「あぁ、もちろんだ。エレナ姫! 姫は返してもらう」


 俺は地面を踏みこんで、飛びあがる。

 スレッグに投擲ナイフを投げつける。


「ふんっ。あいかわらず、お前のやることは変わってないな」


 スレッグは半身で、エレナをかばう。

 投擲ナイフがスレッグの体に刺さった。


「痛くもかゆくもない。闇の王女に当たったら、どうしてくれる?」


「俺がエレナ姫に当てるとでも?」


「ハッ、なに?」


 俺は一瞬でスレッグの背後に回って、黒剣を振りおろした。

 スレッグの体は真っ二つに。


「姫っ」

「キール」


 その隙に、エレナを抱きとめて助け出す。


「エレナ姫は、カリンと一緒にいてくれ」


「う、うん」


「わかりました。エレナ姫は私が守ります」


 カリンはエレナの前に立って、ステッキをかまえた。


「キール、あいかわらずぬるいぞ……」


 スレッグの体がくっついてもとに戻った。


「俺が闇の王だということを忘れたか?」


「スレッグ、お前こそ、その投擲ナイフが刺さりっぱなしなことを忘れたか?」


「フン……こんなナイフ、刺さりっぱなしでもなんの支障はない」


「そうかい」


 俺はスレッグに手をかざした。


 ——マナ・フェッセルン


 スレッグに刺さった投擲ナイフから白い光があふれて、スレッグを包みこむ。


「な、なんだこの光は? なっ、クッ、か、体が動かないっ」


「わはははは、新暗黒騎士キールをなめておるからそうなる。そして、我ら八大騎士もなめられては困るぞ。みなのものよ、行くぞ」


「「おぉー」」


 八大騎士団は、それぞれの武器をかまえた。


「まずは、私たちからだ。闇は金の光で包みこんでやる」


 黄金騎士団団長が黄金の剣をかまえた。


「「合技・黄金(オウゴン)」」


 黄金騎士団の特性合技を皮切りに、次々と各騎士団が攻撃を放っていく。


「「合技・紅蓮(グレン)」」


「「合技・翡翠(ヒスイ)」」


「「合技・蒼穹(ソウキュウ)」」


「「合技・鉄紺(テツコン)」」


「「合技・紫苑(シオン)」」


「「合技・太陽(タイヨウ)」」


「グハッ……ばっ、バカな……キール、いったいなにをした?」


 闇の体が溶けているスレッグは、苦しんでいた。


「リーゼ」


「えぇ」


 リーゼは両手をスレッグに向けた。


「——マナ・バルムヘルツィヒカイト」


 スレッグは、まるで白い乱気流に飲みこまれたようだった。


「グァァァ……」


 溶けかかったスレッグの闇の体は、白い光に食われている。


「さぁ、キール」


 レオンが叫んだ。


「とどめを刺せ、キール」


 エルドウィンの高らかな声が響いた。


「あぁ」


 俺は黒剣をかまえた。


「ぐぬっ……キ、キール。俺が……悪かった……こ、この闇の力をお前にも授ける。だから、命だけは……」


「世界を闇におとしいれるようなそんな力は、俺には必要ない。その力から守るための力があれば、十分だ」


「お、お前のどこにそんな力が……」


「はっきり言って、守るための力は、わざわざ人に見せつけるようなもんじゃないでね」


「キール、なにを隠しもっているーーー」


 スレッグは怒り叫んだ。

 地面を強く踏みこんで、一瞬でスレッグとの間合いをつめた。


「隠しもっているモノを見せるわけないだろ。見せつける技がそんなに見たいなら、最後に見せてやるよ」


 俺は黒剣を振りかざす。


 ——暗黒覇王龍頭激墜斬ダークドラゴンコップフブレイク


 黒剣を振りおろした。

 まるで龍が頭突きをするかのような衝撃で、スレッグは真っ逆さまでいっきにマグマに向かって落下する。


「グワァァァァァ」


 マグマに落ちると、その声も溶かされるように消えてしまった。

 闇のスレッグはマグマに溶け、そのもとであった闇の指輪もマグマに沈み溶けていった。


 ザッと、着地すると、しばし静寂に包まれた。


 ——うるさいヤツがいなくなったな。


「「おぉー」」


「「キール」」


「キールなら、絶対やっつけてくれると思った」


 エレナが抱きついてくる。

 そして、囲まれるように騎士団が駆けよってきた。


「な、なんだ、なんだ?」


「わはははは、さすがキールじゃ」


 エルドウィンがバンバン俺の体を叩く。


「さすがキールだ。キールがいなかったら、やられていたかもしれない」


 レオンが言った。


「ふん。別に新暗黒騎士がいなくても……まぁ、スレッグの動きを止めてくれたのは助かったが……」


 黄金騎士団団長が腕を組んで言う。


「さすが兄さん」


「あぁ。みんなの協力があったからこそだ」


「わははははは、またそんな謙遜を」


 だから、力が強いっての。




 こうして、闇の指輪を地獄の谷に捨て去ることができた。


 まぁ、最後にスレッグが現れるとは予想していなかったけどな。


 日が暮れる前に、地獄の谷を出て、死霊の山を急ぎ下りた。


 死霊の山のふもとにあるミデンカの町へ無事に戻って来られた。


 そこで、各騎士団とは別れた。


 そして、俺たちは首都ボザーダイアへ戻ることに……。


「おもしろかった!」

「続きが気になる、読みたい!」

「このあと、どうなるのっ……!」


と思ったら


下にある ☆☆☆☆☆ から、作品への応援お願いいたします。

おもしろかったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直な気持ちで大丈夫です!


続きが読みたい方は、ぜひブックマークもしていただけると本当にうれしいです。


よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ