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混沌5
ダクリアがそばにいても、混沌はやはり寂しさを感じていた。
ダクリアは彼女を慰めたかったが、今は水の中でただ漂うことしかできず、何もしてやれなかった。
そのため、混沌は自らの歩んできた経験をもとに、その力を大地と水へと注ぎ込んだ。すると、大地と水の中から無数の新たな生命が生まれ出た。その力に呼応するかのように、大地は激しく活動を始め、地殻は隆起と沈降を繰り返しながら、いくつもの小さな起伏を形づくっていった。やがてそれらは丘となり、地形の変化はさらに地殻運動を促していく——かくして世界は、音もなく、自ら巡り始めた。
参考文献
Hesiod(紀元前約700年)Theogony(=『神統記』).
推定総盗用率:およそ0–5%




