初めての念話
いやいやいや、ちょっと待った。
<創造>なんて能力、どうやって実現させてるのよ!?
何らかの条件がないと無理でしょ……まあ、それを言うなら<存在複製>とか<事象付与>とかも、何らかの条件があると見た方がいいのかもしれないけれど。
「あ、一日二十回までっていう注意書きが出た」
やっぱり条件付きだったか。あー、よく考えると私と姫香にも何らかの条件あるべきだよね。この能力、「使いこなせたら現地人よりかなり強い」って範囲じゃないでしょ。「使いこなせなくても圧倒的」の間違いじゃないかな?
「わ、私と日和の能力には何にも書いてないね」
「…自分で探れってことかな?で、美優のは回数制限があるから伝えたと」
「うーん……よくわからん!とりあえず勉強に疲れたら異世界っていう逃げ道ができたね!」
美優、君の楽観的思考はときどき理解できないよ。勉強から離れたらどんどん内容を忘れていくだけじゃないの?
「能力の実験についてはあとでするとして、この念話って何?」
「うーん、何かを念じればいいのかな?」
「え、えっと……?」
何かを念じる、か。例えば…。
『私は日和です』
とか?いや、流石にそこまでとんとん拍子にはいかないか。
「あれ、日和なんか言った?日和の声がしたんだけど」
「……何も言ってないよ?」
「わ、私も聞こえた……」
「あ、これが念話なんだね?私もやってみる!」
え、えー……あんなんで成功するのか。
簡単だな、念話!
『美優だよ!』
『姫香…だよ……』
おおお!他の二人も成功してる!
やっぱり簡単すぎるでしょこの能力。入手方法も異世界に来るだけってどうなの?いや、苦労はしたくないからありがたいけど。ありがたいけど!
「念話って簡単だね!」
「そ、そうだね」
紙に書いてある念話の項目を眺めていると、上の項目も目に入ってきた。転移と書かれている4番目の項目だ。
なんか、気になるな。




