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講評 前編

教室の様な室内へ意識が浮上する。壁沿いに国防軍の人や魔法使い、魔法少女が並んで座っている中、今回の訓練の参加者が、中央に置かれた椅子から目を覚まし始める。


「さて、今回の奪還作戦は失敗となったわけだが……、まずは当事者の反省点を聴こうじゃないか。」


軍のお偉いさん、名前は知らない。私たちに言い聞かせるというよりも、護衛部隊の人たちを名指しで刺しているかのような雰囲気を纏い、反省点を求めてくる。


「あー、護衛部隊ピクシー1です。まず、我々護衛機が早々に墜とされたってのは……、問題っすよねぇ。」


ガンシップを護衛していた戦闘機のパイロットが、気まずそうに意見を述べる。開始10分で飛行型の脅威級に墜とされていたのは、まぁ驚いたが。


「あの段階で、護衛機が居なくなっても、私が援護に回ったので作戦続行自体には影響はありませんでした。」


護衛機が墜とされた後、約20分ほどガンシップの護衛は私の”花”で代用していたが、国防軍の任務は私たちの護衛。護衛対象に守られていたのは面子としても痛いのだろう。


「……そう、詩織さんの言う通り。任務に問題が無かった。ところで君たちピクシー隊は魔法少女の護衛という任務を授かったわけだが……、エスコートするはずが、エスコートされた気分はどうだったのかね?」


「あのー、言い訳がましいのは承知の上で言いたいのですが……、戦闘機は小型犬サイズを狙うもんじゃないんですよ!あの大きさをどうやって当てろと!あの大きさで機関砲クラスの火力とかどうなってんですか!」


パイロットの悲痛な叫びが、室内へ木霊する。……戦闘機であの大きさを相手にするのはさすがに無理があると思っていたけど、本人たちも今回の訓練でよくわかったらしい。


「そもそも、護衛役を言い出したのはそっちだろうに。それともなんだい、魔物について勉強不足だったのかい?」


幻理さんがにやにやと笑いながら追撃する。本来ガンシップと魔法少女と護衛の魔法使いでの訓練の予定を護衛機をねじ込んできたのは国防軍の方なのだから、あちらはあまり強く言い返せないらしい。


「じゃぁ、詩織。今度はこっちだ。今回、なんで各個撃破された?そもそも戦力を分散させる意味はあったのか?」


時雨さんが淡々と私のミスについて質問してくる。……分散するべきではなかったと、今ならわかるが訓練していた時には、分散する方が良いと考えていた。


「はい。まず、降下した時点で一人喪失していたので、島全体の奪還作戦で時間をかけていられないと判断し、広範囲の殲滅に移行しました。ただ……、強魔級以上の出現を想定していなかった、私がカバーできる範囲を超えて部隊が活動していたことを把握していなかったことが各個撃破の原因だと考えます。」


「魔物の戦力が不明なのも分かっていたはず。それに、魔法少女は鉄等級だろう?二人組を作ったところで、強魔級と遭遇した時の事を考えなかったのか?どうせなら4人一纏めで運用した方がよかったと俺は考えるが。」


一纏めでの運用は考えはしたけど、攻略時間を考えた結果破棄した案。もう少し考えるべきだった。


「いや、鉄等級の魔法少女だけの部隊運用は本来行わないはずでしょう。戦力としては半人前、末期戦を想定した訓練であったと考えるのであれば当然ですが、我々、国防軍の支援も不十分であったと思いますね。」


ガンシップの機長が少し考え込んでから発言をする。ガンシップも被弾していたから対地支援は確かに少なかった。


「国防軍の方ももう少し、魔物について勉強すべきだろうねぇ。魔物用の兵器なんて作ってないんだろう?」


幻理さんが軍のお偉いさんの方を見ながら質問をする。魔物用の兵器なんて国防軍は持っているのだろうか?


「なんだ、自衛隊時代から魔物に負けても、兵器開発しなかったのか。随分と腑抜けたな。」


時雨さんが、国防軍全体に向けてちらりと視線を向ける。……たしか、時雨さんは世界大戦のときに軍に入っていたと言っていた気がする。

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