人間265
「ウヴァ、こっちにおいで。もう準備はできたわよ」とエラは言うと、まだよちよち歩きのウヴァを抱き上げ、毛皮で自分の腰にしっかりと固定した。
彼女とイザは丘の斜面を下り、西にある小川を渡ると、森の中を通る、時折人の道としても使われる獣道をたどって、開けた草地へ出た。イザは足を止め、辺りを見回した。それから、背の高い鮮やかな黄色い花が群生している場所へ歩いていった。その花はアスターによく似ていた。「これは大車よ、エラ」とイザは言った。「野原や開けた場所によく生えているの。葉は大きな楕円形で、両端が尖っている。表面は濃い緑色で、裏には細かな毛が生えているの。よく見てごらん」イザは膝をつき、葉を一枚手に取って説明した。「中央の葉脈は太くて肉厚なのよ」そう言って、イザは葉を指で開いて見せた。「うん、ママ、わかった」「見えない……」「大丈夫よ。ほら、私の手にあるこの花を見てごらん」「うーん……」「そんなに臭い?」イザは傷ついたような顔をした。「ははは!」「笑わないの、エラ。真面目に聞きなさい!」「うん」「この植物は毎年、同じ根から芽を出すの。でも、採るなら二年目がいい。晩夏から秋にかけてが一番いい時期よ。その頃になると、根が滑らかでしっかりしているから。それを細かく切って、手のひら一杯ほどを小さな骨の杯に入れ、半分より少し多いくらいになるまで煮るの。煮上がったら冷ましてから飲む。毎日、二杯ほどね。痰を切る働きがあって、特に血を吐くような肺の病に効くの。それに、汗を出したり、尿を出しやすくしたりする効果もあるわ」イザは掘り棒で根を掘り出した。地面に腰を下ろし、手を素早く動かしながら説明を続ける。「根は乾燥させて、粉にすることもできるのよ」そう言って、イザは掘り出した根を籠に入れた。
ウヴァはとても好奇心旺盛で、道中、エラとイザに次から次へと質問をした。木々の間から聞こえてくる鳥のさえずりから、地面に残された動物の足跡まで、目に入るものすべてに興味を持ち、何でも尋ねた。エラは作業の手を止めることなく、一つ一つの質問に丁寧に答えた。イザも時折振り返って、笑顔でウヴァの質問に答えた。一つ答えてもらえば、ウヴァはすぐにまた次の質問を口にした。
参考文献
Auel, J. M. (1980) The Clan of the Cave Bear(=『ケーブ・ベアの一族』).
推定総盗用率:およそ0–5%




